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オンライン大会には、17言語で参加可能である。練習サイトであるTakiソフトウェアの順番に並べると、イタリア語、英語、ドイツ語、フランス語、オランダ語、スペイン語、トルコ語、ポルトガル語、ルーマニア語、日本語、フィンランド語、クロアチア語、チェコ語、スロバキア語、ハンガリー語、ロシア語、ポーランド語である。
各言語で初見の課題を10分間打ち、「総打鍵数−ミス数×50」を得点とする。この得点の合計値で競う。従って、速度を上げることも重要だが、それ以上に正確性を上げることが非常に重要である。但し、毎日パソコン入力コンクール(以下「毎パソ」)とはミスの定義が違う。例えば、1単語内の入れ替えミス(例:that→taht)や、1行すっ飛ばしは、1ミスとカウントされる。
筆者はUSインターナショナル配列で対応可能な9言語に加え、かり〜配列(後述)で対応可能な7言語にも参戦した。唯一ロシア語には参戦しなかった。
言語1 | 言語2 | 言語3 | 得点 | 速度(文字/分) | ミス数 | 順位/参加者数 |
---|---|---|---|---|---|---|
English | EN | 英語 | 4897 | 539.7 | 10 | 17/474 |
Nederlands | NL | オランダ語 | 4498 | 454.8 | 1 | 8/207 |
Español | ES | スペイン語 | 4473 | 457.3 | 2 | 4/155 |
Deutsch(Schweiz) | DE(CH) | ドイツ語 | 4114 | 421.4 | 2 | 14/278 |
Português(Brasil) | PT | ポルトガル語 | 4108 | 415.8 | 1 | 4/106 |
Italiano | IT | イタリア語 | 4107 | 430.7 | 4 | 21/424 |
Français(Suisse) | FR(CH) | フランス語 | 3948 | 414.8 | 4 | 12/175 |
日本語 | JP | 日本語 | 3828 | 407.8 | 5 | 7/104 |
Suomi | FI | フィンランド語 | 3800 | 390.0 | 2 | 6/133 |
Hrvatski | HR | クロアチア語 | 3796 | 394.6 | 3 | 25/202 |
Română | RO | ルーマニア語 | 3726 | 387.6 | 3 | 8/71 |
Slovenčina | SK | スロバキア語 | 3086 | 333.6 | 5 | 29/257 |
Česky | CZ | チェコ語 | 3002 | 320.2 | 4 | 117/644 |
Türkçe | TR | トルコ語 | 2996 | 324.6 | 5 | 87/353 |
Magyar | HU | ハンガリー語 | 2919 | 301.9 | 2 | 39/119 |
Polski | PL | ポーランド語 | 2741 | 329.1 | 11 | 26/74 |
平均 | 3752 | 395.2 | 4.0 |
※合計60039点。総合6位。
※順位は5/12朝時点のもの。また、方言(例:ドイツ語とスイスドイツ語)はまとめて集計している。
言語 | 最高記録 | 平均得点 | 平均速度 | 平均ミス数 | 打鍵回数 |
---|---|---|---|---|---|
英語 | 5307 | 4900 | 530.0 | 8.0 | 11 |
オランダ語 | 4732 | 4248 | 449.8 | 5.0 | 16 |
スペイン語 | 4473 | 3916 | 420.4 | 5.8 | 12 |
