日付 | 概要 |
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2012.11.9(Fri) | 剣山登山 |
2012.11.10(Sat) | 石鎚山登山 |
2012.11.11(Sun) | 観光後、東京へ帰還 |
次に候補としたのは、国内の遠征登山である。北海道の山には既に降雪があるため、南方の山を対象とした。日本百名山の最南端である宮之浦岳には2010年10月に登頂済みであったため、次に南にある霧島山(1700m)と開聞岳(924m)を考えた。ところが、2011年に噴火した新燃岳が近くにあり、入山が禁止されていた。さらに、九州の百名山はむなが制覇済みとのこと。それなら四国はどうかということで、剣山と石鎚山が候補に浮上した。
日本百名山のうち四国にあるのは、剣山と石鎚山だけである。別々に行くよりは一緒に登ってしまうのが効率的だ。加えて、石鎚山は四国最高峰(1982m)であり、独特の鎖場を楽しめる。また、登山の前後では讃岐うどんや温泉など、観光も楽しめそうだ。
剣山・石鎚山登山の動機
タイパー登山部では、年に一度は遠征登山を企画している。当初、2012年は玉山(台湾、3952m)を予定していた。ところが、4月にツアー会社に問い合わせたところ、主要な山小屋が工事中であり、抽選の通過率が低いとの情報を得た。しかもその抽選は登山の30日前に実施されるため、格安航空券も利用できない。
早めの昼食はたらいうどん! |
剣山付近では山道が狭く、すれ違いが物凄く大変だ。大型車どうしがすれ違っている光景に出くわしたこともあった。筆者は結局最後まで運転しなかったが、もし運転していたら数回はぶつけたことだろう。
予定 | 実績 | 場所 |
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12:20 | 12:45 | 見ノ越駐車場 |
12:40 | 12:49 | 剣神社 |
− | 13:33 | 西島駅 |
13:50 | − | 大剣神社 |
14:05 | 14:21 | 剣山山頂 |
※西島駅以降は最短ルートを登ったため、大剣神社は通過せず。
剣山登山口にて(撮影:ぽかたん) | 登山道とリフトの交差点。余裕で飛び乗れそう |
剣山にはリフトという文明の利器が存在するが、当然使わずに歩いて登る。途中で登山道とリフトが交差する場所があった。余裕で飛び乗れそうだ。とはいえ、登山道自体も傾斜が少なく、大変歩きやすい。むなは高尾山の方がキツいと言っていた。
傾斜の緩い、まったりした登山道 | 西島駅までもう少し。山頂付近の山小屋が見える |
しばらく登り、リフト終点の西島駅付近で、自衛隊らしき方々の演習に遭遇した。若くて体格の良い隊員たちが、見るからに重そうな装備を担ぎ、よろめきながら必死の表情で歩いていった。一体あの装備はどれほど重いのだろう。
西島駅から先は3つの主要なルートがある。また、鎖場を含む危険度の高いルートもあるらしい。だが、宿の夕食(19時)に余裕を持って間に合わせたかったため、我々は最短ルートを選択した。このため傾斜は一番キツくなるはずだが、はっきり言って楽勝だった。山頂付近の山小屋の建物がすぐ近くに見えるし、傾斜も大したことないし。休憩時に、Jinさんに正拳突きを教えてもらう余裕すらあった。DQ6で大活躍する技だが、自分で繰り出すのは難しく、なかなかサマにならなかった。
相変わらずまったりした登山道 | 山頂付近は木道が整備されている |
1時間半ほどで、山頂手前の山小屋に到着した。ここから先は大変歩きやすい木道が整備されており、それを辿って行けば容易に山頂に到達できる。但し山頂付近は風が強く、防風・防寒対策は必須だ。
剣山山頂に到着(撮影:ぽかたん) | 景色はなかなか! |
14:21に山頂着。見ノ越駐車場から休憩込みでチンタラ登って1時間36分。やはり高尾山レベルだな。その代わり、1955m峰だけあって景色はなかなか!
