筆者の美佳かな遍歴:その1(2000.4.20)


●数度の挫折

日本語入力を行う際にローマ字入力・かな入力など様々な入力方法の中でどれが優れているかについては議論が分かれる。だが、一般的にはかな入力はローマ字入力よりも2〜3割速く打てるとされている。2000年1月までにローマ字入力をある程度極めた(まだまだ甘いという噂もあるが)筆者がここに至ってかな入力の練習を始めたのは、さらなる高速な日本語入力を追求するために他ならない。「美佳タイプ」のローマ字単語で400文字/分を超えた筆者であれば、かな打ちを極めれば500文字/分も夢ではないかもしれない。

実を言うと、筆者のかな入力挑戦は何度も初期段階で跳ね返されている。学生の頃、かな入力オンリーの友人宅でPCを使った時にはあまりの打ちづらさに発狂しそうになった。生協学生委員会で数字を除いて美佳タイプのトップスコアラーとなった時にとある友人から美佳かなを薦められた時も、あっさり断念してしまった。最初の2〜3回は結構やる気だったのだが、結局その友人の記録には到底及ばないと悟ったためだ。


●Typing Attackかなとの出会い

そして2000年2月に本格的に美佳かなを始め、その後何とか継続的に練習できているのは、ひとえにTyping Attackかなのおかげである。Typing Attackかな開設当時はまだかな入力のスペシャリストが存在せず、筆者を含め5名ほどの参加者は皆初心者だった。従ってお互いが目標になったし、多少離されてもいつか必ず追いつけるという確信があった。

久しぶりの美佳かなの結果は単語練習35だった。何しろ、指がキー配列を覚えるという以前の段階であり、頭が配列を覚えていなかったのだから無理もない。しかしランダム練習を一通りやるうちに少しずつキー配列を覚えてきたらしい。単語練習2回目は59だった。それからほぼ毎日、美佳かなの9種目の練習を1回ずつ実行することにした。果たしてどこまで伸びるのか、自分でも分からなかった。

練習を始めてから約1週間で頭がキー配列を覚え、それからさらに1週間で指が覚えてきた。記録は順調に伸び続け、2000.2.17には100を突破した。そして2000.2.25には126まで伸び、ついにTyping Attackかなの総合トップに立った。この記録でいつまでもトップにいられるとは思わなかったが(実際1日天下だった)、Typing Attackで総合トップを獲得した時と同じくらい嬉しかった。

あまりも嬉しかったので、調子に乗ってザ・タイピング・オブ・ザ・デッド(以下TOD)をプレイしてみた。ローマ字入力では1コインクリアを達成した筆者であるが、かな入力では予想通り散々で、1コインでは1章クアール戦到達までだった。だが、トレーニングモードを残り1秒ながらクリアできたことがささやかな自信になった。


●200文字/分を目指して

2000.3.8には実務レベル(=通常の仕事では何ら支障ないレベル)である150文字/分に到達した。かな打ちが1ヶ月強でここまで伸びるとは全く思っていなかった。だが、この記録があくまで通過点でしかないこともまた確かだ。そしてこの頃から、仕事の文書を時々かな入力で作成するようになった。急ぎの仕事の場合はローマ字入力にするが、得てして仕事というものは暇で退屈なものが多いので、150文字/分で打てれば何ら支障はない。

だが、同じ日にTODへのかな入力二度目の挑戦を行った結果、1章ボス戦にすら到達できなかった。この挑戦では、4文字以上の単語を高速に打てないという弱点が浮き彫りになった。最後のライフを削られた単語「いのちごい」は、当時の筆者にとっては「ランダムの6文字」であった。今後単語練習を伸ばすには、かな入力で打てる単語を増やす必要があると感じた。

実際、その後しばらくの間は記録が伸び悩んだ。100から150までは約3週間で伸びたのに、150到達後の3週間では164までしか伸びなかった。しかし、この期間にも趣味と実益を兼ねてかな入力で仕事を続け、少しずつ打てる単語(正確にはその一部)を増やしていった。

4月に入り、1つの大きな転機が訪れた。それは……TODのドリームキャスト版である。購入当初はローマ字入力だけでプレイし、1週間もしないうちにある程度極めてしまった。しかしそんなある日、このゲームの新たな楽しみ方を発見したのである。かな入力でのプレイ! 難易度設定を変えればゲーセンよりも簡単な環境を作れるし、「チュートリアルモード」「ドリルモード」ではローマ字入力とは大きく違った雰囲気を味わえる。セガワープロ検定1級を余裕でクリアしていたローマ字入力の面影はどこへやら、ドリルによってはクリアすることすらできず、セガワープロ検定5級のオンパレードだった。だが、TODの成果が徐々に美佳タイプにも現れ始めた。

3月中旬から下旬にかけて160程度で止まっていたスコアが徐々に伸び始め、2000.4.11には180を超えた。また、この頃から単語練習200を一つの目標と定め、納得の行かない時には単語練習のみ2〜3回ずつ練習するようにした。そして2000.4.20ついに200を突破した。

そして2000.4.20時点ではTyping Attackかなで総合第5位、ランダム練習総合トップである。


●今後の展望

単語練習で200に到達したとはいえ、これはまだ出発点に過ぎない。今後は単語練習300とTyping Attackかなの総合トップ獲得を目標としたい。そのためには、普段からかな入力に心がけることで単語練習を大幅に強化すると同時に、日々の美佳かな鍛錬によりランダム練習を強化する必要があるだろう。

単語練習については、趣味やら仕事やらで数多くの文章を打ち、かな入力特有のパターンを指に染み込ませるとともに、DC版TODのドリルモードやアーケードモードで鍛えれば、まず250到達はそう難しくないだろう。ある程度伸びたらまた渋谷GIGOに行って、かな入力でTODをプレイしてみたい。今度こそ1コインで2章へ到達するぞー! しかし300到達にはもう一つ壁を乗り越えなくてはならないと思う。どんな単語に対しても抵抗なく指が動き、正確にキー中央をとらえることができてようやく300が見えてくると思うが、現在の筆者のかな入力はこういう領域には程遠い。

ランダム練習には、まだまだレベルアップの余地がある。例えば「上一段」はまだ240程度である一方、英字ランダムの「上一段」が380を超えている(2000.4.20現在)。理論上は、同じレベルまで到達するはずだ。なかなか伸ばしがいがある。

他にも、これまでの練習で弱点がいろいろと見えているので、それぞれ対策を講じたい。ホームポジション外の文字(ほへけむろ)、濁音・半濁音(TODではこれがきつい)、4文字以上の単語など。濁音・半濁音については美佳かなで鍛えることが不可能なので、場合によってはドリームキャスト購入も検討するかもしれない(筆者はキーボード同梱ソフトとビジュアルメモりのみ購入し、ドリームキャストは2週間くらい友人に借りていた)。


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