一方、7/1-2は特に予定が無かった。Trail Adventoursの開催ツアー一覧にも、一泊二日の山行でガチそうなものは無かったためだ。Mt. Pulagは人気のツアーのようで、毎週開催されていたが、再び同じルートを登る気は無かった。そこで日帰り登山にも対象を拡大したところ、難易度設定が5/9とそこそこガチそうなMt. Makiling Traverseを見出した。
同時に、料金の支払方法についても交渉を試みた。同じフィリピンに居る(しかもMakatiオフィスまで徒歩圏内の場所に居る)のに、Paypalとクレジットカード会社を通して無駄な手数料と為替手数料を二重取りされるのはあり得ない。結局、当日に現金で決済することとなった。
Trail Adventoursのサイトには、幾つか注意点が記載されていた。固定ロープが設置されていたり、蛭が多数出現したりといった内容だ。だが、所詮は日帰りなので、難易度は高が知れている。実際、難易度は5/9であり、Mt. Pulagより一段階高いものの、Mt. Purgatory縦走より一段階低い。従って、登山としてはそんなにキツくないと考えた。むしろ、登山口に到達するまでの方が危険と判断した。そこで、Google mapで登山道の概要の予習を試みるなどして、情報収集に努めた。なお、日帰りツアーなので事前説明会は開催されないとのことだった。
登山の準備としては日本の夏山、但し1,000m級(高尾山〜陣馬山縦走等)を想定した。気温は30度近いとの予測の元、水2リットルを準備した。もちろん防寒着は持たない。上半身は速乾性Tシャツ1枚で充分だ。但し、藪漕ぎや蛭への対策として、下半身にはランニングタイツを装備することとした。
さらに、荷物を最小限とすることにも気を配った。下山時の膝へのダメージを可能な限り軽減するためだ。但し、海外の山を登るにあたり、パスポートと地球の歩き方は携帯せざるを得なかった。このくらいの重量増加は止むを得ない。
むしろ、登山口に辿り着くまでのスリ・引ったくり対策に気を配った。基本的に、余分な物(特に高価そうに見える物)は持たない。現金もほとんど持たない。かつ、財布とそれ以外に分散させて持つ。
最後に、登山関連の概算費用は以下の通り。キリマンジャロと比較すればだいぶ安上がりだ。
Mt. Makiling登山の動機
6/17は出張先の合宿で潰れた。6/24-26にはBakun Trio(難易度の異なる3つの2,000m峰に3日で登る)ツアーに再び申し込んでいたが、またしても最少挙行人数に満たないため中止となった。しかも6/16から始まった喉痛と微熱が完治していなかったため、仮に開催されたとしても参加を諦めざるを得なかったかもしれない。このような状況で、せっかくの土日になかなか登山に行けず、残念な思いは募るばかりだった。なお、Bakun Trio中止に伴い、7/8-9のMt. Ugoに振り替えた。
Mt. Makiling登山の準備
最大の懸念事項は、集合時間と場所だった。未明3:00に、Ortigasという、宿泊先から約8km離れた場所を指定されている。この時間にMRTはもちろん動いていないし、徒歩ではややキツい(安全面と健康面=排ガスの両面で)。そこで、もっと近くで拾ってもらえないかと交渉したところ、「3:30にBuendia駅付近のgas station」と変更された。これなら宿泊先から約2kmだ。集合時間も遅くなったため、2時間近く余分に睡眠を取ることができる。
項目 | 金額 | コメント |
---|---|---|
航空券 | - | 出張のため会社負担 |
