日付 | 概要 |
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2011.6.4(Sat) | 雲取山登山 〜山頂経由、雲取山荘まで〜 |
2011.6.5(Sun) | 石尾根経由で奥多摩駅まで |
しかし出発を遅らせたため、奥多摩湖に向かう人たちのラッシュにまで巻き込まれた。新宿から奥多摩駅まで1時間30分立ちっ放しで、その先のバスに乗車する際にも推定300人のウンザリするような大行列。これでさらに出発が遅れた。10時を過ぎてから雲取山登山口を出発する人はごく限られていた。
雲取山登山の動機
雲取山とは、東京都最高峰である。標高は2000mを超え、日本百名山の一つに数えられている。キナバル登山を2週間後に控え、なまりまくった体を覚醒させるために十分な山と言えるだろう。東京から比較的手軽にアクセスできる手軽さも見逃せない。
2011.6.4(Sat)雲取山登山 〜山頂経由、雲取山荘まで〜
雲取山は頑張れば日帰りも可能だが、そのためには未明に出発して深夜に帰宅するスケジュールとなる。今回は行程に余裕を持たせるため、雲取山荘に一泊するプランとした。
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奥多摩駅でバス待ち。人多すぎ(撮影:ぽかたん) | 登山口付近を流れる川 |
予定 | 実績 | 高度 | 場所 |
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10:00 | 10:15 | 540m | 鴨沢登山口 |
10:30 | 11:00 | 740m | 小袖乗越 |
12:25 | 13:03 | 1230m | 堂所 |
14:55 | 14:19 | 1650m | ブナ坂 |
※堂所で昼食(1時間)を想定していたが、実際にはその手前で昼食とした。
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車道を登る。景色は良いが、暑い | 小袖駐車場 |
その後、しばらくの間はなだらかな登りが続く。ゆぞ・れえる・筆者が先頭集団、ぽかたん・Jinさん・どらぐが後方集団を形成する。先頭集団は適当なペースメーカーを見つけてひたすらついていくが、後方集団は団体さんの後でまったりと登る。
時々休憩を挟みつつ、昼食ポイントに想定していた堂所に向かったが、実際にはその手前で昼食とした。なお、昼食休憩後には体力の有り余っていたゆぞが驚異のこいのぼりを実演した。
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こいのぼり!(撮影:ぽかたん) | ブナ坂に到着(撮影:ぽかたん) |
堂所で、道が分岐していた。七ツ石小屋・七ツ石山経由で行くか否かの違いで、最終的にはブナ坂に出る。ろくに地図を読んでいなかった我々は、どちらに行くか深く考えていなかった。居合わせた人に教えてもらい、より近いと思われるルートを進んだ。
その後もまったりとした登りがしばらく続き、いい加減ダレてきた頃にようやくブナ坂と呼ばれる分岐地点に到着した。
予定 | 実績 | 高度 | 場所 |
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15:05 | 14:33 | 1650m | ブナ坂発 |
15:45 | 15:08 | 1750m | 奥多摩小屋 |
16:50 | 15:54 | 2017m | 雲取山頂 |
17:45 | 16:47 | 1850m | 雲取山荘 |
※雲取山頂で20分の休憩時間を想定。実際にはゆったり30分。
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気持ち良い稜線の道! | 斜面に生えているフキの大群 |
時々後ろを振り返ると、写真を撮りたくなるような風景がひたすら続く。基本的に登りは緩やかだが、たまに急登もある。幾度目かの急登で、先行していたゆぞ&れえる組を華麗に抜き去った。但し、実はゆぞが登山靴ではなく五本指靴を装備していたというハンディがある。
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振り返ればまた絶景 | なだらかに見えるが、実は急登 |
山頂は意外と遠かった。特に、山頂手前の山小屋が見えてからが。小屋の直前に最後の急登があり、これを登りきって小屋の裏手に回ると、拍子抜けするほどあっさりと山頂に到達した。
