英文とタイプウェル英単語で鍛えた成果は、美佳タイプ英単語系練習でも発揮されている。前回目標に掲げた「英単語660、T.A. Point1700」は6月中に達成した。また、タイプウェル英単語の総合レベルは2つ上がり、7月にはMachine(総合レベルXA)に到達した。その後英単語自体は伸び悩んでいるが、英文攻略によりタイピング全般においてミスが減少し、スコアの伸びに結びついている。特にT.A. Pointは順調に伸び続け、1800は目前に迫っている。また、タイプウェルシリーズにも効果は着実に現れた。国語K・オリジナル・英単語でMachineを達成し、残る国語RもMachineまであと約1600ポイントと迫っている。
ここ半年の成長(英文に限らずタイピング全般の)は、「打鍵方法の改良」「ミスの減少」「大文字や記号の克服」「英文自体への慣れ」と言ったキーワードで語ることができる。英語版TODの攻略も少なからず寄与したと言えるだろう。ここでこの半年の伸びを総括し、今後より厳しさを増すであろう闘いの序曲としたい。
原因を考えるとやはりミスが多い。美佳テキストでは、スコアは伸びたがミス数の最少記録(「鏡の国のアリス」の38回)を更新できるとは思えなかった。美佳英単語ではミスが2桁に達することがほとんどだった。さらに、英文や英単語を打つ際にはキーボードを破壊してもおかしくないくらいの力が入っていた。このため、1分程度打っただけでかなりの疲労が蓄積し、3分も打つと目に見えてスコアが落ちていった。
そんな中で、2001.4.22には「鏡の国のアリス」を537.0(+19.0、ミス53)に更新し、ずっと壁だった520を一気に突き破った。これは、途中でスコアを見るのを「魔の会話文」直前の1回だけにしたという戦略によるものである。
成果はGW最後の日曜日に早くも現れた。英単語を625.8(+0.5、ミス10)に更新し、約4ヶ月ぶりにT.A. Pointを伸ばした。また、フォートランでは680くらいのスコアは少しかみ合えば普通に出せそうだという確かな手応えを感じた。英文については静かに打つことで逆に腕に無理な力がかかり、この打鍵方法に慣れるにはまだまだ時間がかかると感じた。だが、「足長おじさん」497.3(+8.2、ミス78)、「若草物語」489.2(+11.3、ミス73)という結果が出て、苦手にしていたこの2つの英文でも少しずつ500が見え始めた。
さらに、2001.5.12にはパスカルを722.8(+36.9、ミス4)に更新。2001.5.16には基本英単語の自己ベスト5をすべて塗り替え、639.9(+14.1、ミス7)を叩き出した。タイプウェルの基本英単語も38.5秒(ミス2)に伸びた。記録よりも、ミス2という安定感には我ながら驚いた。そして、この頃から美佳タイプ英単語系練習をミス1桁で打ち切ることが増えてきた。
ところが、スコアが伸びるに伴って、1回打ち切っただけでは更新できなかったり、更新できても小幅の伸びにとどまることが多くなってきた。英文総合3000を目指す際にも、佳境に入ると「たとえ記録を更新しても納得の行かない時には2回、3回と再挑戦」した。まして英文総合3300を目指す際には、1つの英文を繰り返し打ち切るようになったのは自然な流れと言えよう。
また、英文ごとに苦手な箇所が存在し、記録が伸びない一因となっていた。
種目名 | 苦手な箇所 |
---|---|
不思議の国のアリス | "Oh dear! Oh dear! I shall be too late!"(when(15〜16行目)の記号3連打が厄介。 waistcoat-pocket×2(19行目、22行目)も厳しい。 最難関は"ORANGE MARMALADE"(最後から4行目)とその直後のdisappointment。 |
鏡の国のアリス | 「魔の会話文」(23〜27行目)が鬼門。 特に、"Oh, you wicked wicked little thing!" とReally、Dinahでスピードを減殺される。 また、!”でCaps Lockキーに触れると、以後大文字と小文字が逆転してご臨終。 |
若草物語 | 冒頭の"Christmas won't be Christmas without any presents,"が凶悪。 その後も延々と続く会話文(正確には記号と大文字)に体力を削られる。 |
足長おじさん | 冒頭のThe first Wednesdayが打ちづらい。 例えば THe first WE とミスする。 また、美佳テキストの6文章中最も長いため、持久力も必要。 さらに、最後から2行目の murmuring "Home" も意外と厄介。 |