宿 | - | 同上 |
登山ツアー | 1800ペソ | 日帰りで、移動距離も短いため安い |
交通費 | - | 集合場所への往復は徒歩 |
水 | - | 宿泊先が毎日500ml×4本補充してくれる |
食糧 | 計50ペソ | バナナ4本 |
ディナー | 155ペソ | Lagunaで |
合計 | 2005ペソ |
※1ペソ≒2.25円。
集合場所までは約25分で到着した。ガイドのJonalynにメールを打っていたら電話が鳴る。これからOrtigasを出発するとのことだった。結局4:00まで30分待たされ、またしても大量の排ガスを吸わされた。なお、3:30〜4:00という狂った時間にも関わらず、gas station付近のバス停では大型バスへの乗り降りが頻繁に行われていた。Manilaでは、日中は暑いため活動に不向きである。このため、バスによる移動は早朝から始まると聞いたことがある。だが、この時間帯は早朝というよりも明らかに夜だ。
4:00になり、ようやくJonalynと合流できた。何と、1カ月前のMt. PulagのサブガイドだったJonaと同一人物だった。フィリピンではニックネームが浸透しているため、本名でのやり取りが入ると分からなくなることがある。
2時間ほどかけて、南方のLaguna地方まで移動する。この道のりは社用車でもよく移動するため、何となく覚えていた。Mt. MakilingやMt. Batulaoも、車窓から見かけたことがあると思う。両方とも登山の対象としては想定していなかったのだが。
2017.7.1(Sat)Mt. Makiling登頂
●登山口到着まで
まずは集合場所のBuendiaまで歩く。宿泊先からAyala駅まで約1km、その先は高速道路脇を約800mだ。この高速道路脇の道で大量の排ガスを吸わされた。健康に悪すぎる。仮にOrtigasまで徒歩で行くとしたら、高速道路脇の区間が約7kmに増える。死ねというのか。なお、高速道路から1ブロック離れたところにBuendia方面に通じる道もある。だが、少し覗いてみたところ遠回りになる方向に曲がっていたため、諦めた。深夜に、地理に不案内な状況で迷いながら行くのは精神衛生上悪いし、万一本当に迷ったら集合時間に間に合わなくなる。●登り:予定と実績
予定 | 実績 | 高度 | 場所 | 備考 |
---|---|---|---|---|
6:00 | 6:30 | 登山口発 | ||
10:00 | Melkas ridge | 写真撮影など | ||
11:00 | Peak 3 | 昼食? | ||
12:00 | 13:25 | 1090m | Peak 2(山頂) | 写真撮影など |
※予定時間はツアーによるもの。
※実績時間は手元の時計によるもの(概算)。
※高度はGoogle map目視による概算。
登山開始前に簡単に自己紹介。Jonaは「今回は日本と中国からのメンバーが居るため英語を話します」と前置きしていた。つまり、フィリピン人だけならタガログ語でガイドするということか。中国人はAdamと名乗った。筆者よりも頭一つ背が高く、出身地の上海周辺を中心に豊富な登山経験があるらしい。筆者は隣のフィリピン人が「この山はchallengingだと聞いたため参加を決めた」と言っているのを聞いて、「俺もそうだ」と言っておいた。なお、今回はMt. Pulagほどではないが女性比率がそこそこ高く、男女比はほぼ1:1だった。ガチ山に挑むだけあって、引き締まったいいカラダをしている女性が多い。
集合写真を撮影し、いざ出発!