ドイツ語 | 4176 | 3735 | 407.2 | 6.8 | 16 |
ポルトガル語 | 4108 | 3696 | 382.9 | 2.7 | 6 |
イタリア語 | 4107 | 3941 | 411.6 | 3.5 | 6 |
フランス語 | 4001 | 3363 | 382.0 | 9.1 | 7 |
日本語 | 4356 | 3755 | 406.1 | 6.1 | 9 |
フィンランド語 | 3978 | 3561 | 380.5 | 4.9 | 17 |
クロアチア語 | 3796 | 3573 | 377.3 | 4.0 | 7 |
ルーマニア語 | 3838 | 3341 | 357.2 | 4.6 | 8 |
スロバキア語 | 3204 | 3009 | 320.1 | 3.8 | 12 |
チェコ語 | 3089 | 2590 | 294.0 | 7.0 | 12 |
トルコ語 | 3007 | 2609 | 302.6 | 8.3 | 6 |
ハンガリー語 | 2919 | 2661 | 291.1 | 5.0 | 6 |
ポーランド語 | 3437 | 3040 | 331.8 | 5.6 | 9 |
合計 | 160 |
※上記の数字には本番も含む。
※Takiソフトウェアのバグによるミスと、それによる減点も含む。英語とフランス語でミスが多いのはこのため。
ところが、最も早い段階で練習を開始していたジュニアさんやかり〜さんがTwitterで発信していた情報を総合すると、オランダ語、スペイン語、イタリア語が多言語練習初心者には取り組みやすいとのことだった。そこで、まずはオランダ語とスペイン語の練習を開始した。また、USインターナショナル配列でドイツ語のウムラウトに慣れた段階で、特殊文字がウムラウト以外ほとんど出ないフィンランド語にも取り組めるとの情報をかり〜さんから頂き、フィンランド語の練習も開始した(代わりにスペイン語の優先順位を落とした)。その後、4月中は英独蘭芬の4言語に絞って練習していた。
4/29にPocariさんから本番用のIDとパスワードが送られてきた。そこで、上記4言語の本番を終え、USインターナショナル配列で対応可能な残りの4言語(西伊仏葡)の攻略に着手した。ちょうどゴールデンウィークと重なったこともあり、短期間のうちに効率的な練習を積むことができた。そして、日本語も含め計9言語でそこそこの結果を残すことができた。初年度の参戦はここまでかなと考えた。
ところが! その後、多言語に参戦している人たちにどんどん抜かれ、世界ランキングの順位が低下していった。10〜11言語に参戦している人に9言語で勝つのはさほど難しくない。だが、12言語以上に参戦している人に勝つのは難しい。そして、各言語のスコアで勝っているのに総合得点で負けるのは、総合力で勝負するタイプの筆者としては意外と悔しい。残り8言語に参戦する気は当初は皆無だったのに、いつの間にか参戦方法の模索を開始していた。そして、当初は思いもしなかった劇的な展開を迎えた。
●プロローグ
Pocariさんの尽力で今年から日本語が正式な種目として採用された。しかも、彼のご厚意により、初年度は参加費が無料になるとのこと。そこで、まず日本語と英語に参戦することとした。他には、十分に練習を積んだ言語のみの参戦を検討していた。具体的には、第二外国語だったドイツ語、第三外国語だったフランス語だ。生半可な気持ちで参戦しては日本人の恥晒しになるだけと考えた。
●戦略
(1) 多言語参戦=ランダム練習との認識
日英以外の言語はすべて実質ランダム練習である。何しろ、17言語のうち大半が、打鍵するどころか見たことすらない言語なのだ。【筆者の各言語への習熟度】
言語 | 言語習熟度 | 打鍵習熟度 | 特殊文字 | コメント |
---|---|---|---|---|
日本語、英語 | ◎ | ◎ | ◎ | タイピングの訓練を積んでいる |
