多言語dq配列(Intersteno拡張dq配列)



配列の考え方
英語
オランダ語・アルバニア語・アフリカーンス語
フィンランド語・ドイツ語・エストニア語
イタリア語・フランス語
スペイン語・アイスランド語
ポルトガル語
クロアチア語
ルーマニア語
ハンガリー語
トルコ語
ポーランド語
チェコ語
スロバキア語
ルクセンブルク語
ロシア語
セルビア語・マケドニア語
各種資料


●配列の考え方

当初は、Intersteno攻略用に配列を作成した。そのうち、Interstenoに出てこない多言語も打ちたくなった。そこで、
TypeRacermonkeytypeの多言語を攻略する過程で、配列を拡張したり新規作成したりした。配列作成・拡張時の基本的な考え方は以下の通り。

・短期間で成果を出す(当初は)
・他の言語との混同を可能な限り抑制する(当初は)
・必要に応じて、各言語に特化したカスタマイズを実施する
・カスタマイズの手段として、Microsoft Keyboard Layout Creatorを使用する
・右Altを押しながら打つのではなく、デッドキーを押してから打つ
・日本語、ロシア語、セルビア語以外は、USインターナショナル配列をベースとする
・ロシア語は、図形認識をベースとする。セルビア語は、そのロシア語をベースとする
・大文字はデッドキー[;]に仕込む

※他に何かあれば追記予定

特殊文字の配置の一覧、Takiソフトウェアのバグ文字の配置の一覧を最新化して掲載↓

(1) 頻出特殊文字の1打鍵化

配列変更ソフトであるMicrosoft Keyboard Layout Creator(以降、MSKLC)を活用し、独自の配列を検討した。各言語の一般的な配列(QWERTZやAZERTYを含む)と自ら作成した配列を比較し、長所・短所を把握した上で改めて最適な配列を検討した。仮に一つの言語に絞るなら、その言語の一般的な配列を採用した方が速度・正確性の向上を見込めるかもしれない。だが、多言語部門に挑むにあたり、やはり言語間の混同によるミス増加が怖い。

最終的に、日本語配列で言う@[]^qvwxyzのキーに表3の通りに特殊文字を割り当てた。英語配列以降は、習得済みのUSインターナショナル配列をベースに作成した。習得コストを減らすため、同じキーには可能な限り似たような文字を割り当てた。但し他に出現頻度の高い特殊文字がある場合は、そちらを優先した。

なお、この割り当ては完成形ではない。今後も試行錯誤を経て進化していく。

【表3:各言語の特殊文字の割り当て】

配列@[]^qvwxyz
日本語配列日本語QWERTY配列。カスタマイズせず。
USインターナショナル配列[]\=qvwxyz
ロシア語配列пчьщфжшхуй
セルビア語・マケドニア語配列пчљњфжшхуђ
英語配列éç       
オランダ語配列ëè*       
イタリア語・フランス語配列é*'*  à   
フィンランド語・ドイツ語配列äöüß      
ポルトガル語配列ãõç*  ó í 
スペイン語配列áéíü  ó   
ポーランド語配列ąęłóść ż  
チェコ語配列áéížů ěč  
スロバキア語配列áéížú ľč  
ハンガリー語配列áéíóü öő  
トルコ語配列ışçİü öğ  
クロアチア語配列ćščw  đž  
ルーマニア語配列ăşţwâ î   

※*はデッドキー。
※チェコ語ではšňřťýを、スロバキア語ではšňŕťýを、34567に割り当てた。
※英語配列以降の空欄は、USインターナショナル配列から変更していないことを示す。例えば英語配列のqにはqを割り当てたままである。

(2) デッドキーの活用

今回用いたデッドキーは表4の通りである。

【表4:各言語の特殊文字の割り当て(デッドキー)】

配列デッドキー
:半角/全角その他
共通 àèìòù 
ロシア語配列IVXёэъ“”«»—–= 
英語配列 “”£€‘…–¬ 
オランダ語配列áéíóú äïöü(])
イタリア語・フランス語配列èìòùçæœw“”€’«»ºª–…=âêîôû([)ëïöÿ(^)
フィンランド語・ドイツ語配列å픀= 
ポルトガル語配列áéóúwy“”ºª°=âêôïöü(^)
スペイン語配列úñwºª= 
ポーランド語配列éńźqvx= 
チェコ語配列óúďqwx34567#$%^&= 
スロバキア語配列óďäôqwx“”‘’–ĺ34567#$%^&= 
ハンガリー語配列äúűqwx“”„–àõû[]= 
トルコ語配列âîþqwx“”’= 
クロアチア語配列ðæx«»–è= 
ルーマニア語配列qǎ“”„’ºª–ã…= 