Mt. Makilingを西側から眺めた図 |
しばらくの間はなだらかな登りが続く。ツアー登山なので、基本的に一番遅い人に合わせてゆっくり進む。筆者も完全に散歩気分だった。約40分後の最初の大休憩で、先程の自己紹介で隣だったフィリピン人と話す。Lioと名乗った彼は近い将来キリマンジャロ登山を、いずれはSeven Summits登頂を計画しているらしい。「今回はガチ山だと聞いていたが今のところは退屈だ」と言っていた。筆者も全く同じ感想だった。が、この山の本当のお楽しみはこれからだった。
なだらかな登り | 最初の休憩ポイント |
なお、Mt. Makilingは字面だけ見ると「まきりん(ぐ)」だが、筆者のエセ英語耳では何度聴いても「まっきんりー」(Mt. Mckinley/Denali, 6190m)にしか聴こえなかった。LioとSeven Summitsの話をした時に、何度も誤解した。
次の1時間は一転して急登となった。参加者の表情から次第に余裕が失われていく様子が良く分かった。気温は30度近くあり、湿度も高い。
急登の始まり! | ガンガン登る! 手前の男性がAdam |
加えて、藪漕ぎも多い。数度目の休憩では全員が汗だくになっていた。筆者が大して汗もかかずに平然としているのを見て、特に女性陣が驚いていた。いや筆者にとっては余裕ありまくりなペースなんですが。それに、吸汗速乾性の装備で全身を固めているため、それなりに汗はかいているのに外見上はそうでもないように見える。一方、速乾性でない服を着ている女性もいて、中身が透けて見えて目の保養に(以下略
藪漕ぎ。この程度は序の口 | 道が見えねえ! |
AdamとLioもすこぶる元気だ。小休憩のたびに少しずつ前方グループに移動し、とうとう先導していたJonaをも追い抜いてしまった。彼らのペースはちょうど良かったため、筆者もついていく。ある程度進んで後方からの声が全く聞こえなくなったあたりでしばし休憩し、互いの登山経験や仕事について話す。Adamは最近日本で「初任給40万円」が話題となっているHuaweiの人らしい。Lioは米国滞在を経て、今は人生の充電期間とのこと。
急登と藪の先には絶景が! | 引き続き、次のピークを目指す |
後方グループが追いついたところでさらに休憩。ツアー登山なので、先行しすぎても結局休憩時間ばかりが増える。よって、ある程度登ってからは先頭グループを維持するのをやめて、ランダムに位置を変えてみる。
時々ある道標が頼り | 固定ロープ登場! |
次の1時間はいよいよガチ山の本領発揮だ。固定ロープが設置してある難所が次々と現れた。筆者も最初のうちはロープを使わずに登るなど余裕ぶっこいていた。
次第に急峻になる岩場 | これはまだ足場がある方 |
固定ロープでは、必然的に渋滞が発生する。前の人がロープを使い終えてから登る必要があるためだ。長いロープや難所になるほど、渋滞は長くなる。何度目かの固定ロープ渋滞では、後ろから追いついてきた来た女性に「この先にロープがある。見たところなかなかchallengingだ」と話しかけてみる。すると「challengingなのは楽しみ」との返答が。ガチ山に挑むだけあって、体力的にも精神的にもタフである。一方で、いざ順番が迫ってくると「登る手順をよく見せてね」との依頼も。なるべく無理な(足を限界まで伸ばす、腕力のみで登る、等)登り方はせず、セオリー通りに足場を確保しつつ脚で全身を引き上げるようにした。
滑りやすいがロープ無しでも突破可能 | 次第に長くなるロープ |
Peak3付近に1箇所だけ足場を見出せない難所があった。濡れていて滑りやすい大岩を、腕力だけで登りきらなくてはならない。結局、最後の約50cmは地元ガイドに引っ張り上げられることに。何たる失態! だが、その難所を突破した先に開けていたのはこの日一番の絶景だった。ちなみに、山頂は背丈よりも高い木に囲まれていて眺望がほとんど無い。
また、登りではアップダウンの繰り返しだった。即ち、小ピークまで登った後に一旦下り、登り返して次第に高度を上げていくパターンが多かった。
