日付 | 概要 |
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2011.11.19(Sat) | 那須岳登山 〜茶臼岳経由、三斗小屋温泉まで〜 |
2011.11.20Sun) | 三本槍岳と朝日岳 |
新幹線改札はまさかの大混雑(撮影:ぽかたん) | 出発前に地図の前で1枚(撮影:ぽかたん) |
新幹線は36分遅れで済んだが、那須塩原での待ち時間を合わせると登山開始が1時間遅れとなった。このため、車で山麓駅まで来たむなを1時間も待たせてしまった。次回は15分早く集合し、15分早く入場するべきか。
さらに悪天候が重なった。今回は天気予報によると19日の降水確率70%で、しかも強風が予想されていた。だが、苦労して合わせた日程であり、今更先延ばしにはしたくない。20日には雨が止むとの予報が出ていたこともあり、降雪が無ければ決行する気満々だった。とはいえ、現地では暴風に加えて雨に霧、ついでに残雪という状況だった。ロープウェイ山麓駅にはアイゼンを持参すべしとの張り紙まであった(実際にはアイゼンが必要な道は無かったが)。そこで、事前の打ち合わせ通り、コース短縮を余儀なくされることとなった。即ち、ひょうたん池を省略し、峰の茶屋避難小屋から最短ルートで三斗小屋温泉を目指すこととした。山麓駅で備え付けの登山計画書に記入し、提出しておいた。
那須塩原駅で下車した時点で相当寒く、早速ダウンを装備した。さらに、ロープウェイ山頂駅に到着した時点で、雨具上下を装備した。ここで昼食をとりつつ、雨が小降りになるのを待ったが、そうなる気配がないため昼食後に即出発した。
霧と残雪の山 | 栃木の景勝百選 那須岳(撮影:ぽかたん) |
予定 | 実績 | 高度 | 場所 |
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11:10 | 12:01 | 1690m | 山頂駅 |
11:50 | 12:41 | 1915m | 茶臼岳 |
− | 13:16 | 1678m | 峰の茶屋避難小屋 |
− | 13:56 | 延命水 | |
15:00 | 14:23 | 三斗小屋温泉 |
茶臼岳は山頂駅から非常に近いが、雨と強風の中である。ついでに、かなり寒い。手袋なしだと指がかじかんでくる。登山道の脇には残雪も見える。登り始めということもあり、速度を落として進む。この段階ではゆぞが傘を差していた。しばらく登ると硫黄の匂いが漂ってきた。ますます強くなる風雨の中、無理矢理行軍を続けて山頂に到達した。山頂での記念撮影時も、ぽかたん持参の三脚が肝心なタイミングで飛ばされ、風が弱まるのを待つ一幕もあった。
茶臼岳山頂。那須岳神社!(撮影:ぽかたん) | ゆぞは傘で雨をしのいでいるw(撮影:ぽかたん) |
茶臼岳の山頂ではガスが濃く、ルートがよく見えなかった。本来ならば火口を一周するお鉢巡りコースを歩く予定だったが、これでは道に迷うリスクがある。止むを得ず、来た道を戻り、峰の茶屋への分岐から峰の茶屋へ向かった。
峰の茶屋付近は風の通り道と呼ばれており、実際に強風が吹き荒れていた。ここから三斗小屋温泉までの下りでは、ぬかるんだ雪道が多かった。足場が悪い上、大変滑りやすい。個人的にはここが一番の難所であり、写真を撮影する余裕すら無かった。高度を下げると徐々に雪は消えたが、ぬかるみは相変わらずだ。なるべく泥を避けて進んだが、最終的に登山靴や足元が泥だらけになったのは止むを得ない。途中で唯一の水場である延命水付近を通過したが、あまりの寒さにほとんど飲まなかった。そういえば1日目は他の登山者と全く会わなかった。このような悪天候の時に入山する人がそもそも限られるということか。