ドイツ語、フランス語 | △ | × | △ | 第二/第三外国語 |
オランダ語 | × | ○ | ◎ | 特殊文字がほとんど無い |
スペイン語、イタリア語 | × | ○ | ○ | 英語と似たスペルの単語が多い |
ポルトガル語 | × | ○ | △ | 同上 |
フィンランド語、クロアチア語、 ルーマニア語 | × | △ | ○ | 特殊文字が少ない |
ポーランド語 | × | × | △ | かり〜配列により脅威が激減 |
ハンガリー語、トルコ語、 チェコ語、スロバキア語 | × | × | × | 特殊文字が多い |
ロシア語 | ×× | ×× | ×× | ラスボス |
※言語習熟度とは、言語自体への習熟度を指す。とはいえ、ドイツ語とフランス語はほぼ忘れている。
※打鍵習熟度とは、打鍵経験のある単語の含有率を指す。◎○△×の順に少なくなる。
※特殊文字とは、ダイアクリティカルマーク(何らかの装飾が施された文字)の含有率を指す。◎○△×の順に多くなる。
そこで、TWオリジナルの小文字のみのミス制限練習を基礎トレーニングとして継続した。この種目では英字26文字とコンマ、ピリオド、スペースの計29文字がほぼランダムに近い形で出現する。但し練習を積み重ねると、この種目が実際には完全なランダムでなく、単語の集まりであることが分かってくる。一方、Interstenoの未知の言語も練習を積めばランダム文字列から単語に変わっていく。従って、Interstenoの多言語参戦と両立することで、むしろ相乗効果を狙えると考えた。余談だが、2月末に小文字のみの攻略を再開して以来、5月初までに425.8文字/分(XS)から453.1文字/分(ZJ)まで伸び、総合レベルZGが目前に迫ってきた。
なお、筆者にとって日本語と英語は馴染み深い言語であり、タイピングの練習もそこそこ積んできている。ところが、この油断が後で落とし穴となった。日本語と英語の練習も怠ってはいけない。貴重な稼ぎどころなのだから。
ジュニアさんは各言語の独自配列を使い分けて練習することで着実にスコアを伸ばしていた。確かに、十分に時間をかけて練習すればこれが最善の方法だと思う。しかし、後発組の筆者にとって、配列により特殊文字のみならず記号の位置すら変わるという状況に適応するのは極めて困難であると直観した。この直観は、ドイツ語を打つためにドイツ語の配列を調べた時点で存在した。QWERTZ配列に適応する時間はもはや無い。加えて、仮に適応できたとしても配列混同による他言語(例えば英語)への悪影響は免れないと判断した。
USインターナショナル配列にも障害がある。日本語配列とは幾つかの記号の位置が違うためだ。しかし、筆者は過去に職場でUS配列を使用したことがあり、特に苦労することは無かった。初期に練習したドイツ語とフィンランド語ではウムラウト、オランダ語ではそれに加えてアキュートアクセントのみに注意すれば良く、順調にスコアを伸ばすことができた。今思えば、この基礎練習を4月中ずっと継続したことで、他の特殊文字、他の言語への対応もすんなり進んだ。
記号 | USインターナショナル配列 | 日本語配列 |
---|---|---|
( | Shift + 9 | Shift + 8 |
) | Shift + 0 | Shift + 9 |
= | ^ | Shift + - |
: | Shift + ; | : |
' | : → Space | Shift + 7 |
" | Shift + : → Space | Shift + 2 |
※他にも日本語配列と打鍵方法の異なる記号は存在する。だが、Interstenoでは出現しない。
そんな時にTwitter上でeighさんが提唱したのがフランス語カナダマルチリンガル配列だ。それまで見たことも聞いたことも打ったこともなかったこの配列で、上記8言語のうちクロアチア語、ロシア語を除く6言語に対応可能らしい!