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山頂手前の急登 | 山頂に到着(撮影:ぽかたん) |
この山頂は、東京・埼玉・山梨の分岐点らしい。我々の他に約20人の登山ツアー客が居て、ガイドの人がそう説明していた。既に午後も遅いこともあり、富士山は残念ながら雲に隠れて見えなかった。
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三角点 | 蝶もいた |
記念写真撮影後、さくさくっと雲取山荘へ向かう。これが意外と遠かった。予想外に下るし。「山頂から700m」という情報だけ頭にインプットされていて、ろくに地図を見ていなかったため、この下りが想定できていなかった。
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雲取山荘に到着(撮影:ぽかたん) | メシもなかなか(撮影:ぽかたん) |
メシもまずまず。若干の頭痛があったものの、悠々完食した。この頭痛は、高山病と考えられる。風邪をひいているわけでもなく、他に原因が思い当たらないためだ。それにしても、高度2000m弱のこの山荘でも高山病の兆候が出るとは。2週間後に迫ったキナバル登山に向けて一抹の不安を覚えた。
レンジャー会が屋外で酒盛りしている間、我々はまずスマートフォン用の受信機をセットした。部屋に置いたのでは受信状況が悪いため、外に置く必要があった。隠す場所としてピッタリなところが見つかったらしい。そしてキナバルに向けた最終確認を行った。また、キナバルの次に挑むべき山を決定したり、タイピングオフの具体案を出し合ったりした。
2011.6.5(Sun)石尾根経由で奥多摩駅まで
●下山(ブナ坂まで):予定と実績
予定 | 実績 | 高度 | 場所 |
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4:00 | 3:56 | 1850m | 雲取山荘 |
4:30 | 4:17 | 2017m | 雲取山頂 |
6:15 | 5:37 | 1750m | 奥多摩小屋 |
6:35 | 6:22 | 1650m | ブナ坂 |
※雲取山頂で朝食(1時間)を想定。実際には朝食を後回しにして、29分御来光を堪能。
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夜明け前の雲取山頂 | 御来光! |
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絶景かな! | 絶景かな!2 |
気がかりだったのは、昨日の山頂から山荘までの下りでほぼ限界に来ていたというJinさんの膝だ。しばらくの間、最後尾で一緒に下山した。しかーしブナ坂到着時点でJinさんの膝が再び限界に。結局Jinさんは来た道を単独行動で下山し、他5人は当初予定通り石尾根ルートに向かった。ここでJinさんを単独で下山させるのはどうかと思ったが、
・天候が安定していたこと ・下山ルートが分かりやすく、かつ最短であること ・小袖まで下山すればJinさんの車があること ・筆者の日光男体山と同様、ストックがあれば何とかなりそうなこと ・膝以外に健康上の問題が無いこと |
を考慮し、このような選択とした。上記のいずれか1つにでも難があれば、石尾根ルートに行かず、一緒に下山しようと考えていた。
予定 | 実績 | 高度 | 場所 |
---|---|---|---|
6:35 | 6:22 | 1650m | ブナ坂 |
6:45 | 6:38 | 1757m | 七ツ石山 |
8:45 | − | 1773m | 高丸山 |
9:20 | 7:38 | 1725m | 日陰名栗峰 |
9:45 | 8:03 | ? | 鷹ノ巣山避難小屋 |
10:20 | 8:40 | 1737m | 鷹ノ巣山 |
12:00 | 10:18 | 1479m | 六ツ石山 |
14:30 | 12:23 | ? | 石尾根縦走路終点 |
15:00 | 13:15 | ? | 奥多摩駅 |
※高丸山は、誤って巻き道を通過したため登れず
※朝食は鷹ノ巣山で27分。
※六ツ石山で昼食(1時間)を想定。実際には軽く休憩したのみ。
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七ツ石山にて(撮影:ぽかたん) | 日陰名栗峰にて(撮影:ぽかたん) |
高丸山の2つ先のピークである鷹ノ巣山からの眺めは最高だった。ここで朝食の弁当を食べた。この辺になると日が昇り、じりじりと暑くなってきたが。