幸福な王子 | 最初の難関は第1行。 High above the city, on a tall column, stood the statue で、左手→右手→右手→左手の順に崩される。 「若草物語」ほどではないが会話文が多い。 had gone away to Egypt(27行目)が凶悪。 ラスト2行の難語、indeedとautumnとawayも疲労していると厄介。 |
だが、短期間に繰り返し練習することで苦手な場所を覚え、対処法も少しずつ身についてきた。その結果、最初の数回は苦戦しても最後には大幅に更新できるようになった。こうなると練習にも身が入り、効率も上がるという好循環につながる。
5月中旬には「不思議の国のアリス」に挑み、4回打ち切って518.6(+15.0、ミス71)まで伸ばした。同時に、525くらいは打てそうな感触をつかんだ。その後6月にかけて「幸福な王子」を3回打ち切り、520.8(+9.0、ミス57)まで伸ばした。2001.5.19には「オズの魔法使い」を529.5(+11.3、ミス65)まで伸ばした。英文総合ポイントを3074.7に上げ、T.A.の英文練習ランキングではごとーさんを抜いて4位に浮上。当時3位のPocariさんまでは170ポイント近い差があったが、総合ポイント3000を目指していた頃に比べれば絶望的な距離ではない、努力すれば将来追いつけると感じていた。
6月に入ると美佳タイプ英単語系練習のスコアもじりじりと伸び始めた。英単語がようやく650に到達した他、フォートランを711.4(+15.6、ミス8)に更新してMSDOSコマンド、パスカルに続いて3つ目の700突破を果たした。BASICでは675.4(+8.9)とノーミス更新。これは筆者のタイピング史上でも特筆すべき成果である。
2001.6.20には英単語を652.1(+0.4、ミス8)に更新するなどして念願のT.A.Point1700突破を果たした。2001.6.22にはさらに英単語を664.0(+11.9、ミス8)に更新。2001.7.3にはタイプウェル英単語がMachineに到達するなど、英単語系の実力が総合的にワンランクアップしたという感触だった。
最初の数回は英文を2ヶ月くらい打たなかったためかミスが1分につき20回以上という惨状だった。それ以上にショックだったのは、腕に無駄な力が入りすぎて激しく疲労したことと、ミスをしても全く気付かなかったことである。それでも、量産されるミス、執拗な腕痙攣、そして萎える精神との闘いが延々と続いた後、497.9(+8.7、ミス66)、500.5(+2.6、ミス76)と小幅ながら連続更新。ミスの多さと後半の落ち込みには全く納得していないが、これで美佳テキスト全6種目で100wpmを突破したという結果は残った。さらに「不思議の国のアリス」も少しずつ更新した結果、英文総合ポイントがようやく3100を超えた。
翌2001.7.30も、29日に詰まったところを重点的に改善して524.2(+23.7、ミス52)を叩き出した。この文章に限ればPocariさんを抜いて3位に浮上するとともに、2位のなせさんまで0.1ポイント差まで肉薄した。29日に幾度となく詰まった難所も、いい加減慣れてしまったためか次々と撃破した。英文を打っていてこれほど楽しかったのは久しぶりだ。途中スコアを見たら529だったので、その後もミスを抑えて打ち切った。やはり記号への苦手意識がある程度払拭されたのが大きい。また、ミス数は過去二番目に少なかった。さらに「不思議の国のアリス」と「オズの魔法使い」も10ポイント前後更新し、英文総合ポイントはこの日だけで50近く伸びた。そして英文が伸びれば美佳タイプ・テキスト 裏ランキングにダイレクトに反映される。一時は6位まで落ちたが、この更新で3位争いから一歩抜け出し、以後単独3位を固めていった。
代わりに会社PCで英単語系を次々と更新した。下表のように爆発的な更新を連発し、単語練習総合ポイントは4900を突破した。
日付 | 種目名 | スコア | 伸び | ミス数 |
---|---|---|---|---|
2001.8.20 | MSDOSコマンド | 780.6 | +32.5 | 2 |
2001.8.22 | パスカル | 743.2 | +20.4 | 5 |
2001.8.23 | BASIC | 685.3 | +9.9 | 6 |
2001.8.27 | 基本英単語 | 665.4 | +1.0 | 10 |
2001.8.30 | フォートラン | 742.7 | +31.3 | 5 |
中でもMSDOSコマンドでは、得意単語のDISKCOPYが1個しかなかったのにもかかわらず大幅な更新に成功した。また、3行目のDEL CD MORE DEL CLS SPEED SPEEDは、CDEを最適化せずすべて左手中指で打つ筆者にとっては一見つらい並びだった。だが、「みじん切りのように細かく刻む動き」+「同じ列を上下に滑らせる動き」でカバーでき、自信になった。さらに、基本英単語の更新でT.A.Pointが1794.6に伸び、1800到達も見えてきた。