そこで、比較的特殊文字の少ないルーマニア語を筆頭に、ハンガリー語、トルコ語の練習を開始した。まず配列に慣れる意味で、打ちやすい言語を先に習得すべきだろう。ポーランド語、チェコ語、スロバキア語については、かり〜さんの多言語タイピングWikiを見た時点で特殊文字が多く、短期間での対応は困難と判断した。
実際、ルーマニア語、ハンガリー語、トルコ語では限られた練習期間でも合格ライン(240文字/分)は上回ることができるとの感触を掴んだ。この3言語に慣れた上で、残りの3言語の練習に着手することで、本番実施期限までに合格ラインを超える見込みが出てきた。
さらに、かり〜さんがハンガリー語のダブルアキュートにも対応可能とTwitter上で発言していたのを見るにおよび、天啓が閃いた。
この配列を5/7夜にかり〜さんに実装していただいた。そしてルーマニア語を試し打ちしたところ、何とフランス語カナダマルチリンガル配列のスコアを400点以上更新。かり〜配列の使用を決定した瞬間であった。
日付・時間帯 | 言語 | 累計得点 |
---|---|---|
4/29(祝)夜 | ドイツ語、オランダ語、英語 | 13509 |
5/3(祝)夜 | フィンランド語 | 17309 |
5/4(祝)夜 | スペイン語、イタリア語 | 25889 |
5/5(祝)夜 | フランス語、ポルトガル語、日本語 | 37773 |
5/9(土)午前 | クロアチア語、ルーマニア語 | 45295 |
5/9(土)夜 | ポーランド語、トルコ語、ハンガリー語 | 53951 |
5/10(日)夜 | スロバキア語、チェコ語 | 60039 |
ドイツ語とオランダ語を先に実施したのは、4月中ずっと練習してきたためだ。フィンランド語も4月中練習してきたが、スコアが伸び悩んでいたためもう少し練習したかった。次に、フランス語とポルトガル語は特殊文字への習熟が必要と判断したため、本番実施を後回しとした。5/9以降は、特殊文字の比較的少ないクロアチア語とルーマニア語を優先的に実施し、難関言語のスロバキア語とチェコ語は後回しとした。
幸いなことにゴールデンウィークと重なったため、5/5まではほぼ理想的な形で9言語の本番を終えることができた。但し、その後は6日間で初見の7言語に挑戦することを急遽決定したため、土日に本番を集中させざるを得なかった。その結果、難関言語であるトルコ語とハンガリー語の本番を練習不足な状態で打たざるを得ず、スコアも伸び悩んだ。さらに、4/29に睡眠率が高い状態で英語を打ったのも失敗だった。来年再挑戦するなら、1日あたりの本番実施数は2言語に抑えたい。但し、充分な練習を積んだ状態で、体調が良く、指の調子も好調を持続している場合は、その限りではない。
さらに、本番の直前に必ず10分間練習を実施する。これは、他の言語との混同を避けるためだ。例えばトルコ語のıを散々打った後にハンガリー語を打つと、íをıと打ってしまうミスが激増する。また、言語ごとに頻出する単語やシーケンスが存在するため、本番の直前に目と指を充分に慣らしておく必要がある。
また、本番や練習の実施前には使用しないアプリケーションを必ず終了させておく。筆者のケースでは、Outlookの定期的なメール受信により、練習中にブラウザがフリーズしたことがあった。このような事態が本番で発生してはたまらない。WindowsUpdateやLiveUpdateに関しても、10分間打鍵の実施中にはバックグラウンドで動作させないような対策を講じておきたい。
フランス語には本家フランス語の他にスイスフランス語、ベルギーフランス語が存在する。今回は違いがよく分からなかった。たまたま、練習中に唯一4000オーバーのスコアを出したという理由で、スイスフランス語を選択した。来年参加する際には、じっくり練習してどの方言が有利なのか見極めたい。そもそも、各方言の違いをろくに調査すらしなかったのは反省すべきだ。
オランダ語には本家オランダ語の他にベルギーオランダ語が存在する。こちらも違いをろくに調査しないまま、何となく本家オランダ語のみを練習して本番を迎えた。
