第4回 多摩川 季節のめぐみマラソン

二度目のフルマラソン完走の準備として、10月からハーフマラソンを月1回走ることにした。果たして今度はフルマラソンを歩かずに完走できるのか!? 5時間切りに届くのか!?


2016.11.12(Sat)

第4回 多摩川 季節のめぐみマラソンのハーフマラソンの部に参戦してきた。

●結果

距離ラップ1kmあたり時間合計時間
6.097km28:194:3928:19
11.097km23:204:4051:39
16.097km23:454:451:15:24
21.097km23:544:471:39:18

※合計時間、ラップタイムは完走証から抜粋。
※いずれも、ゴール地点の時計を目視確認した値と一致した。
※1周目は6.097km。2周目以降は5kmのコースを3周する。折り返し点が異なる。
※男子完走332名中42位。

●きっかけ

2017年3月までに二度目のフルマラソンを走るという目標を設定し、3/19の板橋Cityマラソンへのエントリーを済ませた。準備として、最低でも月1回はハーフマラソンを走ることとした。今回の「第4回多摩川 季節のめぐみマラソン」への参加は、その一環である。昨年と同様、自宅周辺の周回コースで21.1km走るのでは甘えが発生するため、今回も公的な大会に申し込み、自分を追い込むことにした。

また、実はハーフマラソンへの挑戦自体、今回が二度目である。今までの20km以上のレースへの参加状況は以下の通り。

日付大会名距離タイム
2015.9.26第18回皇居Funラン20km1時間52分21秒
2015.10.31第7回小松菜マラソン20km1時間37分34秒
2015.12.6シンガポールマラソン42.195km5時間19分21秒
2016.10.15さわやか健康マラソン@夢の島21.097km1時間41分52秒

●準備

気温が下がり、ランニングに適した季節になった。暑さで消耗してペースダウンすることがなくなったのが大きい。実際、ここ1カ月の練習では6.7kmのコースをキロ4分20秒を切って走れるようになった(1kmあたり約5秒短縮した)。これがハーフにも効いてくると思われた。

●当日

まず最寄駅まで約2.1km歩く。ついでに、スタート地点である多摩川河川敷までは武蔵中原駅から約2.0km歩いた。準備運動としては十分すぎる。むしろここで疲労するのはもったいないと感じ、速度を落とした。

会場に到着後、速攻で受付を済ませる。今回は開会式からの参加を断念し、ハーフマラソン開始の30分前に到着するように調整した。早く着きすぎてもやることが無いし、体も冷えてしまうためだ。ハーフマラソンでは6位以内に入賞すれば表彰対象になるとの説明が聞こえてきた気もするが、現時点の実力では到底届かないため関係ない。また、今回も荷物預かり所が用意されていた。着替えを済ませ、ランに不要な荷物をザックに詰めて預かってもらう。

準備運動を済ませた時点でまだスタートまで30分もあったため、ランニング用品を販売しているテントを見て回る。シューズ、ウェア、帽子、手袋、サングラス、ゼッケン留め具など、およそランナーが必要としている装備の大半はあったのではなかろうか。ついでに給水も済ませておく。なお、給水場はスタート地点の裏側にあった。レース中には各周回の3km地点と4.5km地点にあり、スポーツドリンクと水が用意されている。3km地点で給水するつもりは無かったため、スタート前に給水できたのは助かった。

スタート時の気温は約15度、晴れ。日向にいるとぽかぽかと温かく、気持ち良い。そして今回も日焼け止めを塗っていなかったため、少し焼けた。登山よりはマシだが。また、河川敷ということもあり、風がやや強く吹くこともあった。風向きはほぼ西風で、川上から川下に向かって吹いていた。即ち、各周回の前半では向かい風、後半では追い風となった。

スタート直前に、今回走る道の大半が未舗装で、しかも水溜りが多数存在するというアナウンスがあった。未舗装路には慣れていないのでマイナスに働くかと思い、記録狙いは諦めざるを得ないかなとまで考えた。だが、結果的にそのようなことはなかった。確かに一部の水溜りや砂地など、走りにくいところは存在した。だが、トータルで見れば、足への負担は舗装路よりも少なかった。