そして8月末、満を持して英文攻略を再開した。まずは2001.8.25から2001.8.26にかけて「足長おじさん」を打つ。25日は眠さも手伝って伸びず、26日も512.9(+0.8、ミス73)、514.8(+1.9、ミス62)、と惨敗が続いていた。だが、苦手部分を少しずつ指が思い出して526.0(+11.2、ミス63)に更新。これで6つの文章すべてで520を超え、平均では530を超えた。
そして2001.9.1、「鏡の国のアリス」で一気に550を狙う。最初のうちは指の動きが鈍く、515.9(ミス79)、524.7(ミス49)と屈辱的惨敗の連続だった。ミス数はワースト2位。打ち方も納得いかない。無駄な力が入りすぎて、高々4分弱の打鍵で疲れきってしまう。5月以来、打鍵方法を改良してきたが、目標とする領域には依然として隔たりがある。
その後、ようやく「魔の会話文」直前まで560台をキープできるまでに復活したが、今度は持久力が続かず、結局538.8(+1.8、ミス80)。更新は果たしたが、ミス数はまたしてもワースト2位。次に、最近では珍しくBGMなしで打ってみると、何だか集中力が研ぎ澄まされていい感じ。前半はあまりにも指の動きが良いのでかえって焦ってしまい550台後半だったが、後半に入ってからも崩れない。やはり1日に3回も4回も打っていると苦手な部分を覚えている。この文章を打つのも20回目であり、以前のうまく打てた時の感触が戻ってくる。終盤では腕が疲れてきたが、疲労がピークに達する前に打ち切った! 551.1(+12.3、ミス42)に更新! 110wpmの壁をついに突き破った!
すべてがプラスに作用した。約3分30秒という短期決戦でケリをつけることで、後半の疲労と落ち込みを可能な限り回避する。こうして当時の実力で叩き出せる限界に近い結果を出すことができた。そして英文総合ポイントは3201.1となり、3200を突破した。だが、これはまだ限界ではないと感じていた。前半に限れば、ミスをもう少し減らすことで600近いペースを保てるだろう。後半の粘りによってはさらなる更新も不可能ではない。
もちろん、BGMと言っても、集中力を削ぐものや落ち着きを失わせるようなものは逆効果である。好きな曲とタイピングに好影響を与える曲とは必ずしも一致しない。筆者の場合、好みの女性アーティストの曲でいろいろと試行錯誤した結果、次の結果を得た。
好きな順番:ELT>あゆ>ヒッキー>ユーミン タイピングに好影響を与える順番:あゆ>ユーミン>ヒッキー>ELT |
あゆの数ある曲の中でもトップレベルの効果を発揮しているのが、ベスト盤にも入っているTrustである。この曲であゆの発するオーラは、筆者の英文タイプに実力+20くらいの効果を与えてくれるようだ。あゆ万歳! あゆサイコウ!
一方、眠くてどうしようもない時はもともと注意力が散漫になっているので、あえて集中力を削ぐような曲を流したり、ひどい時には野球を見ながら打つこともある。また、最初の2〜3回で決めようと思っている時はBGMなしで一気に打った方が集中できることもある。さらに、どうしても集中できない時や、指や体が寝ている時は風呂に入ってから打つのがなかなか効果的である。
要は、BGMの有無にかかわらず集中力を高めて脳にα波が満ち満ちている状態にして、ミスを抑えつつ打てるところは積極的に攻めていくということだ。英文で爆発する時の集中力は次のような感じである(2001.9.9のタイピング日記より)。
凄まじい集中力がひたすら持続する! あれほど悩まされたミスや硬直の嵐はどこへやら、事前に危険なポイントを察知し、少しスピードを落としたり指の動きを活性化させたりと臨機応変に対処しながら次々と撃破していく! これが英文を打つ醍醐味だーーーっ! |
9月に入ってからはメンタル面をBGMである程度コントロールすることで、自分でも驚くような結果を次々と出していった。特に英文総合3200を超えてからはここぞという時にあゆを流して計49.2ポイントの大幅スコアアップをもぎ取った。3300到達までに伸びたポイントの総計が99.7であるから、実に半分はあゆのおかげで更新できたということになる。
日付 | 種目名 | スコア | 伸び | ミス数 | 特記事項 |
---|---|---|---|---|---|
2001.9.2 | 幸福な王子 | 534.4 | +13.6 | 41 | ミス数過去最少 |
551.2 | +16.8 | 48 | あゆ効果で爆発 | ||