13言語で東プレRealforce89Uを採用したのは、ノートPCのキーボードで打った英語で10ミスと轟沈する一方、東プレRealforce89Uで打ったフィンランド語で4ミスに抑えたためだ。TWオリジナルのミス制限練習も東プレRealforce89Uで打鍵しており、そこまでミスが増えることはないという目論見もあった。結果として、最初から東プレRealforce89Uを採用すべきだったかもしれない。来年は練習の質と量を増やし、東プレRealforce89Uを中心としたい。
配列 | 言語 |
---|---|
日本語配列 | 日本語、英語 |
USインターナショナル配列 | ドイツ語、オランダ語、フィンランド語、スペイン語、 イタリア語、フランス語、ポルトガル語 |
かり〜配列 | クロアチア語、ルーマニア語、ポーランド語、トルコ語、 ハンガリー語、チェコ語、スロバキア語 |
USインターナショナル配列は、US配列を打ったことのある筆者にとって導入が容易であった。しかし英文打鍵時には記号の場所が違うため、やや遅くなる。そこで、日本語の他に英語については日本語配列を採用した。
かり〜配列では、USインターナショナル配列をベースに各言語の特殊文字が割り当てられている。このため、USインターナショナル配列を習得した筆者にとってはやはり導入が容易だった。今回のような超短期決戦では、この配列の導入が最適解だろう。
・言語によっては、10分間練習用の課題が2〜3種類しか無いため、初見課題の対策にならない。 ・スペルミスが存在する(例:英語でcompetitition) ・その言語では使用しないはずの特殊文字が出現する(例:英語でéçやì) ・麻雀牌に似た記号が出現する(スイスドイツ語、フランス語、スイスフランス語、ベルギーフランス語、英語で確認) ・その他、打ち方の分からない記号が出現する(下記参照) ・アポストロフィがすべてミス判定となる文章がある(英語、スイスフランス語、トルコ語、ルーマニア語で確認) ・ハイフンがミス判定となる文章がある(日本語、ハンガリー語、ルーマニア語、フランス語で確認) ・短すぎて10分未満で終了する文章がある(スイスフランス語で確認) ・結果表示画面でうまく改行されておらず、ミスの詳細が隠れて表示されない(イタリア語、ポーランド語で確認) ・日本語で、10分経過時点で仮確定文字列が残っていると、ミス判定になる。 |
アポストロフィバグに関しては、日本語配列のShift+7やUSインターナショナル配列の:→Spaceで打鍵すると'が表示される。ところが、一部の文章ではが使用されていると思われる。ハイフンバグに関しては、日本語配列やUSインターナショナル配列の-を入力するとミス判定になることがある。一部の文章では–(nダッシュ)や—(mダッシュ)が用いられている可能性がある。これらは非常に紛らわしく、Takiソフトウェアの画面上では判別不可能だ。
他の特殊文字や記号はかり〜配列で対応可能だ。とはいえ、これらの特殊文字や記号は、基本的に本番には出ない。従って、練習時に理不尽な減点をされても、本番で出ないと割り切れば良い。
特殊文字/記号 | 打鍵方法 | 出現範囲 |
---|---|---|
« | 右Alt + @ | フランス語、スイスフランス語、クロアチア語 |
» | 右Alt + [ | フランス語、スイスフランス語、クロアチア語 |
〝 | Shift + : → 1 | ルーマニア語、トルコ語、英語 |
〞 | Shift + : → 2 | ルーマニア語、トルコ語、英語 |
æ | 右Alt + z | フランス語(未確認)、クロアチア語 |
œ | 右Alt + x | フランス語、スイスフランス語 |
言語 | 合格者平均点 | 合格者数 |
---|---|---|
英語 | 3571 | 54 |
スペイン語 | 3272 | 15 |
イタリア語 | 3039 | 21 |
オランダ語 | 3028 | 26 |
ポルトガル語 | 3028 | 14 |
フランス語 | 2953 | 16 |
クロアチア語 | 2906 | 13 |
ルーマニア語 | 2896 | 11 |
フィンランド語 | 2879 | 16 |
ドイツ語 | 2826 | 18 |
日本語 | 2814 | 73 |
ポーランド語 | 2813 | 8 |
トルコ語 | 2811 | 7 |
スロバキア語 | 2720 | 8 |
チェコ語 | 2644 | 7 |
ハンガリー語 | 2606 | 8 |
ロシア語 | 2229 | 3 |