※各言語で本来使用されない文字であっても、InterstenoのTakiソフトウェアで出現した文字は割り当ての対象とした。例えばハンガリー語のäやクロアチア語のð等。
※USインターナショナル配列に存在するデッドキーのうち、「Shift+半角/全角」(ãñõũ)と「Shift+6」(âêîôû)は念のため削除せず残した。実際には使用しなかったが。


●英語

USインターナショナル配列をベースとする。理由は、頻出する[']を1打鍵化するためだ。日本語配列の[Shift+7]では速度・正確性ともに低下するし、消耗するし、良いことは一つもない。

空いているキーには、Takiに出現するイレギュラーな文字のうち[’][é][ç]を割り振る。他の特殊文字は、デッドキー[`](日本語配列で言う[半角/全角])に割り振る。書いていて気付いたのだが、出現頻度の低い[é][ç]に1キーずつ使うのはいかにももったいない。どちらかをデッドキーにして、デッドキー[`]に割り当てている特殊文字を移動させた方がマシなのではないか。理由は、[`]が打ち辛いためだ。とはいえ、本番に出ない文字なので、大勢に影響は無い。

また、デッドキー[;]には大文字を割り振る。誤ってデッドキー[;]を打った後に大文字を打った場合にも大文字が入力されるように設定する。この設定は全言語に共通であるので、他の言語では画像を割愛する。


●オランダ語・アルバニア語・アフリカーンス語

オランダ語は、多言語の中でも特殊文字が少ない。初心者にとって取り組みやすい言語の一つである。

頻出する[ë][è]を、日本語配列で言う[@][[]に仕込む。他の特殊文字はデッドキーに仕込む。なお、[:→c]に[ç]を仕込むのはアルバニア語への対策である。

オランダ語に出現しない[â][ê][î][ô][û]をデッドキー[=]に仕込むのは、アフリカーンス語への対策である。同時に西フリジア語にも対応できる。[ŵ][ŷ]は、ウェールズ語への対策として仕込んだ。しかし、ウェールズ語には専用配列を用意したため、結局この対策は不要となった。

デッドキー特殊文字
'(日本語配列の;)áéíóú, ç
`(日本語配列の半角/全角)àèìòù, =
\(日本語配列の])äëïöü
=(日本語配列の^)âêîôûŵŷ


●フィンランド語・ドイツ語・エストニア語

空いているキーに[ä][ö][ü][ß]を割り振る。

なお、フィンランド語に[å]はほとんど出現しない。しかし念のためデッドキー[']に仕込んでおく。このため、この配列でスウェーデン語もある程度打てる。但し、[å]が頻出するとデッドキーでは辛くなってくるため、結局スウェーデン語配列を別途用意して1打鍵化した。

デッドキー[']が空くので、エストニア語の特殊文字である[õ][š][ž]を仕込んでおく。


●イタリア語・フランス語

[é][']が頻出するため、[@][]]に割り当てる。英語配列と違って、デッドキー[']も使用するため、別のキーに割り当てている。これでは統一性を欠くのだが、英語では[']をより高速に打つ必要があり、かつデッドキーを使用してまで打つ特殊文字がほぼ出現しないため、[']をデッドキーにせず1打鍵化している。

[w]はほとんど出現しないため、[w]のキーに[à]を割り当てる。[w]は、デッドキー[:]に割り当てる。この考え方は、他の配列にもしばしば登場する。注意点として、デッドキー[:]に[w]を割り当てる際、Baseに[w]を設定すると失敗する。[w]には[à]を割り当てているのだから、Baseにも[à]を設定する。

他の特殊文字は、以下のように割り当てる。なお、デッドキー[']に[æ]を割り当てたのは、かつての試行錯誤の名残である([æ]はイタリア語・フランス語には出現しない)。デッドキー[]]に[ŵ][ŷ]を仕込んだのは、ウェールズ語に対応しようとした名残である(しかし結局専用配列を作成した)。いずれも無害なので残してあるが、いずれ整理するかもしれない。