ハーフマラソンの部は9:55にまとめてスタートする。出走者は男性340名、女性86名、計426名もいたらしい! これだけ人数がいると、スタート時の混乱を避けるため、持ちタイム別に並ぶ場所が設定されていた。筆者は「1時間30分〜2時間」のグループのうち、やや前の方に陣取った。最初の3kmは準備運動を兼ねてキロ4分50秒ペースでジョギングと割り切っていた。ダッシュしたい人には先に行ってもらった方が良い。但し、後ろに下がり過ぎると後で前の人たちを抜かねばならず、面倒なので程々に。また、スタート直前に靴紐を結び直すようアドバイスがあった。蝶結びを二重にして、余った紐を既に結ばれている部分に挟むというものだ。これで、スタート時や折り返し時に周囲の人に靴紐を引っ掛けられたたり、後半に紐が解けたりするリスクが激減するらしい。

この大会では1周目に6.097km走った後、5kmのコースを3周する。1周目の折り返し地点が約550m遠くに設定されている。これでちょうどハーフマラソンの距離になる。

●スタート後 1周目

1周目は適切なペースメーカーを見出すことに専念する。実際には混雑しているため、抑えていかざるを得なかった。お陰で呼吸は苦しくないし、体も軽い。この段階では、複数のペースメーカーを設定した。すぐ前を走る人と、10mくらい前を走る人だ。スタートダッシュした人は徐々にペースが落ちてくるため、自然なコースをキープしつつ抜き去る。速い人に抜かれた時は、すぐについていかず、10mくらい先行してもらって様子を見る。ペースメーカーになりそうなら距離を保ってついていくし、そうでなければ差が開くに任せる。このようにして何度かペースメーカーを変更した。

最初の折り返し点(約3km)を過ぎるとだいぶ集団がバラけてきた。ここまでは手元の時計でキロ4分40秒ペースを維持しており、想定よりも少し速い。もっとも、ハーフで1時間40分を切るにはキロ4分45秒ペースの維持が必須である(実際には約13秒不足なので、どこかで稼ぐ必要がある)。終盤の落ち込みを考慮すると、無理のない範囲でキロ5秒ずつ貯金を作っておくくらいでちょうど良い。

4km過ぎで最初の給水を済ませた。立ち止まることもなく、若干減速しつつスポーツドリンクを飲み干して先に進む。もう少し我慢しても良かったが、給水は喉が渇く前に、かつできるうちにしておいた方が良いと判断した。そして、給水中に2人に抜かれた。うち1人はその後20km過ぎまでペースメーカーとさせて頂いた。一定のリズムを正確に刻んでおり、ついていくと疲労が少なく快適だ。舗装路でややペースダウンする傾向があったものの、その他の点では理想的なペースメーカーだった。また、もう1人はその後速度が落ちたタイミングで抜き返させて頂いた。さらに、20mほど前方に、ピンクのシャツの男性がほぼ同じペースで走っていた。振り返れば、こちらの方をペースメーカーとする手もあったと思う。その人には3周目後半以降で引き離され、最終的には全く見えなくなった。

ゴール地点に大変見やすいデジタル時計が用意されている。これでスプリットタイムや目標との差分を確認しながら走る。1周目終了時点で28分19秒だった。ここまではキロ4分45秒弱のペースを刻んでおり、狙い通りだ。なお、「28分19秒÷6.097km」という計算は即座にできなかったため、「4分45秒×6km=28分30秒。これに対し11秒+αの余裕がある」という計算をした。後で再計算したところ、この+αは約28秒もあったわけで、やや過大な見積もりだった。とはいえ、後半の落ち込みを考慮すればこのくらいの余裕があっても良い。それに、キロ4分45秒としても前回のハーフマラソンと比較すれば1kmあたり5秒速く刻んでいる。やや負荷は高いと感じたが、無理をしているわけではない。ここ1カ月の練習の成果で、あるいは暑さで消耗しなくなったため、ハーフの巡航速度も速くなったということか。但し、15kmを過ぎても同じペースを維持できるか、そして膝の痛みが発生しないかという懸念は常に存在した。このため、無理にペースを上げずに抑えていく。

●2周目

スタート地点に戻り、折り返す。今度は向かい風となった。ペースメーカー氏の約2m後ろについて走っていても、斜め前からの風はまともに受けるため、少しずつ確実に消耗していった。一方、ペースメーカー氏は向かい風をものともせず、キロ4分40秒ペースを正確に刻んでいる。1km毎に表示されている看板の前を通過するたびに、時計を確認していた。これは筆者も同様だ。