日本語の係数は今回の参加者の平均値をベースに再検討するとのことだ。だが筆者は、係数を上げるとしても2.5程度に留めておくべきと考える。あまり高い係数を設定すると、今度は文章により日本語が有利になりすぎるリスクがあるためだ。
今回は、たまたま変換が素直に成功しない文章が出題されたから平均的に落ち込んだだけだと思う。というよりも皆さん崩れすぎ。普段かな入力を使用し、今年に入ってからローマ字入力は今回のInterstenoの直前に数回打っただけの筆者が、日本人の日本語参加者101人中7位ってどういうことよ。但し、ミスのペナルティに関しては他の言語と比較して大きめと感じた。ミス数にも何らかの係数が掛かっているのが原因と思われる。特に失格ラインギリギリの文字数しか打てない場合、ミス率の制限に引っ掛かりやすくなる。
特に、英語のミス馬鹿ぶりがひどすぎた。10ミスはあり得ない。タイピストとして自分を許せない。しかも、かすりミスを恐れて東プレRealforce89Uを敢えて使用せず、七号機(ノートPC)のキーボードで打ってこの結果だ。原因は明らかに、事前の練習が不充分だったことだ。
さらに、ポーランド語で11ミスと崩壊した。これは、Takiの本番用ソフトウェアが自動的にタイムアウトしたことに気付かなかったミスに由来する。本番を実施したと思い込んでいたら、実は練習用ソフトウェアが起動していただけだった。全神経を集中した10分間で1ミスに抑え、ほっとした次の瞬間に記録が反映されていないことを知った時の落胆は極めて甚大だった。直後に画面をリロードし、ログインし直して本番を打ったのも失敗で、集中力が続かず崩壊した。もっとも、根底には練習不足がある。この難関言語をわずか8回しか練習せずに本番を打つ方が間違っているのだ。
他の言語(ロシア語を除く)では5ミス以内に抑えた。これに関しては、TWオリジナルの小文字のみのミス制限練習を地道に継続した成果が現れたと言えるだろう。また、ほぼすべての言語で、本番では練習時とは明らかに違う集中力が発揮された。その結果、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、クロアチア語、ハンガリー語の計5言語で、本番で自己ベストを叩き出した。もっとも、裏を返せばこれらの言語の練習量が不足だったということだ。この辺に、来年に向けて改善の余地がある。
最後に、ノーミスの言語は1つもなかった。練習時にも、ルーマニア語で1回出しただけだ。全160回の10分間練習(本番含む)中、1ミスは12回、2ミスは19回、3ミスは14回、4ミスは27回だった。合格ラインであるミス率0.50%以内(4000文字につき20ミス以内)は少し意識すればほぼ確実に出せる。0.10%以内(4000文字につき4ミス以内)も、頑張れば可能だ。だが、0.05%以内(4000文字につき2ミス以内)となると運も絡む。今回はこのデータが得られただけでも収穫と言えるだろう。
まず、言語ごとに最適な方言と配列を検討する。確かにかり〜配列は短期決戦では最強だったし、クロアチア語など幾つかの言語では各言語の独自配列よりも速いと思う。だが、ハンガリー語、チェコ語、トルコ語を筆頭に速度が極端に低下した言語もあった。これらの言語に関しては、長い目で見ればジュニアさんのように独自配列を習得する方が勝ると思う。筆者にとって最も打ちづらかったハンガリー語も、ハンガリー人のDöbrentey Dániel氏は600文字/分に迫る速度で打っているのだ。なかなか伸ばし甲斐がある。
次に、今年参戦を見送ったロシア語についても参戦を検討する。対策は大きく分けて二つある。キリル文字およびロシア語専用配列を習得する正攻法と、paraphrohnさん提唱のインテルステノロシア語配列を採用しつつ図形認識で頑張る短期決戦だ。Interstenoの意義を考えれば本来は前者を採用すべきだが、時間もしくはモチベーションが限られた場合は後者を採用する可能性もある。
さらに、練習量の確保だ。各言語につき最低1週間の練習期間を確保し、10分間練習を少なくとも20回はこなしてから本番を打ちたい。今回は、本番参加用のID入手が4/29までずれ込んだため、大半の言語の練習期間が限定された。これは、言語間の混同を避けるため、言語を幾つかのグループに分けて、グループ毎に練習期間と本番実施日を設定したためだ。結果的に、5回しか練習せずに本番を打った言語もあった。練習の質はともかく量は明らかに不足だったと思う。そして、量を増やすことで得点はまだまだ伸びるだろう。モチベーションを確保できればの話だが。