なお、2025年になって、[è]を[3]に割り当てた。もともと[`→e]に配置していたが、この文字の出現率が意外と高く、1打鍵化した方が良いと気付いた。

デッドキー特殊文字
'àèìòù, ç, œ, w
]âêîôû
=äëïöüÿ


●スペイン語・アイスランド語

頻出する[á][é][í]を右手小指範囲の空いているキーに配置する。この考え方はチェコ語、スロバキア語、ハンガリー語の各配列と同様である。また、ポーランド語配列とも類似性を持たせている。

[ó]もそこそこ出現する一方、[w]の出現率は低いため、[w]のキーに[ó]を割り当てる。[w]はデッドキー[:]に配置する。

他の特殊文字はデッドキー[:]に配置する。同じ考え方で、アイスランド語の特殊文字もデッドキー[:]に配置すれば、両言語を同じ配列で打てる。

[=]には[ü]を配置している。代わりに[ú]か[ñ]を配置するかどうかは、微妙なところである。この二種類の特殊文字の出現頻度はそこまで高くない。一方、[=]は他のキーと違って右手小指を伸ばすのに時間がかかる。


●ポルトガル語

頻出する[ã][õ][ç]を右手小指範囲の空いているキーに配置する。[í][ó]もそこそこ出現する一方、[y][w]の出現率は低いため、[y][w]のキーに[í][ó]を割り当てる。[y][w]はデッドキー[:]に配置する。なお、[á][é]を[:→w]に配置する案も試した。しかし、左殺しが凶悪化してかえって打ち辛くなる例が多発したため、結局[:→w]には[ó]に配置する方針に決定した。スペイン語配列との共通性もあるので、今のところこれがベストの配置と考えている。

[w][y]は固有名詞や外来語に稀に出現する。[w]を[:→w]と打つのは他の言語も含めて慣れているので問題ない。しかし[y]を[:→y]と打つのはポルトガル語配列だけであるため、事前に練習して慣れておかないとミスが出る。

他の特殊文字のうちアキュートアクセントは、デッドキー[:]に配置する。トレマは、デッドキー[=]に配置する。Takiに出現する特殊文字のうち、[°](度)はデッドキー[`]に配置する。これは、デッドキー[']に配置した[º](序数標識)と区別するためだ。


●クロアチア語

[đ]という、USインターナショナル配列では打てない文字が登場する。従って、現地の配列(QWERTZ配列)を使用しない場合、ここからはMSKLC等による配列カスタマイズが必須となる。筆者は他言語との混同を避けるため、QWERTZ配列は使用せず、MSKLCで配列をカスタマイズしている。

[ć][š][č]の出現率が比較的高いため、右手範囲の空いているキーに配置する。一方、[đ][ž]の出現率は比較的低いため、[w][x]のキーに配置する。なお、[w][x]は外来語や固有名詞を除いてほぼ出現しない。このため、デッドキー[:]に仕込む。

デッドキー[:][`]には、Takiに出現するその他の特殊文字を一通り仕込んでおく。例えば、一部の文章では[đ][ć][č]の代わりに[ð][æ][è]が用いられている。


●ルーマニア語

[ă][ș][ț]の出現率が比較的高いため、右手範囲の空いているキーに配置する。一方、[â][î]の出現率は比較的低いため、[q][w]のキーに配置する。なお、[q]は外来語や固有名詞を除いてほぼ出現しない。[w]の出現率も低い。このため、デッドキー[:]に仕込む。念のため[w]を[^]に仕込んであるものの、他の言語との共通性を保つため敢えて[:→w]と打つことが多い。但し、クロアチア語と違って[x]はそこそこ出現する。クロアチア語とルーマニア語を並行して練習する場合は要注意だ。

なお、Takiやmonkeytypeには[ș][ț](コンマビロー)が出現する一方、TypeRacerでは[ş][ţ](セディーユ)が用いられる。筆者はコンマビロー用配列(地域設定:モルドバ)とセディーユ用配列(地域設定:ルーマニア)を用意し、使い分けている。Takiの課題文章にはコンマビローとセディーユの両方が用いられている。小文字はどちらで打っても正解となる一方、大文字は誤った文字を打つとミス判定となる。