2001.9.8 | 不思議の国のアリス | 534.5 | +0.6 | 49 | ミス数過去最少 |
543.2 | +8.7 | 67 | 野球を見ながら | ||
2001.9.9 | オズの魔法使い | 550.8 | +5.7 | 43 | ミス数過去最少 |
571.3 | +20.5 | 34 | あゆ効果で爆発/ミス数過去最少 | ||
2001.9.15 | 足長おじさん | 526.1 | +0.1 | 65 | 一応更新はしたが…… |
534.0 | +7.9 | 55 | 風呂効果/ミス数過去最少 | ||
2001.9.16 | 若草物語 | 527.0 | +2.8 | 44 | ミス数過去最少 |
538.9 | +11.9 | 42 | あゆ効果/ミス数過去最少 | ||
2001.9.18 | 鏡の国のアリス | 559.4 | +8.3 | 43 | 後半で崩れた |
562.2 | +2.8 | 43 | これも後半で伸びず |
特筆すべきなのは、計12回の更新のうち7回をミス数過去最少に抑えたことだ。総合3000を突破する頃まではミス数が50回を超えることがほとんどであった。だが、打鍵方法と練習方法を改善し、苦手分野をある程度克服したことにより、ミス数は概ね50回を下回るようになった。
また、「Typing Attack」では平均スコアが低めである「幸福な王子」で、「鏡の国のアリス」に続いて二番目に550を突破できたのは励みになった。この文章で550を突破できるなら、高速種目である「オズの魔法使い」や「不思議の国のアリス」ではそれ以上打てるはずだ。実際、2001.9.8には「不思議の国のアリス」更新で英文総合ポイントを3240.8に伸ばし、Typing Attackでは約1年ぶりに3位に復帰した。その後も各英文で比較的順調に更新を重ねていった。そして2001.9.18の「鏡の国のアリス」更新で英文総合ポイントは3300.8となり、ついに総合3300(つまり6文章平均110wpm、550文字/分)を突破した。
そして2001.9.18時点ではTyping Attackの英文部門総合第3位である。
種目名 | 初回登録時 1999.12.30 |
初回トップ獲得時 2000.1.10 |
トップ奪回時 2000.5.14 |
3000達成時 2001.3.25 |
3300達成時 2001.9.18 |
---|---|---|---|---|---|
オズの魔法使い | 385.0 | 401.5 | 436.2 | 513.8 | 571.3 |
不思議の国のアリス | 384.3 | 400.9 | 447.1 | 500.0 | 543.2 |
鏡の国のアリス | 359.1 | 394.1 | 446.8 | 518.0 | 562.2 |
若草物語 | 327.9 | 368.7 | 422.7 | 477.9 | 538.9 |
足長おじさん | 336.1 | 385.9 | 424.6 | 489.1 | 534.0 |
幸福な王子 | 349.2 | 380.6 | 433.4 | 503.1 | 551.2 |
総合ポイント | 2141.6 | 2331.7 | 2610.8 | 3001.9 | 3300.8 |
T.A. 英文部門順位 | 3位 | 1位 | 1位 | 5位 | 3位 |
※初回登録時:すべて1巡目
※初回トップ獲得時:上3つが2巡目、下3つが3巡目
※トップ奪回時:7巡目;オズのみ6巡目
※3000達成時:いずれも12〜17巡目
※3300達成時:いずれも21〜24巡目
筆者の2001年9月現在の力では、スコアは570程度が限界のようだ。そこで、得意な英文をこの数値に近づける一方、苦手な英文をある程度克服することで、トータル3300を達成した。なお、トータル3000達成時のスコアと比較すると、「若草物語」で苦手な記号を克服した一方で、「不思議の国のアリス」「足長おじさん」という長い文章の伸びがやや鈍っている。
そのためには、英文を継続的に打つことでさらなるスピードアップを図ると同時に、ミスを減らしていく必要がある。入力速度と正確さはなかなか両立し得ない要素であるが、それを練習する格好の材料が英文練習だと思う。ミス数については、2000.11.18に「鏡の国のアリス」で記録した38が最少記録になっている。これもそろそろ破りたい。
さらに、弱点となっている大文字や記号をより抵抗なく打てるようにしなくてはならない。今までにもある程度克服してきたとはいえ、総合3600を狙うにはまだ力不足だ。そのためには、「タイプウェルオリジナル」をさらに練習することで大文字や記号への苦手意識を払拭し、ある程度時間を置いてから英文にもそれを適用していこうと思う。