強風で冷えるため、写真撮影だけ済ませてさくさくっと頂上ヒュッテへ。屋外の温度計は2度を指していた。11月だけあって、普通に寒い。そんな時にはあめゆ(甘くて熱い飲み物)が冷えた体に良く合う。カップラーメンにもソソられたが、胃腸の調子が悪かったのでやめておいた。
風で冷えた体にはあめゆが良く合う | 金ちゃんヌードル(撮影:ぽかたん) |
予定 | 実績 | 場所 |
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14:25 | 14:58 | 頂上ヒュッテ発 |
15:00 | − | 次郎笈 |
15:55 | 15:16 | 西島駅 |
16:20 | 15:47 | 剣神社 |
16:30 | 15:50 | 見ノ越駐車場 |
頂上ヒュッテからの眺望 | まったりした道をサクサク下山 |
宿は湯の里 小町温泉しこくや。5人で20畳という贅沢な部屋に、美食と温泉! まずは速攻で温泉へ。登山後の温泉は言うまでもなく最高の贅沢だ。汗を流し、疲労(と言ってもそんなに蓄積していないが)を癒し、のんびりと露天風呂を満喫する。夕食はステーキに天ぷら、どびん蒸し、煮魚に刺身、その他もろもろ。あまりに量が多く、ステーキの半分をJinさんに食べてもらっても残りを完食できなかった。この時点では運動量が不足していたためと考えていたが、実は違った。胃のムカムカ感とそれに伴う食欲不振が、この時点で微妙にあったような気がする。
余裕たっぷり20畳! | 夕食も豪勢に。この後も料理がどんどん出てきた |
夕食後にカードゲームを少し。Neu(ノイ)とマンマミーヤに興じる。前者ではむなが驚異的な負けっぷりを発揮していた。後者はルールを忘れていたこともあり、説明書を読みつつJinさんとまっどさんにレクチャーしながらプレイした。結果はJinさんが7枚焼きに成功という驚異的な勝ちっぷりだった。筆者は果たして4枚だったか5枚だったか。
マンマミーヤをまったりと | ロープウェイと登山道(西条市観光情報より引用) |
翌日の登山計画も少し。石鎚山にはロープウェイがあるが、これを使うのって反則じゃね? ロープウェイを除く登りは高々700m程度。これではつまんねー。剣山が正直言って物足りなかったこともあり、ガチで登りたかった。地図を見るとコースタイム2時間15分とあるため、大したことはなさそうだ。だが、石鎚神社成就社まで高低差1000mというガチ過ぎる登りに萎えるメンバーが多く、結局筆者だけ別行動を取ることに。翌日の朝が早いため、21:00頃には既に睡眠モードに入っていた。
……この高尾山並みに楽勝な登山(というよりもハイキング)は、ほんの序章に過ぎなかった。翌日、四国の山をナメた報いを、嫌というほど思い知らされることとなる。
予定 | 実績 | 場所 |
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7:20 | 7:36 | 山麓下谷駅 |
− | 7:42 | 西之川 |
9:30 | − | 山頂駅 |
9:50 | 9:32 | 石鎚神社成就社 |
− | 11:31 | 一の鎖 |
11:20 | 11:55 | 二の鎖 |
− | 12:26 | 山頂 |
12:20 | 12:47 | 天狗岳 |
登山届ポストと登山道らしき道 | 先に進むとこの通り |
車道まで戻った後、車道沿いにさらに進むと、今度は「←成就 土小屋 登山口」の看板があり、正解ルートと思われる登山道を見出した。この登山道は石鎚古道と呼ばれているらしい。当面の目標は「成就社」だ。ロープウェイの終着駅からしばらく登ったところにある。
こちらが正解ルート |
登山開始から12分。急登が続く | 登山開始から20分。平地が無い |
とはいえ、成就社まで登れば売店なり自販機なりがあって、やや値は張るもののPocariを購入できるに違いない。仮に無くても、水と行動食(ブドウ糖飴)、昼食兼非常食(ウィダー4個)で補給は可能だ。よって、迷うことなく登山を再開した。
登山開始から58分。ひたすら登る | 登山開始から65分。まだまだ登る |
しかも先が見えない。「あと○○km」「あと△△時間」という表示も無い。初めて見たのは成就社付近だった。この「先が見えない」というのが一番疲れる。コースタイム通りに歩けているのか、それとも遅れているのかが見えないので。次回は高度計を持参すべきか。何度か心が折れかけたが、今更下山はあり得ない。時々「←成就 西之川→」という看板や、登山道を示す目印があるため、道に迷っているということはない。最悪の場合、成就社まで到達後にロープウェイで即下山するというエスケープルートもある。従って、そのまま登り続ける。
登山開始から79分。なんか草ボウボウ | 登山開始から83分。今度は笹ボウボウ |
だが、人の話す声が結構近くから聞こえてきた。さらに9:18、ロープウェイのアナウンスらしき音声も聞こえた! ゴールは近い! その後も人の話す声は継続的に聞こえたため、そのまま突き進む。傾斜もだいぶ緩くなってきている。そして!
