「美佳のタイプトレーナー」:筆者の美佳タイプ遍歴その2(2000.4.12)


●前回からの変動

2000.1.24美佳タイプ遍歴その1を執筆してから約3ヶ月が経過した。このわずかな期間に、タイピング界にも筆者にも驚くべき変化があった。

まずタイピング界の変化について述べると、日本全国で間違いなくタイピング熱が高まっている。そして新たなる強者たちが続々と出現し、インターネットランキング上での競争がかつてないほど激化している。背景には、THE TYPING OF THE DEAD(以下TOD)およびe特打の影響があると思う。

美佳タイプのランキングサイトの1つ、Typing Attackを例に取ってみよう。2000年1月には、トータルポイント(全段+英単語練習+ローマ字ランダム練習+ローマ字単語練習)で1000を超えていればトップ10に入ることができた。それが4月現在、1000を超える強者が25名。また、「ローマ字単語練習」に限れば300以上が19名、390以上が4名にまで増加した。背景には、他のタイピングソフトを極めた猛者が続々と参入していること、それに刺激を受けたためか「Typing Attack」メンバーのタイプ速度向上が著しいこと、などが挙げられる。筆者は2000.4.12現在辛うじて総合トップの座を守っているが、各練習では苦戦を強いられている。いくつかの種目ではトップから陥落したし、総合トップにもいつまでいられるか分かったものではない。

次に筆者自身の変化について。この3ヶ月の間、強者たちに追い抜かれるのを指をくわえて見つめていたわけでは決してない。TODを極めつつ、暇を見てはOzawa-Ken、Typing98、タイプウェルといったソフトを練習してきたし、美佳タイプのスコアもかなり更新してきた。前回の「今後の展望」に書いたことのうち、次は達成済みである。

・「数字(最上段入力)」を克服し、その結果全段324達成
・ランダム練習、「数字(テンキー入力)」以外は約1割アップ
・ローマ字ランダム練習285達成
・C言語、BASIC、8086アセンブラ、英単語は約1割アップ

特筆すべきなのは何と言っても「数字(最上段入力)」である。3ヶ月弱で100も伸び、苦手意識はほぼ完全に払拭された。同時にテンキー入力との差が一気に縮まり、そろそろ追いつきそうな勢いである。そしてその効果は「全段」の伸びとなって現れた。「8I9O0」や「1Q2W」はまだ打ちづらいが、この辺を克服すればもう少し伸びるだろう。

他のランダム練習も、順調に伸びている。前回「全段以外は400も可能」と書いた通り、「ホームポジション」は387まで伸び、400が本格的に視界に入ってきた。しかし「ホームポジション+下一段」がまだまだである。

ランダム練習が伸びたのは、Typing Attackでもまれたからに他ならない。「ホームポジション+下一段」「全段」は2位との差がほとんどない状況で推移してきたため、トップの座を死守するために集中的に練習した。他の練習では2位との差が比較的大きかったが、「タイプウェル」の王者であるたけひささんの登場により、一気に記録を塗り替えられてしまった。また、ASARIMAさんや明大前さんといったテンキー入力の猛者の登場により、全種目中最も安泰と思われた「数字」についてもいつ順位が変動するか予断を許さない。

一方、英単語系練習では予想通り、英単語・C言語・BASIC・8086アセンブラという比較的記録が低かった種目が軒並み1割程度上昇した。その結果新たにC言語でトップを奪い、英単語では2位との差を70以上にまで広げた。8086アセンブラでは「XCHG」「MOVSW」への苦手意識がかなり払拭された。一方、他の3種目については、打ちづらい単語(「sscanf」「DEFDBL」等)をやや速度を落として打ち、その分を他の打ちやすい単語でカバーするという方法でスコアを伸ばした。

英文練習は、実は最も練習量が少ない。1つ1つの文章を打ち終えるのに4〜6分かかるため、基本的に誰かに抜かれないと練習しないというスタイルが定着している。そのため、かつてはCXさん、ここ1ヶ月ほどはCCS-ありすさんにトップを譲ることがたびたびあった。