ジュニアさん:最難関のロシア語を含む全17言語への参戦を目指し、最も早い段階で練習に着手していました。その過程では、各言語の独自配列を習得し、特殊文字や記号の入力方法を一から調査・導入されるなど、先行者として並々ならぬ苦労があったことと推察します。大会開始後も、世界初の17言語参戦を目指し、常に引っ張って下さいました。筆者も最終段階で目標とさせていただきました。
かり〜さん:ジュニアさんと同様、ロシア語を含む全17言語への参戦を目指し、最も早い段階で練習に着手していました。加えて、多言語タイピングWikiを開設され、多言語参戦への道筋を示して下さいました。「かり〜配列(インテルステノ拡張配列)」を提唱・実装され、USインターナショナル配列だけでは参戦が困難な7言語に関する問題を解決するなど、その貢献度は計り知れません。今回日英以外の言語に参戦した日本人が大会期間終了直前に増加したのは、間違いなくかり〜さんのお陰であると言えるでしょう。
eighさん:「フランス語のカナダマルチリンガル配列でほぼすべての言語に対応可能」という情報を頂きました。USインターナショナル配列では対応が困難な7言語をほぼ諦めていた筆者にとってこの情報は福音にも等しく、その日のうちにルーマニア語、ハンガリー語、トルコ語の練習開始を決断しました。結果的にかり〜配列で対応したとはいえ、参戦決定にはこの情報が大きな助けとなりました。
やださん:Takiソフトウェアで出現した "This page and application is only for use on computers, not available for mobile devices." というエラーに対して、画面サイズを拡大するか文字サイズを小さくすることで解決できるという情報を頂きました。このエラーにより筆者の練習が丸一日停止を強いられており、このままでは16言語参戦が危うくなるところでした。結果的に16言語に参戦できたのは、この助言があったからです。ありがとうございます。
paraphrohnさん:日本人参加者にとって最大の障害となるロシア語に対して、「インテルステノロシア語配列」という短期決戦向けの最適解を提唱していました。さらに、これを改善した「超インテルステノロシア語配列」を用いて、わずか3時間で合格ラインに到達するという離れ業を演じていました。これらの配列により、ロシア語への障壁は非常に低くなったと言えるでしょう。
愛する家族:ゴールデンウィークおよびその直後の土日という、本来は育児・家事・家族サービスに充てるべき貴重な時間の大半をInterstenoの多言語参戦に投入できたのは、間違いなく家族のおかげです。我が子との散歩の時間も、リフレッシュの機会として活用させていただきました。ありがとう! ……というよりも、我ながらろくでもない夫・父親だと思う。来年以降もオンライン大会に参加するなら、ゴールデンウィークを毎年潰すことになるというジレンマがある。
●感想(というよりも反省)
限られた練習期間(というよりも限られた本番実施期間)で、多数の未知の言語を含む16言語に参戦し、合計で6万点を超えた。この事実は、初参戦という条件を鑑みれば評価して良いだろう。だが、この得点で日本人1位というのでは、日本人全体が低く見られる。ランキング1位のCelal Aşkın氏を筆頭に、世界の強豪たちからは大きく引き離されている。まして今回は、欧米人の大半が参戦を見送った日本語を含むというアドバンテージがあったのだ。代わりに筆者はロシア語に参戦せず、欧米上位陣と並ぶ16言語だったのだが。
●来年に向けて
幸いなことに、戦略と戦術の見直しにより、総得点を伸ばす余地は多い。
●参考文献・謝辞
Pocariさん:Interstenoオンライン大会への日本語部門追加を先頭に立って推進し、実現にこぎつけたのみならず、2015年の日本人参加者120名もの参加費までご負担頂きました。この方の尽力なくしては、筆者はInterstenoの存在すら知らず、まして参戦など考えもしなかったことでしょう。ありがとうございました。
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