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鷹ノ巣山にて(撮影:ぽかたん) | 六ツ石山にて(撮影:ぽかたん) |
そして最後のピークである六ツ石山を過ぎるとかなりキツい下り。ここを登ってくる人もいたが、相当キツいと思う。また、水場は最後まで無かった。筆者が予備で持っていた水500mlが最後に役立った。
石尾根縦走路終点で記念撮影。その後は奥多摩駅に向かって車道をひたすら歩く。ショートカットがあればどんどん行く。神社の境内を通ったり、民家の脇を通ったり。最後のショートカットを抜けていくと、ようやく交通量の多い通りに出た。そして待望のコンビニが! ここで皆が快哉を叫び、水分補給していたのは無理もない。
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石尾根縦走路終点にて(撮影:ぽかたん) | コンビニがあった! |
登山後の温泉は快適すぎ。混雑していたり、入れ墨の入った方々が居たりしたのはご愛嬌。入浴後、Jinさんの車に6人は乗れないため、誰か1人が夕食の店まで歩かなくてはならない、ということになり、最も余力のある筆者がにゃんにゃん歩いた。
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もえぎの湯の看板が。 | 夕食は「餃子の老舗 天益」にて。 |
食後、駅前の店で土産を選ぶ。筆者は黒蜜きなこ餅10個入り(200円)を2箱選定した。値段の割に好評だった。そして快速電車に間に合うように奥多摩発。Jinさんとはここでお別れとなった。今回膝を痛めたため2週間後のキナバルに参加できないのは大変残念だが、今はじっくり膝を治していただきたいと思う。タイパー登山部の全員が、Jinさんの将来の復帰を心待ちにしている。
快速電車は快適すぎ。新宿駅で皆と別れた後、東京まで直通だった。おかげで帰宅も予定より早かった。
今回は1泊2日としたことで計画に余裕があり、石尾根縦走路を(高丸山を除いて)踏破できた。当初は日帰りで鴨沢−山頂間の往復を念頭に置いており、タイパー登山部恒例のチャレンジングなスケジュールだった。スケジュール変更により、結果的に心身に余裕を持てた点は幸いだった。
膝の痛みに関しては、今回も登山・下山を通して全く出なかった。杖はそもそも持参しなかったし、アイシングも不要だった。毎日欠かさず継続した膝トレーニングの効果が出ていると言えるだろう。但し、下山翌日から3日程度は太もも・すねの筋肉痛が残った。
次に食料について。今回もウィダーインゼリーと粉末Pocariが非常に役立った。筆者は高山病が出ると食欲が失せるため、固形物を受け付けなくなる。このため、ウィダーを計3個持参した。これはミネラル補給としても極めて有効だった。粉末Pocariの効果もてきめんで、特に直射日光の当たる中で延々と行軍を続けた後には素晴らしい補給源となった。
まずは高山病。標高2000mに満たない雲取山荘でも高山病の症状が出るとは完全に想定外だった。今回は疲労も少なく、低気圧襲来もなかったのに、高山病になる理由が分からない。今回の症状は軽度の頭痛のみであり、食事の前後に高度順応が進んで全快した。とはいえ、今後3000〜4000m級の登山を継続するにあたり、頭痛薬やダイアモックスの常備が欠かせないことを再認識した。
また、帽子を装備していなかったため軽い熱中症(日射病)にやられたらしく、下山後も微頭痛が1週間程度継続した。
パーティ全体で、水の準備が不足していたのもいただけない。石尾根ルートはかなり長く、直射日光に当たると体力を消耗する。しかも途中に水場がない。計画段階ではこの状況を甘く見ており、十分な水を用意していなかった。このため、終盤では水が尽き、最後のペットボトルを回し飲みしている状況もあった。事前にこの状況を想定できていれば、雲取山荘で水を多めに補給する等、回避策を実行できたはずだ。
地図をろくに見ていないのも改善すべきだ。特に、石尾根ルート中の高丸山をすっぽかしたのは間抜けすぎた。将来このピークだけ再び登りに行くことになるのだろうか ^^;
雲取山登山の感想
最後に今回の収穫と反省をまとめて記しておく。●今回の収穫
東京都最高峰に参加者全員で登頂した。また、今回は長大な石尾根ルートであり、2週間後に迫ったキナバル登山向けのトレーニングとして、必要十分な負荷を与えられたと評価する。●今回の反省
危険度が高いものから挙げていく。●総括と今後
雲取山は比較的アクセスしやすいため、今後再び登る機会もあるだろう。次回は山梨県側から登るのも面白そうだ。
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