実を言うと、筆者のかな入力挑戦は何度も初期段階で跳ね返されている。学生の頃、かな入力オンリーの友人宅でPCを使った時にはあまりの打ちづらさに発狂しそうになった。生協学生委員会で数字を除いて美佳タイプのトップスコアラーとなった時にとある友人から美佳かなを薦められた時も、あっさり断念してしまった。最初の2〜3回は結構やる気だったのだが、結局その友人の記録には到底及ばないと悟ったためだ。
久しぶりの美佳かなの結果は単語練習35だった。何しろ、指がキー配列を覚えるという以前の段階であり、頭が配列を覚えていなかったのだから無理もない。しかしランダム練習を一通りやるうちに少しずつキー配列を覚えてきたらしい。単語練習2回目は59だった。それからほぼ毎日、美佳かなの9種目の練習を1回ずつ実行することにした。果たしてどこまで伸びるのか、自分でも分からなかった。
練習を始めてから約1週間で頭がキー配列を覚え、それからさらに1週間で指が覚えてきた。記録は順調に伸び続け、2000.2.17には100を突破した。そして2000.2.25には126まで伸び、ついにTyping Attackかなの総合トップに立った。この記録でいつまでもトップにいられるとは思わなかったが(実際1日天下だった)、Typing Attackで総合トップを獲得した時と同じくらい嬉しかった。
あまりも嬉しかったので、調子に乗ってザ・タイピング・オブ・ザ・デッド(以下TOD)をプレイしてみた。ローマ字入力では1コインクリアを達成した筆者であるが、かな入力では予想通り散々で、1コインでは1章クアール戦到達までだった。だが、トレーニングモードを残り1秒ながらクリアできたことがささやかな自信になった。
だが、同じ日にTODへのかな入力二度目の挑戦を行った結果、1章ボス戦にすら到達できなかった。この挑戦では、4文字以上の単語を高速に打てないという弱点が浮き彫りになった。最後のライフを削られた単語「いのちごい」は、当時の筆者にとっては「ランダムの6文字」であった。今後単語練習を伸ばすには、かな入力で打てる単語を増やす必要があると感じた。
実際、その後しばらくの間は記録が伸び悩んだ。100から150までは約3週間で伸びたのに、150到達後の3週間では164までしか伸びなかった。しかし、この期間にも趣味と実益を兼ねてかな入力で仕事を続け、少しずつ打てる単語(正確にはその一部)を増やしていった。
4月に入り、1つの大きな転機が訪れた。それは……TODのドリームキャスト版である。購入当初はローマ字入力だけでプレイし、1週間もしないうちにある程度極めてしまった。しかしそんなある日、このゲームの新たな楽しみ方を発見したのである。かな入力でのプレイ! 難易度設定を変えればゲーセンよりも簡単な環境を作れるし、「チュートリアルモード」「ドリルモード」ではローマ字入力とは大きく違った雰囲気を味わえる。セガワープロ検定1級を余裕でクリアしていたローマ字入力の面影はどこへやら、ドリルによってはクリアすることすらできず、セガワープロ検定5級のオンパレードだった。だが、TODの成果が徐々に美佳タイプにも現れ始めた。
3月中旬から下旬にかけて160程度で止まっていたスコアが徐々に伸び始め、2000.4.11には180を超えた。また、この頃から単語練習200を一つの目標と定め、納得の行かない時には単語練習のみ2〜3回ずつ練習するようにした。そして2000.4.20、ついに200を突破した。
そして2000.4.20時点ではTyping Attackかなで総合第5位、ランダム練習総合トップである。
単語練習については、趣味やら仕事やらで数多くの文章を打ち、かな入力特有のパターンを指に染み込ませるとともに、DC版TODのドリルモードやアーケードモードで鍛えれば、まず250到達はそう難しくないだろう。ある程度伸びたらまた渋谷GIGOに行って、かな入力でTODをプレイしてみたい。今度こそ1コインで2章へ到達するぞー! しかし300到達にはもう一つ壁を乗り越えなくてはならないと思う。どんな単語に対しても抵抗なく指が動き、正確にキー中央をとらえることができてようやく300が見えてくると思うが、現在の筆者のかな入力はこういう領域には程遠い。
ランダム練習には、まだまだレベルアップの余地がある。例えば「上一段」はまだ240程度である一方、英字ランダムの「上一段」が380を超えている(2000.4.20現在)。理論上は、同じレベルまで到達するはずだ。なかなか伸ばしがいがある。
他にも、これまでの練習で弱点がいろいろと見えているので、それぞれ対策を講じたい。ホームポジション外の文字(ほへけむろ)、濁音・半濁音(TODではこれがきつい)、4文字以上の単語など。濁音・半濁音については美佳かなで鍛えることが不可能なので、場合によってはドリームキャスト購入も検討するかもしれない(筆者はキーボード同梱ソフトとビジュアルメモりのみ購入し、ドリームキャストは2週間くらい友人に借りていた)。