ここの上部が最大の難関 | 登りきれば絶景が! |
加えて、藪もだんだんえげつなくなってきた。常夏の国の低山だけあって、草木の繁茂の勢いが半端無い。頭上遥か上まで草が茂っていたり、登山道がほとんど消えかかっていたり、足元が見えなかったり、倒木が道を塞いでいたり! 倒木については、迂回できなければ上か下を通るしかない。長身のAdamは長い手足を存分に活かして上から突破することが多かった。筆者は下をくぐり抜けることが多く、意外と消耗した。
熱帯植物が繁茂しまくり | 背丈を優に超える藪 |
高温多湿で藪漕ぎとなれば、必然的について回るのが蛭である。日本でも丹沢山系に蛭が生息するというし、日光女峰山では実際に吸血の被害に遭った。だが、フィリピンの低山の蛭の数は桁違いだ。筆者に飛びかかってきた蛭は少なくとも5匹。すべて早期に発見し、弾き飛ばして事無きを得た。
あの辺がPeak3かな | ロープを駆使してガチ登る |
また、ツアー登山なのでbody(buddy?) check systemなるものを採用していた。要するに、隣の人や前の人の後方に蛭を見つけたらお互いに教え合い、協力して駆除するというシステムだ。今回は特定の女性に蛭が集中する傾向があった。化粧に吸い寄せられたのだろうか。彼女がしょっちゅう悲鳴を上げていたのはこのためだ。筆者も何度かは彼女のストックに付着した蛭を弾き飛ばす役を仰せつかった。蛭はつまんで振り払っても意味が無い。奴のしがみつく力や噛みつく力は結構強く、その程度では落ちない。それに、下手に潰すのも気持ち悪いし非効率だ。片手に蛭を載せておいて、もう一方の手の指で人の居ない方向に勢い良く弾き飛ばすのが一番効率的だった。
藪はますますえげつなく | 蛭は至る所に潜んでいるらしい |
渋滞や悪路の影響もあり、予定よりも1時間ほど遅れていた。当初は山頂で昼食の予定だったが、その遥か手前で11:30に昼食休憩となった。筆者は持参したバナナ4本のうち2本をここで食べておいた。フィリピン人たちは様々な昼食を用意していた。ファストフードと思しきハンバーガーあり、手製のパンケーキあり、野菜と果物の詰め合わせあり、ゆで卵あり。携帯食糧としてゼリーや塩気のあるスナック菓子、チョコレートを持ち込んでいる人もいた。筆者は日本ではウィダーを持参するのが常だ。だが、Manilaのスーパーマーケットでは見当たらなかったため、行動食も昼食もバナナにした。他にもバナナを朝食で食べている人を見かけた。
昼食時に会話したフィリピン人の1人が、何と筆者の勤務する会社の現地法人に1年前まで勤めていたとのこと。しかも先月一緒に仕事をした人を「よく知っている」とのこと。世の中は意外と狭い。
山頂までの最後の登りは、全体の中ほどで、フィリピン人女性、筆者、Lioの3人パーティとなった。彼女はLilyと名乗った(rとlを聴き間違えた可能性あり)。当初はLilyが先行グループから遅れたのが原因だった。しかし後方グループとも距離がある。ここで彼女に先行したところで、後で休憩時間が長くなるだけだ。それよりも一緒に登った方が良さそうだと思った。Lioも同様に考えていたらしい。また、それまでの行程で、何度か写真を撮ってもらった縁もあった。登山時に筆者の余裕っぷりを見て「You are the strongest guy! 私が動けなくなったら背負って降りてね」とも言っていた縁もあった。
足元に要注意 | 今度は上によじ登るしかない |
何度か難所を突破するうちに、今度はLioも遅れ始めた。他の女性のザックを抱えていたためだ。漢である。Lilyと筆者に変に気を遣ってくれたということは無さそうだ。だが、結果的に、Lilyと二人きりの区間がそれなりに発生した。肌の露出度が高いタンクトップを身にまとっているのに加えて、難所の連続によりいい汗をかいて輝いている(ようにも見える)。おっさんにとっては眼福この上ない。……が、特に何かあるはずもなく、さらに難所を突破し続けて山頂に!