9km過ぎで二度目の給水を済ませた。ペースメーカー氏も給水していたが、ロスを最小限に抑えていた。従って一時的に10m程の差がついたが、その後じりじりと追い上げて2mの差に戻した。とはいえ、まだこの段階では抜き去る気になれなかった。無理にペースを上げると、後半の落ち込みが大きくなって結局抜かれる可能性が高いためだ。この段階では自分のペースを保つことのみを心掛けた。但し、序盤にオーバーペースに陥った人がちらほらと落ちてくるので、遠慮なく先行させて頂いた。

2周目終了時点で51分39秒だった。この5kmはちょうどキロ4分40秒ペースを刻んでいる。残り10kmをキロ4分50秒で刻めば、1時間40分を切れる。但し、キロ5分00秒まで落ちると前回並みの記録となる。果たしてスタミナが持つか、まだまだ予断を許さない。

●3周目

ペースメーカー氏との二人旅がひたすら続いた。他に同じペースで走っている人はほとんど見かけなくなった。但し参加者が多いため、周回遅れの人を抜き去る機会が急増した。また、フルリレー(10:00スタート)や30km(10:15スタート)等の別の種目に参加した人のうちトップ層が、時々ものすごいスピードで抜き去っていった。

14km過ぎに三度目の給水を済ませた。ここでも2周目と同様、ペースメーカー氏には一時的に10m程引き離された。だが、コップに2/3ほど入っているスポーツドリンクを無理に全部飲み干さず、申し訳ないと思いつつも1/3ほど捨てさせて頂くことで、減速している時間を短縮した。

一方、14kmを過ぎたあたりで徐々に太ももの張りが気になり始めた。それに伴い、少しずつペースが落ち始めた。ペースメーカー氏の速度も同様に低下していた。だが、まだ抜き返す気にはなれず、実際その余力も乏しかった。従って、「まだ抜くな! まだ早い!」と自分に言い聞かせながら走っていた。基本的には腕振りと姿勢を保ちつつ、徐々に歩幅を小さくして足の回転を保つ方針で。

なお、昨年の10月の20km走(第7回小松菜マラソン)では、「3周目終了時点で走るのをやめてゴール地点で寝転がりたい」という甘美な誘惑を抑えるのに苦労していた。ところが、今回はそのようなことは全く無かった。体力的にも精神的にもにまだ少しだけ余裕を残していたのに加えて、ハーフ1時間40分切りという明確な目標が手の届くところにあったためだと思う。それに、少しずつ練習の強度を上げ、鍛錬を続けてきた成果も少しは出ているのだろう。

3周目終了時点で1時間15分24秒だった。つまりキロ4分45秒弱のペースを16km過ぎまで保っている。だが、この5kmはキロ4分45秒まで落ちた。1時間40分という目標には、最後の5kmをキロ5分00秒ペースだとまだ間に合わない。前回はラスト3kmで足が止まったため、1時間40分切りに向けてまだ安心はできない。

なお、3周目終了直前にトップの人がゴールした。1周5kmのコースで周回遅れにされるとは! まだまだ上には上がいる。ハーフ1時間15分ということは、キロ3分45秒程度か。そもそも巡航速度に差がありすぎるのに加えて、相手のラストスパートという要因もあったのだろう。まさに、あっという間の出来事だった。ま、こちらは自分のペースを守るのみ。なお、2位以下の人に対しては周回遅れにならなかった。

●4周目

最後の周であり、特に最後の折り返し点までの2.5kmが精神的に一番キツかった。折り返し点に、というよりもその500m手前の橋に、行けども行けども辿り着かない。このような思考に陥ると良いことは一つも無いため、一歩一歩着実にペースを刻むことだけを心掛けた。なお、心配していた膝の痛みは4周目に入っても出なかった。前回よりもペースが上がっているため、3周目後半に入った時点で警戒していたのだが。

肉体的にもキツかった。太ももの張りはいよいよ激しくなり、足が前に進まない。手元の時計では、1km毎のラップタイムが確実に低下していた。キロ4分55秒まで落ちたこともあった。そのような時に支えになったのは、やはりペースメーカー氏の存在だ。筆者と同様にじりじりとペースが落ちているものの、1時間40分をギリギリ切れそうなタイムで正確に、確実に刻んでいる。離されないようについていけば何とかなると思えたのは大きかった。