デッドキー[:][`]には、Takiに出現するその他の特殊文字を一通り仕込んでおく。例えば、一部の文章では[ă]の代わりに[ã]や[ǎ]が用いられている。


●ハンガリー語

[á][é][í][ó]の出現率が比較的高いため、右手範囲の空いているキーに配置する。[ü][ö][ő]の出現率が次に高いため、[q][w][x]のキーに配置する。なお、[q][w][x]は外来語や固有名詞を除いてほぼ出現しない。このため、デッドキー[:]に仕込む。

デッドキー[:][`]には、出現率の低い[ú][ű]に加えて、Takiに出現するその他の特殊文字を一通り仕込んでおく。例えば、一部の文章では[ő][ű]の代わりに[õ][û]が用いられている。


●トルコ語

[ı][İ][ç][ş]の出現率が比較的高いため、右手範囲の空いているキーに配置する。大文字である[İ]も敢えて1打鍵化する。[ü][ö][ğ]の出現率が次に高いため、[q][w][x]のキーに配置する。なお、[q][w][x]は外来語や固有名詞を除いてほぼ出現しない。このため、デッドキー[:]に仕込む。

[ç][ş]の配置は、クロアチア語の[č][š]、ルーマニア語の[ț][ș]の配置と同じである。[ü][ö]の配置は、ハンガリー語と同じである。このように、他の言語との混同を回避できるよう、似たような文字はなるべく似た位置に配置する。一方、[ü][ö]の配置は、ドイツ語とは違う。従って、トルコ語とドイツ語を同時に練習しないようにする。

デッドキー[:][`]には、Takiに出現するその他の特殊文字を一通り仕込んでおく。例えば、一部の文章では[â][î]が出現する。


●ポーランド語

[ą][ę][ł][ó]の出現率が比較的高いため、右手範囲の空いているキーに配置する。[ś][ć][ż]の出現率が次に高いため、[q][v][x]のキーに配置する。なお、[q][v][x]は外来語や固有名詞を除いてほぼ出現しない。このため、デッドキー[:]に仕込む。[w]の出現率が非常に高いため、ハンガリー語やトルコ語と違って潰せないことに注意する。

[ą][ę][ł]の配置は、スペイン語やハンガリー語の[á][é][í]の配置と同じである。このように、他の言語との混同を回避できるよう、似たような文字はなるべく似た位置に配置する。一方、[ż][ź]の配置は、チェコ語やスロバキア語の[ž]とは違う。従って、ポーランド語を練習する時期はチェコ語やスロバキア語を練習する時期とずらす。

デッドキー[:][`]には、Takiに出現するその他の特殊文字を一通り仕込んでおく。なお、デッドキー[:]に大文字を仕込んでいるのは、かつてデッドキー[;]と比較した際の名残である。現在は大文字をデッドキー[;]で打っているため、デッドキー[:]からはいずれ削除する予定。


●チェコ語

[á][é][í][ž]の出現率が比較的高いため、右手範囲の空いているキーに配置する。[ů][ě][č]の出現率が次に高いため、[q][w][x]のキーに配置する。なお、[q][w][x]は外来語や固有名詞を除いてほぼ出現しない。このため、デッドキー[:]に仕込む。

さらに、[š][ň][ř][ť][ý]の出現率も高い。そこで、最上段の[3][4][5][6][7]に配置する。[3][4][5][6][7]の出現率は低いため、デッドキー[']に仕込む。しかし、数字が出現した際、[1][2][8][9][0]は1打鍵なのに[3][4][5][6][7]は2打鍵なので混同が発生する。この混同を軽減すべく、練習が必要だ。なお、デッドキー[:]に配置しないのは、既に別の特殊文字を割り当てているためである。

デッドキー[:][`]には、Takiに出現するその他の特殊文字を一通り仕込んでおく。


●スロバキア語

[á][é][í][ž]の出現率が比較的高いため、右手範囲の空いているキーに配置する。[ú][ľ][č]の出現率が次に高いため、[q][w][x]のキーに配置する。なお、[q][w][x]は外来語や固有名詞を除いてほぼ出現しない。このため、デッドキー[:]に仕込む。

さらに、[š][ň][ŕ][ť][ý]の出現率も高い。そこで、最上段の[3][4][5][6][7]に配置する。この考え方はチェコ語と同様である。

チェコ語とスロバキア語の配列は似ているため、同時に練習することで相乗効果が期待できる。しかし相違点もあるため、把握しておく必要がある。特に両者に出現して打鍵方法の異なる[ú]には注意が必要だ。