Mt. Makiling登頂! | と言っても見通しは効かない |
山頂と言っても、Mt. Makilingを示す標識は無い。しかも周囲は高さ2mほどの木や草に囲まれ、眺望が無い。単なる広場だ。登山道の番号を示す「30」という標識と、登るのに手頃な木があるだけだ。先に到着していた男性ガイド(名前を伺うのを失念)が「この木に登れるよ!」と言っているのをみて早速Lilyが登っていた。筆者もその後に登ってみる。確かに木の上からだといい感じの眺望だった。
山頂の木に登ってみる | 樹上から撮影。タイミング悪く雲が |
山頂で1時間ほど休憩。集合写真を撮影後、下山を開始した。
予定 | 実績 | 高度 | 場所 | 備考 |
---|---|---|---|---|
13:00 | 14:00? | 1090m | 山頂発 | |
16:00 | 16:15 | Aguila Base Camp | ||
17:00 | 17:55 | UP Los Banos | Wash up等 |
※予定時間はツアーによるもの。
※実績時間は手元の時計によるもの(概算)。
※高度はGoogle map目視による概算。
下山開始。まずはハシゴ登場 | 滑りやすいので慎重に |
Lioは下山途中まで他の女性のザックを抱えていた。筆者も気付いていたため、ロープを使う難所では一時的にそのザックを持つなどした。途中からは男性ガイドが「それは俺の仕事だ」と言い、ザック2つを抱えて最後まで下山した。彼はマラソン選手のようなすらりとした体形に加えて、全身がバネになっているような強靭な筋肉の持ち主で、特に下山時には他の人が苦戦していた段差をピョンピョン跳ねて駆け下りていた。ザック2つどころか、いざという時にはLilyを背負って下山することも可能だろう。
山ぶどう。喰えるのかな | 急な下りは終わったらしい |
下山ではアップダウンが少なく、ほぼ一貫して下りだった。その結果、1時間半も降りると道がなだらかになった。藪漕ぎをすることもなくなった。男性ガイドに「もう急な下りはないの?」と聞いてみると、「このルートにはもう無い」とのこと。Lilyに合わせてペースを落とし、かつ無理な動きをせずに猫のように下っていたこともあり、やや物足りない。
一方、蛭の襲撃は相変わらずLilyに集中した。「It seems that leeches love you.」と話しかけてみると「They are coming to my private zone. I'll be pregnant.」と来たもんだ。private zoneに手を出すわけにもいかないため、彼女が蛭をストックに移動させ、その後に筆者がつまんで弾き飛ばす場面が何度かあった。
下山道から岩がほぼなくなり、Lilyのペースも回復した。ついには先行グループに追いついた。先行グループは休憩しながら進んでいたと思われるのに対し、Lilyは休憩せずに歩き通したためだろう。16:15、終着点の一つであるAguila Base Campに到着した。
Aguila Base Campに到着 | この先はバイクタクシーも利用可能 |
ここから先はバイクタクシーで下ることもできる。既に十数台のバイクがスタンバイしていた。女性数名がこのバイクタクシーで下山していった。AdamやLio、筆者は体力が有り余っており、もちろん歩く気満々である。Jonaによれば徒歩1時間半とのことだった。それなら1時間で歩いてやる! という気持ちでいた。Lilyも当初は歩きたかったようだが、途中で気が変わったらしく、バイクタクシーで下山していった。
バイクタクシーで下山できるだけあって、道は舗装路に変わった。バイクどころか車も通行可能な二車線道路だ。筆者は当初はAdamやLioと一緒に下山していた。だが、空模様が怪しくなってきたこともあり、途中からは200mほど先行していたフィリピン人カップルに追いつき、空気を読まずに割り込んでみる。彼らは英語とタガログ語を混ぜて会話していたこともあり、無理に会話に割り込むことはしなかった。英単語だけ聴き取った限りでは、フルマラソンに向けた準備の話をしているようだった。空模様はいよいよ怪しくなり、途中からは小雨となった。気温は30度近くあるため、ザックカバーだけかけて、雨具は装備せずに進む。フィリピン人カップルはなぜか雨が降り始める前から(Base Camp出発時点で)雨具も装備していた。