峰の茶屋付近は「風の通り道」で、強風が吹き荒れる | これが延命水! |
煙草屋旅館に到着。左手には大黒屋(撮影:ぽかたん) |
旅館の入口で、雨に濡れまくった雨具と登山靴を装備解除した。しかし膝から下はズボンもももひきも靴下も濡れており、部屋に通された後も非常に寒かった。この時期で既に、キナバル山頂付近と同様の防寒具(ダウン上下)は必須である。また、山用水筒に入れてきたホット紅茶が素晴らしい効能を発揮した。
あまりにも寒いため、速攻で温泉へ。気持ちいい〜♪♪♪ 内湯はぬるめの湯とやや熱めの湯の2種類が用意されており、山歩きで冷えきった体には大変ありがたい。ぬるめの湯で体を慣らしてから、熱い湯を楽しむことができる。のぼせそうになったら、ぬるい湯に移動すれば良い。ぽかたんは温泉内にPCを持ち込んでエクストリームタイピングを敢行していた。ダイビングタイピングに耐えたPCはもちろん温泉にも耐えられる。撮影も、キリマンジャロに持参した耐寒・耐水性能を持つPENTAXのデジカメを持ち込んで問題なく済ませた。
だが、せっかくの露天風呂はあまりの寒さに断念せざるを得なかった。何しろ屋外にあるため、氷雨が降る状況では湯温が低下するためだ。
手前がぬるい湯、奥が熱い湯 | エクストリームタイピングは温泉でももちろんやる! |
温泉から出てきて間もなく、16:30には早くも夕食となった。食事の合図は太鼓を打ち鳴らすことで行われる。どっかのTV局が撮影していた。飯とお茶はセルフサービスだったため、ぽかたんの茶碗にまんが日本昔ばなし並みに盛ってみたり ^^; 飯は旅館らしくなかなかの味と量だった。
飯の合図は太鼓で | まんが日本昔ばなし並みの大盛りご飯 |
着席直後、ふと壁を見ると熊の毛皮がぶら下がっていた。そういえば山頂駅には熊出没注意の張り紙があったような……。今回は幸いなことに、熊に遭遇することは無かったが。また、個人的には、何となく風格のある招き猫が気に入った。
さりげなく熊の毛皮が | 招き猫だにゃ〜 |
夜は消灯(21時)ギリギリまでトランプ三昧。スマホや携帯は完全に圏外であり、外部との通信を断たれたためでもある。剱岳の早月山荘で初めてプレイしたナポレオンに加えて、今回はむなに教えてもらいつつセブンブリッジをプレイした。トランプと麻雀が混ざったようなゲームであり、運の要素は多いが手軽に楽しめる。最後は大富豪で締めた。
夜は消灯ギリギリまでトランプ三昧(撮影:ぽかたん) |
朝食もしっかりと | ヤマネが出るかもしれません! |
予定 | 実績 | 高度 | 場所 |
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7:30 | 7:36 | 三斗小屋温泉 | |
− | 8:29 | 1819m | 隠居倉 |
11:20 | 10:14 | 1917m | 三本槍岳 |
13:00 | 12:08 | 1896m | 朝日岳 |
14:15 | 12:46 | 1678m | 峰の茶屋避難小屋 |
15:00 | − | 1690m | 山頂駅 |
15:25 | 13:25 | 1380m | 山麓駅 |
※三本槍岳で昼食(1時間)を想定していたが、実際にはその少し後、清水平で昼食とした。
旅館の裏手、少し登ると三斗小屋温泉神社が。 | これが源泉? |
隠居倉到達まで、高低差400m程度の登りだったが、淡々とこなした。歩き始めということもあり、やはりぽかたんを先頭に、ペースを落として進んだ。幸いなことに雨はほぼ止んでおり、休憩時の寒さを除けば極めて快調な登りだった。