登山開始から96分。ついにキタ! | 登山開始から103分。成就社に到着! |
そこから先の道は、それまでとは段違いに楽な道だった。サクサク進み、9:32に成就社に到着した。2時間切った! 登山口で迷った分を除けば、実質1時間43分だ。肉体的にも精神的にも疲労困憊状態だったため、約6分とやや長めの休憩を取る。荷物を下ろし、付近の自販機でスポーツ飲料を探すが、3台連続でアクエリアスに売切ランプが。少し移動して4台目! Pocari500ml250円キターーー!!! 当然購入。ごくごくごくごくごく。
おっとこうしちゃいられねえ。トランシーバーでロープウェイ組との連絡を試みるが、またしても失敗した。こうなったら、一刻も早く追いつくしかない。
成就社から先はしばらく下り。微妙に紅葉も残る | 成就社から1.1kmを16分で通過 |
幸いなことに、成就社からしばらくの間は下りだったため、一気にペースアップした。カップルを2組ほど華麗に抜き去りつつ、最初の1.1kmを16分で通過した。もはや平地を歩くのと大して変わらない速度だ。1.1kmの看板から先は登りが再開された。木製の階段が延々と続く。しばらく進むと、前方に小集団が見えた。彼(女)らを抜かなければ未来は無い。しかーし成就社までの登りでかなり消耗していたため、しばらくの間は小集団にひっついて行く。焦って抜いて、後でへばって追いつかれるのは一番みっともないし。
……ってあれ!? なんか見たことのある黒や緑の服に、迷彩ズボン、橙色の帽子! 10:00、まさかのロープウェイ組捕捉! あり得ない。山頂の遥か手前、半分も行かないところで追いついてしまった。
ロープウェイ組に追いついた! | 木製階段を含む急登が続く |
ロープウェイ組はぽかたんを先頭に、実に心地良い速度で登っていく。しばらくの間はこのスローペースを満喫する。なんて楽な登山なんだ♪ ところが!
「試しの鎖」で小渋滞 | 独特の鎖を使う。腕力も必要 |
石鎚山の鎖場には、今まで登ってきた山にあったものとは一味違う鎖が設置されていた。サイズがやたらと大きいし、途中に足場補助のためのトライアングルもある。足場が見つけられず(あっても濡れていて滑りやすく)、腕の力で強引に登らざるを得ないところも多い。必然的に、上腕に少しずつ確実に疲労が蓄積していく。
試しの鎖を登りきると、絶景が広がっていた。しばし休憩。但しそこからほぼ同じ高さを再び降りなくてはならない。最初から巻き道を行けば30分はショートカットできたが、やはり石鎚山名物らしい鎖は体験しておかないとねえ。
「試しの鎖」を登りきった地点からの眺望 | 再び鎖場を降りる |
試しの鎖からしばらく進むと、夜明峠というなだらかな場所に出た。さらに進んで後ろを振り返ると、薄雲のかかった幻想的な光景が広がっていた。
幻想的な光景 |
「一の鎖」「二の鎖」は、再び降りて登り返す必要がなく、短時間で高度を稼げる。小渋滞ができていたのは相変わらずだが。
一の鎖 | 二の鎖 |
山頂付近は鉄製の階段が延々と続く。本当はラスボスの三の鎖があるはずだが、近づいてみると「工事中」「通行止」の看板が。
鉄製の階段がどこまでも続く | 三の鎖は2年後まで工事中らしい |
山頂付近には残雪もあった。道理で寒いわけだ。バテバテ状態のまま、石段をひーこらひーこらと登って、何とか山頂に到着!
