前回展望以来、いくつかの大きな転機があった。実は単語入力200文字/分を達成以来、しばらく記録が伸び悩んでいた。そしてTyping Attackかなにも少しずつ強者が参戦してきたため、一時は総合8位にまで下がった。
第一の転機は、2000.5.22に当時Typing Attackかなの総合トップの座に就いていたinputerさんから頂いた叱咤激励のメールである。当時はAC版TODをローマ字で打ちまくっていたため、かな入力に割く時間がローマ字入力よりも少なくなっていた。一応何らかの形で1日1時間くらいはかな入力をしていた。だが、タイピング日記上ではローマ字入力の成果の華やかさに比べてかな入力が地味になっていたのは否めない。それに、かな入力200そこそこの実力では反論しようにも説得力がない。
そこで、このメールに対してはこちらの状況(3ヶ月前まではかな入力初心者だったこと、美佳かなの全種目をほぼ毎日練習していること)を説明する一方、地道に練習を重ねて次第に記録を伸ばすことで理解を求めることにした。ちなみに、2000.5.22を境にタイピング日記上でも美佳かなの優先順位が上がっていることが分かる。
とはいえ、美佳かな250は一つの大きな壁であった。仕事でかな入力を使い、毎日の美佳かなで鍛えるというやり方で徐々にスコアを伸ばしたものの、この250という数字はなかなか超えられなかった。さらに、一度超えてからもしばらくの間は230台、240台しか出せない日々が続いた。当時のTyping Attackかなでは270〜290程度の記録を持つ方々がトップグループを形成していた。筆者の実力ではその域に達することはできないのではないか、とまで考えた。
そんな中で第二の転機となったのがドリームキャスト購入(2000.7.22)である。DC版TOD発売・購入から4ヶ月近く過ぎてようやくハードを購入する強力なきっかけになったのは、ローマ字入力でのさらなる極限追求、そしてかな入力の強化であった。
筆者は2000.7.19に単語練習270を達成していた。だが、久しぶりのTODでは1クレジットで2章途中まで進むのがやっとであった。これにはかなりショックを受けた。スピードでは辛うじてついていけるが、初速の遅さやホームポジション外の文字が決定的な弱点となった。その結果、ローマ字入力では絶対に食らうことのない雑魚にいとも簡単に殺され続けた。デフォルト設定にしていたため3回コンティニューしていたが、今度は2章ハイエロファントが立ちはだかった。このボスには平均して3〜4発は食らい、初速の遅さやタイプミス、躊躇が命取りであることを改めて思い知らされた。こんな調子だから3章以降の雑魚敵には全く歯が立たず、MISSIONもろくにクリアできなかった。最終評価でもセガワープロ検定3級にとどまった。TODはかな入力者にとって不利という話を聞いたことがあるが、その通りかもしれないと感じた。
しかし、筆者のかな入力はまだ成長途中であり、弱点は克服すれば良い。その日からドリルモードを使った猛特訓が始まった。なお、チュートリアルモードは卒業試験を一発でクリアしたので以後プレイしていない。また、猛特訓と言っても結構楽しいので、夢中で打っているうちに1時間、2時間と経過することがたびたびであった。
ドリルモードのうち、初期段階で特に力を入れたのが「全力疾走」「ミスミス・ショット」「コインキーパー」「オノ・オノ・オノ」「百人斬り」であった。その意図は、スピード・正確さ・反射神経・特殊キーをバランス良く鍛えることだった。但し実際には、「RANK-B縛り」「ザ・パーフェクト」「背水の陣」など上級のドリルに歯が立たないという事情もあった。特に「ザ・パーフェクト」では最初の数ワードであっさり死亡してばかりだった。それに比べ、上記5種目のうち「百人斬り」以外は初期段階でもかなり楽に打てた。また、練習を続けるうちに目に見えてスコアが改善されていったので張り合いが出てきた。「オノ・オノ・オノ」では記録が234個に達し、ローマ字入力での記録(262個)に迫る勢いを見せた。
なお、この時期の「百人斬り」はクリアできないことの方が圧倒的に多かった。ネックとなったのがラストの長文や、1文字の内臓である。また、最初の建物を出た直後にゾンビ×2+斧×1にやられることも多かった。記録は6分前後だった。
ある程度慣れてきたところで、他のドリルにも少しずつ手を出し始めた。スピード・正確さ・反射神経がバランス良く改善され、「RANK-B縛り」「フルチャージ」「背水の陣」のスコアが飛躍的に伸びた。また、「全力疾走」「ミスミス・ショット」「コインキーパー」のスコアはセガワープロ検定2級のボーダーラインを軽く上回り、1級に近づいていった。同時に、特殊キー入力に関してはすべてのドリルで1級評価を獲得した。ちなみに、特殊キー入力の練習では筆者がもっとも苦手としている「ホームポジション外の文字」はあまり特訓してくれない。今後は「ほへけむろ」、濁音・半濁音、「ー」あたりを集中的に鍛えたいのだが……。
この過程で百人斬りの成功率及び記録が、そして美佳かなの記録が、ぐんぐん伸びていった。そして8月中旬以降、トレーニングモード・アーケードモードでのセガワープロ検定2級、百人斬り5分10秒台突入、美佳かな300突破という成果となって現れた。
そして2000.8.24時点ではTyping Attackかなの総合第3位、ランダム練習総合トップである。
種目名 | 2000.4.20 | 2000.8.24 | 増加率(%) |
---|---|---|---|
ホームポジション | 220.0 | 286.0 | 30.0 |
上一段 | 241.0 | 333.0 | 38.2 |
ホームポジション+上一段 | 194.0 | 268.0 | 38.1 |
下一段 | 213.0 | 279.0 | 31.0 |
ホームポジション+下一段 | 188.0 | 225.0 | 19.7 |
ホームポジション+上一段+下一段 | 183.0 | 248.0 | 35.5 |
最上段 | 190.0 | 234.0 | 23.2 |
全段 | 166.0 | 230.0 | 38.6 |
単語練習 | 202.0 | 313.0 | 50.5 |
……ご覧の通り、単語練習の伸びが目覚ましい。これは、他の練習は基本的に1日1回ずつしかしていない一方で単語練習は2〜3回は打っていたのと、DC版TODかなの効果であると思われる。ランダム練習も、軒並み3割以上の伸びとなっている。だが、英文字で最も苦手な「ホームポジション+下一段」はかな入力でも弱点になりつつあり、今後の対策が必要だ。また、「最上段」については「ほ」「へ」という苦手文字の修得が課題である。
単語練習については、今までにも増して数多くの文章を打ち、かな入力特有のパターンを指に染み込ませるとともに、DC版TODのドリルモードやアーケードモードで鍛えることで、まず350到達を狙いたい。その後はいよいよ400を狙う。その際には、さらに壁を乗り越えなくてはならないと思う。どんな単語に対しても抵抗なく指が動き、正確にキー中央をとらえることができてようやく400が見えてくると考えられる。だが、現在の筆者のかな入力は、特に苦手な文字(ほへけむろ)に関しては、こういう領域には程遠い。
ランダム練習については、まだまだレベルアップの余地がある。例えば「上一段」は330程度まで伸びた。だが、英字ランダムの「上一段」が390に達している(2000.8.24現在)ことを考えれば、理論上は同じレベルまで到達するはずだ。なかなか伸ばしがいがある。
他にも、これまでの練習で弱点がいろいろと見えているので、それぞれ対策を講じたい。ホームポジション外の文字(ほへけむろ)、濁音・半濁音(TODではこれがきつい)、10文字以上の単語など。DC版TODを効果的に使って鍛えていきたい。