【表: チェコ語とスロバキア語の配列の相違点】

特殊文字チェコ語スロバキア語
ůq-
ú:→uq
ěw-
ľ-w
ř5-
ŕ-5
ä-:→a
ó-:→p

デッドキー[:][`]には、Takiに出現するその他の特殊文字を一通り仕込んでおく。


●ルクセンブルク語

[ä][ë][é][']の出現率が比較的高いため、右手範囲の空いているキーに配置する。

デッドキー[^]には、サーカムフレックスと[ç]を仕込む。[`]には、グレイブ、[ä][ë]以外のウムラウト、[ß]、およびTakiに出現するその他の特殊文字を仕込んでおく。[:]には[é]を配置したため、デッドキーとして使えないことに注意する。

ルクセンブルク語はドイツ語と違って[ö][ü]の出現率が低く、代わりに[ë][é][']の出現率が高いため、このような配置にする。その結果、他のどの言語の配列にも似ていない。このため、他の配列との混同を回避するため、他言語との並行練習が事実上できないのが難点である。


●ロシア語

【図形認識を重視】

paraphrohnさんが作成した
インテルステノ用paraph配列集のロシア語配列を参考にしている。即ち、ラテン文字と似たキリル文字をUSインターナショナル配列に強引に割り当てた。ラテン文字に、そしてUSインターナショナル配列に慣れきった筆者にとって、例えば[н]は[h]、[р]は[p]としか認識できないためだ(実際には[н]は[n]、[р]は[r]に対応する)。従って、ロシア語で一般的に用いられるЙЦУКЕН配列やニーモニック配列とは一線を画す。

キーボード配列の変更に使用しているソフトウェア、Microsoft Keyboard Layout Creatorの設定は図1の通り。デッドキー['](日本語配列で言う[:])には[ё][ъ]を、デッドキー[;]には大文字すべてを仕込んでいる。paraph配列との大きな違いは、一部の特殊文字を打つ時に「右Altを押しながら打つ」のではなく、「デッドキーを押してから打つ」ことだ。どちらが合うかは人により違うので、試行錯誤して決めると良いと思う。

なお、2025年になって、[э]を[3]に割り当てた。もともと[:→s]に配置していたが、この文字の出現率が意外と高く、1打鍵化した方が良いと気付いた。

【図1: Intersteno用dq配列(ロシア語)】

ロシア語のみに特化して強化を図るなら、一般的な配列を習得するのが有効と考える。その時には、各文字の発音、単語、文法も含めてロシア語を体系的に習得することになるだろう。しかし、Intersteno多言語部門への参戦を継続するなら、他の言語との混同を可能な限り抑制する必要がある。この意味で、現時点では上記の図形認識配列が最も効果的と判断している。


●セルビア語・マケドニア語

ロシア語の配列をベースとする。但し[ј]という特殊文字(ラテン文字の[j]とは異なる)が出現する。筆者のロシア語配列では、日本語配列で言う[j]に[л]を割り当て済みなので、混同が発生する。そこで、ロシア語と違って[ы]が出現しないことを利用して、日本語配列で言う[i]にこの特殊文字を割り振る。慣れないうちは[ј]と[л]の混同が発生する。しかしある程度練習を積めばこの混同は克服できる。

さらに、[я][й][щ][ь]は出現しないため、代わりに[r][z][^][]]に[ћ][ђ][њ][љ]を割り振る。他の特殊文字は、デッドキー[']に割り振る。

デッドキー[']に割り振った特殊文字。[щ][у][ь][э][ъ][љ][њ][ђ][ы]が残っているのは、ロシア語の名残、もしくはセルビア語・マケドニア語配列の試行錯誤の名残である。無害なので残してあるが、いずれ整理するかもしれない。また、ラテン文字の[o][p]を仕込んでいるのは、これらの文字を含むTakiの一部の課題に対応するためだ。


●各種資料

Intersteno拡張dq配列(基本18言語)
Intersteno拡張dq配列(拡張44言語)
→Intersteno, TypeRacer, monkeytypeで使用した配列。インストーラとともにMSKLC用のファイルもあります。基本18言語はIntersteno攻略用(日本語除く/セルビア語含む18言語)、拡張44言語はそれに加えてTypeRacer, monkeytype攻略用です。

注:言語によっては慣れるまでに相応の時間が必要であり、短期決戦には不向きです。

Intersteno拡張dq配列:仕様書
→上記配列の仕様書。


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