山頂付近の残雪 | これを登りきると山頂 |
真の最高点(天狗岳;1982m)は少し離れた別の場所にある。岩下り(鎖場あり)に始まって、左側に200mほど垂直に切れ落ちたところを歩くなど、スリル満点だ。この辺では継続的な登りが無いため、体力的にはむしろ楽だった。こういう油断が滑落事故を招くのかもしれないが。巻き道を通るよりも、ピーク付近を通った方が安定するところもある。もちろん常にそれが正解ルートとは限らない。天狗岳到着後、全員で記念撮影しておいた。
左側は200mほど垂直に切れ落ちている | 石鎚山最高点(天狗岳)にて(撮影:ぽかたん) |
少し戻り、山頂の神社周辺で昼食とした。筆者は胃腸の調子が悪いこともあり、ウィダー1個で済ませた。
予定 | 実績 | 場所 |
---|---|---|
12:50 | 13:27 | 山頂(神社)発 |
− | − | 二の鎖 |
14:50 | 15:06 | 石鎚神社成就社 |
15:10 | 15:30 | 山頂駅 |
16:50 | 15:49 | 山麓下谷駅 |
※山麓下谷駅まで徒歩で下山予定だったが、疲労のためロープウェイを使用。
黄葉が美しいが、眺める余裕も無し | ロープウェイ山頂駅付近にて(撮影:ぽかたん) |
当初は登山口まで石鎚古道を歩いて下る気満々だったが、消耗していたのと、日没(17:00頃)が近づいていたのとで、止むを得ずロープウェイを使用した。紅葉・黄葉を眺めつつ約8分で下山するのは極めて楽だったが、物足りなさも残った。
下山完了後は力尽き、後部座席で爆睡。疲労の中、運転してくれているぽかたんに申し訳ないと思いつつも。宿に着いた直後、再びトイレに駆け込む。今日四度目の凄まじい下痢が。しかも、一発では治まらず、少し時間を置いて二発目、三発目が来た。当然、完全に水状態だ。粉末Pocariで水分と電解質を補給しておいた。
温泉は最高に気持ち良い。今回のメインタスクをやり終えた充実感もあるし。夕食は昨日よりは喰えた。下痢で腐った物質を出しきったためか、胃のムカムカ感が消滅していたためだ。
夕食は刺身に鯛しゃぶ、煮魚 |
夕食前後にカードゲームを少し。今日はマンマミーヤとナポレオンだ。マンマミーヤでは6枚焼けた。昨日のJinさんには及ばないが、自己ベストだ。7枚以上焼くには、運も必要か。ナポレオンでは5戦して全敗。裏Jの使い方が甘くて負けるなど、初歩的なミスが目立つ。まだコツを掴んでいないっぽい。
Player | Round | Total | ||||
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1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
まっど | -1 | 1 | -1 | -1 | 1 | -1 |
むなすぃ | 1 | -2 | 1 | -1 | 2 | 1 |
Pocari | 1 | 1 | -1 | 2 | -1 | 2 |
Jinpei | 1 | 1 | 2 | 1 | -1 | 4 |
dqmaniac | -2 | -1 | -1 | -1 | -1 | -6 |
その後、明日の予定を立てる。天気予報では雨が降るらしいので、それを念頭に。温泉は既に満喫したため、道後温泉はないかなー。ちなみに温泉というよりもむしろ歓楽街らしいし。鳴門の渦潮には満潮時に行くと良いらしいが、時間が合わないという結論に。残ったのはかずら橋と金刀比羅石段登り。そして讃岐うどん! これで安心したためか、20:30頃、力尽きて爆睡。ぽかたんがどらぐ結婚式の動画を披露していたような……(夢うつつでよく覚えていない)
朝食を堪能 |
チェックアウトを済ませ、まずはかずら橋へ。実は20年前に高校の修学旅行で来たことがある。が、記憶から抜け落ちている。みんなで渡れば怖くないため、印象に残らなかった。実際、見た目は大して怖そうな橋ではない。「かずら」でできているとは思えないほど頑丈だ。3年ごとに架け替えているらしいし。渡り始めると、踏み板の間隔が微妙に靴のサイズと合っていて、踏み場所を間違えるとハマりそうだ。また、時々橋が揺れるため、途中で方向転換すると結構怖い。それでも、一定の速度でまっすぐ進んでいる分には恐怖心を感じない。下を見ると怖いらしいが、昨日の石鎚神社頂上社〜天狗岳の区間に比べればねえ。一方、下を流れる川や、周囲の紅葉・黄葉を含めた景色が実に美しい。橋の中ほどと、渡りきったところで記念撮影しておいた。
20年ぶりのかずら橋。紅葉・黄葉が美しい | かずら橋から下を見るとこんな感じ |
昼食は「めんくい」で「ぶっかけうどん」を。なかなかうまい! 昨日のうどんよりもコシがある。スープも店ごとに特色がある。
「めんくい」のぶっかけうどん |
続いて金刀比羅宮の石段登りへ。駐車場が高い位置にあったため、最初の100段くらいはショートカットしたらしい。ほとんどの人は正面の階段を登りきったところ(本宮;ここまで785段)で満足し、そこから下っていく。だがタイパー登山部としては当然、さらに進んで奥社を目指す。ここまで登って1368段だ。標高は421mということもあり、登山に比べれば大したことはない。実はここにも20年前、高校の修学旅行で来たことがある。当時は有志5名で徹夜明けで奥社まで登り、御来光を見た記憶がある。今回は奥社まで登ってみると外国人比率が異様に高かった。米国、豪州、瑞西、独逸、などなど。どうやらどこかのツアーらしく、英語を話せる日本人ガイドが案内していた。
足に心地良い、金刀比羅宮の石段 | 金刀比羅宮の奥社にて(撮影:ぽかたん) |
さくさく下り、今度はソフトクリーム屋へ。しかーし筆者は胃腸の調子が悪いため断念せざるを得なかった。無念! 次、今日二軒目のうどん屋「山下うどん」へ。今度は肉うどんにしてみる。これもなかなか!