隠居倉にて(撮影:ぽかたん) |
隠居倉からしばらく進むと、能見曽根に出た。稜線に出ると台風並みの暴風! 無茶苦茶冷える。おまけに霧もあり、眼鏡が曇りまくりだ。でも足元はかろうじて見えたためそのまま進む。
能見曽根から先ではかなり下った。ここで失った標高を、三本槍岳手前で取り戻す羽目になった。ついでに、帰り道で能見曽根を登り返す羽目になった。三本槍岳ではヤリポーズをとってみたり。
下山途中の清水平で、少し早めの昼食休憩とした。夕食の宇都宮餃子を食べるのが17時前後と想定され、腹を空かしておいた方が餃子がうまいと考えたためだ。だが! 清水平でも強風が容赦なく吹き荒れ、体温を奪う。キナバル山の山頂付近よりも防寒対策を調えていたはずなのに、この昼食休憩中は猛烈に冷えた。固形物は一切喉を通らず、体温で温めた朝バナナと、少しだけ残っていたぬるい紅茶を摂取しただけだった。その後はゆぞ持参のガスバーナーで暖を取り、余った湯を山用水筒に満たしておいた。
三本槍岳にて(撮影:ぽかたん) | 歩きやすい木道! |
この極寒は、歩き始めてからもしばらく続いた。清水平には歩きやすい木道があるが、その間ずっと風に晒されるからだ。だが、能見曽根への登り返しに入るとようやく温まった。さらに南下し、朝日岳にもさくさくっと登頂しておいた。この辺になるとようやく晴れてきて、絶景を眺められるようになった。
朝日岳にて(撮影:ぽかたん) | ようやく晴れて絶景が! |
今回の山行で最も面白かったのは、朝日岳から峰の茶屋避難小屋までのルートだ。鎖場が面白すぎた。足元は相変わらず濡れている上に残雪もあり、滑落への恐怖は多少あったが。鎖場の最後は急な下りだった。強風が容赦なく吹き付ける中、慎重に下っていった。
鎖場キター!(撮影:ぽかたん) | こんな鎖場を下ってきた |
この下りの途中で、峰の茶屋避難小屋と、ロープウェイの山頂駅、山麓駅が意外と近くにはっきり見えた。鎖場が終わると、傾斜も緩くなり、難所もなく、非常に歩きやすい道だった。峰の茶屋避難小屋付近には立て札があり、それによると今まで突破してきた道は難路だったらしい。それにしても、峰の茶屋避難小屋の屋外の気温が4度だった。ということは、悪天候だった昨日は氷点下まで下がったかもしれない。また、強風が吹き荒れた稜線では、体感気温が氷点下だったことになる。寒かったわけだ。
今まで突破してきた道は難路だったらしい | 峰の茶屋避難小屋の屋外の気温は4度 |
写真撮影に夢中になっている間に、ゆぞとれえるがいつものごとく飛び出して、あっという間に姿が見えなくなった。おまけに、峰の茶屋から先で豪快に道を間違えた。山頂駅に行くつもりが、気付いてみたら山麓駅に向かっていた。山頂駅に向かう道は登りであるのに対し、山麓駅に向かう道は緩やかな下りであり、自然に足が後者に向いた。また、強風でロープウェイが止まるリスクを考慮すると、結果的にこちらの道が良かったかもしれない。
山麓駅への道は膝に優しい緩い傾斜で、快適に下山した。この辺の道では、ハイキングスタイル(登山装備、防寒具一切無し)のカプールもちらほら見かけた。最後は石畳が整備されており、これなら登山というよりもハイキングだ。
峰の茶屋から山麓駅への下り。傾斜も緩く、まったりした道 | 最後は石畳 |
山麓駅では13:30発の那須塩原行き最終バスを僅差で逃した。タイミングは間に合っていたが、下山後の記念撮影を欠かすわけにもいかないしねえ。ってことで、今回来られなかったどらぐを囲んで記念撮影!