舗装路をひたすら下山 | 下山完了! |
17:55、登山口であるUP Los Banosに到着した。結局Base Campから1時間10分でクリア。まぁこんなもんだろう。ここでWash upできるとのことだったが、筆者は手と顔を洗った後、登山靴と靴下を装備解除して足を乾燥させるだけにしておいた。他の部分は速乾性装備で固めているため、さほど不快感は無い。また、荷物を軽量化するため、Tシャツ以外に着替えを持参していなかったという理由もある。フィリピン人たちは(特に女性は)車の中に着替えを用意していた。筆者も念のため、Tシャツだけ替えておいた。ちなみにSingapore Marathon完走シャツである。
夕飯のAsian Combo |
帰路はAyala駅付近で降ろしてもらう。LioもAyala駅付近(但し筆者の滞在先とは駅を挟んで反対側)に住んでいるとのことなので、一緒に降りることにした。Buendiaで降りるよりも10分以上短縮できる。そして22時前後なので、一部の商業施設がまだ開いており、駅からの移動も途中までは涼しい。各商業施設の入り口の荷物チェックが煩わしいが、それさえ気にしなければ外を歩くよりもマシだ。結局22:05頃には滞在先に帰還した。衣類一式を洗濯しつつシャワーを浴び、睡眠!
Manilaの宿泊先と職場を往復しているだけでは決して味わえない体験を積み重ねたのも収穫だった。今回のパーティメンバーと知り合えたのも収穫だ。
登山としては前評判通りのガチさを存分に堪能できた。但し、ツアーなのでペースがゆっくりで、特に登りの序盤と下りの後半は余裕がありすぎた。この辺はむしろハイキングという趣だった。雨に降られたのが最後の車道のみという点も幸いだった。急な登りや下りの時に降られると苦戦は免れない。
筋肉痛は下山直後から始まり、翌日まで継続した。また、ロープを掴んで登ったため、普段使わない上腕部の筋肉にも筋肉痛が来た。一方、基本的にゆっくり行動したこともあり、脚のトラブルはほぼ無かった(両すねに軽い擦り傷を負ったのと、虫刺されのみ)。古傷の右膝の痛みも再発しなかった。全体的に負荷が低かったためだろう。また、毎日実行している膝トレーニングの効果であろう。但し、次回に向けて一層の膝トレーニングを積むとともに、登山・下山自体のトレーニングを継続する必要があるだろう。
日焼けとそれによる消耗は、日焼け止めでほぼ完全に防ぎ通した。そもそも曇っている時間や樹林帯の中にいる時間が長く、直射日光を浴びたのはわずかな時間だった。
但し、Google mapでの地図の読み込みが甘かった点は反省すべきだ。Mt. Makilingは確認できたものの、登山道と下山道は確認できなかった。従って、事前に地図上で演習を行うことができなかった。本来、事前に不明点を質問すべきだろう。だが、帰国が迫っていて業務も多忙であり、充分な時間を確保できなかった。
Mt. Makiling登山の感想
最後に今回の収穫と反省をまとめて記しておく。●今回の収穫
結果的に、無事に登頂し、下山した。帰国後、ルソン島の山々に登るチャンスはなかなか来ないと思うので、今回モノにできて本当に良かった。●今回の反省
今回もガイド付きのツアー登山であり、自分でルートファインディングして登りきるという体験はできなかった。もっとも、フィリピンのほとんどの山では自然保護等を理由としてガイド雇用と登山者登録を必須としており、この制約は常について回る。●総括と今後
筆者にとって、海外の登山はこれで七度目だ。せっかくフィリピンに長期滞在しているのだから、戒厳令下のミンダナオ島は避けるとしても、他のルソン島の山にもどんどん登りたい。
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