ソフトクリーム(撮影:ぽかたん) | 「山下うどん」の肉うどん |
この時点で16:45。そろそろこの旅も終了だ。高速バスで帰宅するJinさんとは、高松駅でお別れ。その後ガスステーションを探してさまようなどいろいろあって、定刻の18:30ギリギリにレンタカーを返却した。
高松空港の手荷物検査場にPocari入りペットボトルをうっかり持ち込んだら、ペットボトル検査機に回された。特に問題なくそのまま持ち込めたが、海外なら間違いなく破棄させられるところだ。実際、歯磨き粉の170mlチューブさえ破棄させられたことがある。空港内では精算したり雑談したり。
標高差1000mを2時間弱で登るという荒事をやったというのに、太ももに筋肉痛が全く来なかった。当日も翌日も翌々日もだ。結局、両すねの筋肉が微妙に張っただけだった。負荷が不足だったのか、それとも普段のトレーニングが奏功しているのか、あるいは両方か。むしろ、鎖場で酷使した上腕に筋肉痛が来た。
標高差1000mを2時間弱で登ったのは、オーバーペースではあったが、自信になった。モンブランをはじめとするヨーロッパアルプスでは、登頂成功率を上げるためにも速度が重要と聞く。標準速度は1時間に標高差300〜400mという目安を見たことがある。もちろん雪山装備で雪山を歩く時に、今回と同じ速度を維持できるわけではない。継続的な鍛錬が必要だろう。
また、今回も膝の痛みは全く出なかった。これは、下山の後半部分をロープウェイでカットしたためだろう。徒歩で山麓下谷駅まで下山した場合、果たして膝の痛みが出たかどうかは分からない。問題は、石鎚古道の途中で膝の痛みが出た場合、その先の下山が地獄と化すことだ。膝の鍛錬も、今後継続する必要があるだろう。
高山病に関しては、高度が2000mに満たなかったこともあり、全く発生しなかった。
下山時にロープウェイを使用せざるを得なかったのは残念だ。次回石鎚山に登ることがあれば、是非とも石鎚古道を徒歩で下りたい。
剣山・石鎚山登山の感想
最後に今回の収穫をまとめて記しておく。●今回の収穫
四国の百名山2つに登頂した。これで日本百名山のうち12山を制覇した。まだまだ先は長いが、少しずつ確実に登頂していきたい。●今回の反省
今回の石鎚山のように無計画かつ無謀な登山を強行すると、何度も試練に襲われるという良い教訓を得た。最低限、体調を整え、高度計やコンパスを持ち、予備Pocariをザックの中に確保しておくべきだろう。また、パーティが分かれた場合の連絡手段も確立しておきたい。●総括と今後
2012年は6回の山行を計画し、うち4回参加した。だが、富士山では日本最高点を逃し、奥穂高岳にも登れなかった。また、参加できなかったうち1回は急性扁桃炎、1回に荒天によるものだ。2013年には参加率および登頂成功率を高めつつ、新たな領域として岩山や雪山への挑戦も検討したい。そうすれば、今までは山以外でのトレーニングに充てていた晩秋から早春にかけての時期に、登山を楽しめるだろう。さらに将来は、モンブランをはじめとするヨーロッパアルプスや、キリマンジャロに続く5000m〜6000m峰への挑戦も、視野に入れていきたい。