ローマ字単語練習は、400を突破できたがそこで2ヶ月ほど止まっている。すべてがうまくかみ合えば420くらいの記録を出すのも夢ではないと思っており、練習もほぼ毎日行っている。だが、ミスをしたり体勢を崩されたりしてどうしてもかみ合わない。MS-DOS版での自己ベスト406.8、そして学生時代のとある後輩が別のソフトでマークした409という2つの記録は何としても破りたい。


●Windows版美佳タイプ:ここ3ヶ月の記録の伸び

【ランダム練習】

種目名2000.1.242000.4.12増加率(%)
ホームポジション351.0387.010.3
上一段341.0369.08.2
ホームポジション+上一段336.0373.011.0
下一段306.0349.014.1
ホームポジション+下一段284.0317.011.6
ホームポジション+上一段+下一段317.0354.011.7
数字(テンキー)400.0413.83.5
数字(最上段)282.0382.035.5
全段274.0324.018.2

【単語練習】

種目名2000.1.242000.4.12増加率(%)
基本英単語練習530.7570.07.4
MSDOSコマンド練習628.4661.75.3
C言語練習558.1600.07.5
パスカル練習597.0626.85.0
フォートラン練習597.0628.45.3
BASIC練習529.3582.410.0
8086アセンブラ練習483.7529.39.4
ローマ字ランダム練習264.0285.08.0
ローマ字ランダム練習:打鍵数478.0508.06.3
ローマ字単語練習393.0403.72.7
ローマ字単語練習:打鍵数634.0659.03.9

【英文練習】

種目名2000.1.242000.4.12増加率(%)
オズの魔法使い  421.0436.23.6
不思議な国のアリス421.5433.22.8
鏡の国のアリス  410.7435.26.0
若草物語     380.0407.47.2
足長おじさん   398.4419.85.2
幸福な王子    389.3433.411.3


●今後の展望

今後最も更新が期待されるのは、これまでと同様にランダム練習である。理由は、現在の記録がタイプ速度の限界値(筆者の場合、60秒換算では少なくとも660程度←ローマ字単語打鍵数やMSDOSコマンドで記録)に程遠いこと、たけひささんという新たな競争相手を得てやる気が出てきたこと、400文字/分という目標が手の届く範囲に迫ってきたことなどである。

前回も書いた「何が出てこようとも瞬時に打てる状態」へ到達するには、もう少し練習が必要と思われる。例えば「ホームポジション」で、「LJKHJ」を見た瞬間に右手の人差し指が抵抗なくキーをとらえるようでなければ、400達成は難しい。とはいえ「ホームポジション」「数字(最上段)」「上一段」「ホームポジション+上一段」は近いうちに400に到達するだろう。問題は「ホームポジション+下一段」「ホームポジション+上一段+下一段」「全段」である。いずれもまだまだ伸びる余地があるから、特に左手の動きを重点的に練習したい。

一方、単語練習はそう簡単には更新できない。何らかの抜本的な改善策を見出す必要がある。目標としては、基本英単語やBASIC、8086アセンブラで600に到達するとともに、MSDOSコマンドではかつて記録した704.1を上回りたい。また、ローマ字単語・ローマ字ランダムもすべてがうまくかみ合えば更新も可能と考えている。

最後に、英文練習はまだまだ伸ばす余地がある。特に、比較的打ちやすい「オズの魔法使い」「不思議な国のアリス」「鏡の国のアリス」では90Words/min(450文字/分)を目標としたい。そして将来は100Words/minに乗せたいと考えている。英文タイプについては、プロの方々の競技会で戦うには100Words/minが実質的なスタートラインで、しかもミスタイプによる減点がかなりシビアという話を聞いたことがある。将来Typing Attackにもそういう方々が参戦してくる可能性は十分にある。ところで、世界記録は200Words/minを上回るらしい。こういう高い目標があると伸ばしがいがあるが……果たして筆者に可能なのだろうか。


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