19km過ぎに最後の給水を済ませた。ここでも2周目や3周目と同様、ペースメーカー氏には一時的に10m程引き離された。とはいえ、残り2kmもあるのだから、給水をしないという選択肢は無かった。実際、コップ1/3程の給水でも明らかに元気が出て、その後1km弱でペースメーカー氏との差を2m程にまで縮めた。

20km過ぎ、ついにペースメーカー氏に別れを告げた。キロ5分近いペースまで低下し、かつラストスパートを開始した別の人に抜かれたためだ。筆者は少しだけ余力を残していたため、最後の1kmはその余力を使い果たすイメージで徐々にペースを上げた。予想通り、ペースメーカー氏は筆者に抜き返されてもついて来なかった。このスパートは正直苦しかった。ペースとしてはキロ4分35秒程度と大したことはない。だが、20km走った後の全力走は明らかにキツい。それでも、少しずつ大きく見えてくるゴールゲートの存在と、周回遅れの人をごぼう抜きにする楽しさ、そして何よりも1時間40分を絶対に切ってやるという強い意思に助けられ、ペースを落とすことなく一歩一歩確実に進んでいった。

ゴールまであと少しというところで、ゴール地点の時計に「1:39:10」と表示されているのが見えた。予想を上回る記録に興奮しつつ、力尽きて減速しつつゴール。タイムは1時間39分18秒だった。ラスト5kmはキロ4分47秒まで低下した。ラスト1kmのスパートを除けば、キロ4分52秒まで低下していた。なお、ゴール時点では余力がほとんど残っていなかった。フルマラソンに向けて、一抹の不安を感じた

●ゴール後

まずは完走証を受け取る。従来参加してきた20kmもしくはハーフの大会と違って、ゴールタイムだけでなくラップタイム、スプリットタイム、順位まで記載されていた。なお、こちらではリアルタイムでこれらの結果を確認できたらしい! なお、後日掲載されたリザルトはこちら

その後整理運動を済ませ、荷物を受け取った後、給水しておく。結局スポーツドリンク3杯を飲み干した。走っている間はなかなか充分に給水できず、明らかに水分は不足していたということか。ハーフだから最後まで持ったのであって、フルではもっと余裕を持った給水が必要となるだろう。

なお、参加賞はゴール後に受付ハガキを提示することで配布された。果物と野菜から選べたため、今回は果物にしておいた。柿2個、みかん5個、りんご1個だった。

そして帰宅の途についた。会場から武蔵中原駅までの約2.0kmと、自宅最寄駅から自宅までの約2.1kmの徒歩の間に、左膝に違和感があった。他に太ももやふくらはぎも張りまくっていたが、歩行に支障をきたすほどではなかった。なお、シャワーは省略して帰宅した。速乾性の登山用シャツと登山用下着、ランニング用短パンを装備していたため、不快感は全く無し。

寝ている間の左膝の痛みは前回ほどではなく、膝トレーニングの成果が出ているのかと勘違いした。ところが、翌朝に左膝が痛み始めた。翌朝の練習(というよりも疲労除去を目的としたジョグ)では、キロ5分40秒ペースを5.3km保つのがやっとだった。翌々日にようやく痛みが消えた。一方、太ももの筋肉痛は翌々日がピークだった。これは、左膝が痛む状況で、やや無理なフォームで5.3km走ったのが原因かもしれない。但し、昨年よく痛めていたハムストリングスや、前回は筋肉痛となったふくらはぎは全く問題無し。

●今後に向けた改善点

1km4分45秒弱のペースを16kmにわたり維持し、その後も耐えて、結果としてハーフマラソンで1時間40分を切ったことは少しだけ自信になった。仮にフルマラソンでこのペースを保てばサブ3.5達成となる。だが、現在の実力では到底無理であることもはっきりと分かった。ここから先は距離を踏む練習をしないとどうにもならない。そこまでの時間とモチベーションを確保できない以上、たまにハーフを走る程度が身の丈に合った楽しみ方だろう。

とはいえ、2017年3月に二度目のフルマラソン完走という目標を設定した以上、30km、40kmとステップアップしていく必要がある。それに、ハーフマラソンでも次の目標として1時間35分を切りたい。そのためには、キロ4分30秒を維持する必要があり、練習にも工夫が必要だ。確かに、いきなり負荷や距離を増すのは故障の原因となるので避けるべきだ。だが、今後筋力が備わってくるに従って徐々に練習をレベルアップさせる必要があるだろう。


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