山麓駅にて(撮影:ぽかたん) | 今回来られなかったどらぐを囲んで(撮影:ぽかたん) |
電車内で、宇都宮餃子の情報収集を行った。だが当初予定の店は「テーブル席が無くカウンターのみ」、次に選んだ店は「17時の時点で20人行列」というクソすぎる展開に。結果的に、「行列の嫌いな人にお勧め」とされていた来らっせを選択した。この選択は大正解だった。5人で計8種類78個(9種類84個だったかも)の餃子を喰いまくった。
夕食は宇都宮「来らっせ」で。 | 個人的には「龍門」の焼き餃子が一番うまかった |
最後に土産として宇都宮餃子とレモン牛乳なるものを購入し、新幹線に乗った。ここでも東京駅に到着する直前までひたすらトランプ。ナポレオンを数ゲームやった後、6ニムトもどきをやってみたり。スペードに1〜13、ハートに14〜26、ダイヤに27〜39、クラブに40〜52を割り当てて、牛の数は獲得したカード1枚につき1頭とした。例えば絵札は牛5頭とすれば、もう少し6ニムトらしくなったと思う。
今回は1泊2日としたことで計画に余裕があり、那須岳を構成する茶臼岳・三本槍岳・朝日岳に余裕を持って登頂できた。また、高低差500m程度の楽なルートであり、しかも暴風と雨・残雪の影響でペースを大幅に落とした。従って足への負荷はほとんどなく、筋肉痛すら発生しなかった。また、持参した防寒具はほぼすべて装備していたため、結果的にザックの中身は非常に軽くなった。特に2日目はホット紅茶とウィダー2個が減ったため、さらに軽量に。この点でも楽な山歩きだった。
膝の痛みに関しては、今回も登山・下山を通して全く出なかった。念のため杖とアイシングセットは持参したが、使うことはなかった。毎日欠かさず継続した膝トレーニングの効果が出ていると言えるだろう。
次に食料について。今回役立ったのは、山用水筒に入れたホット紅茶である。何しろ猛烈に寒かったため、固形物は体が受け付けないし、ウィダーや粉末Pocari等も摂取する気にすらなれない。唯一役立ったのがこのホット紅茶であった。ウィダーについてはしばらく体温で温めてから無理矢理流し込んでみたが、冷えている時には温かいものを摂取すべきだ。
とにかく寒すぎた! 行軍中はそんなに寒くないが、休憩中の極寒は想像を絶する。キナバル装備+α(速乾Tシャツ、ヒートテック、夏山用シャツ、ダウン、夏山用雨具、毛糸帽子)でもやや不足だった。キリマンジャロで装備した冬用ゴアカッパや冬用手袋は大袈裟すぎると判断して持参しなかったが、それに準じる装備(例:秋山用シャツ、秋山用雨具、秋山用手袋or防水手袋)はあっても良かったかと。
そして、それ以上に重要なのは替え靴下! 歩いている間はあまり冷えなかったが、旅館内では猛烈に冷えた。一晩抱いて寝ても乾くことはなかった。普段から雨天を想定して、替え靴下を準備しておくべきだ。もちろん、雨や汗で濡れないように対策を施した上でだ。
また、今回は峰の茶屋避難小屋から先でルートミスをやらかした。下山道がはっきり見えていたとはいえ、ロープウェイ山頂駅に行くべきところで山麓駅に向かってしまった。ミスに気付いた時には既に1km程度進んでおり、戻る気にもなれなかった。しかもこれは全員で一致して得た結論ではなく、先行するゆぞとれえるを深く考えずに追いかけた結果である。ルートを変更するならその前の休憩ポイントで話し合いがあってしかるべきだ。
次の山行は来年になりそうだ。今年は計5山登頂(雲取山、キナバル山、後方羊蹄山、剱岳、那須岳)か〜。来年もこのくらいは行きたいなぁ。
那須岳登山の感想
最後に今回の収穫と反省をまとめて記しておく。●今回の収穫
日本百名山にまた一つ、参加者全員で登頂した。秘湯:三斗小屋温泉も素晴らしかった! ついでに宇都宮餃子も美味かった!●今回の反省
危険度が高いものから挙げていく。●総括と今後
那須岳は比較的アクセスしやすいため、今後再び登る機会もあるだろう。次回は晴れて暖かい時期に登ってみたい。
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