多言語タイピングにおける日本語の強化

2025.11.16(Sun)
文責:dqmaniac



monkeytypeの日本語
用語の定義
必要な設定
日本語の100wpm達成に必要な実測速度
各種目の攻略法
   hiragana:JISかな /  hiragana:QWERTY /  katakana:JISかな /  katakana:QWERTY /  romaji:QWERTY
筆者の記録
筆者のmonkeytype日本語参戦史
参考:monkeytype用に配列作成
参考文献
各種資料


●monkeytypeの日本語

※本稿では、取り急ぎ
monkeytypeの日本語についてのみ記述する。TypeRacerやKlavogonki、Intersteno等の日本語については、将来調査・攻略を進めてから追記するかもしれない。

monkeytypeの画面上部の設定アイコン(右から二番目)をクリックすると、各種設定画面に遷移する。[behavior]グループの[language]から、言語を選択可能である。日本語(Japanese)に関しては、hiragana, katakana, romaji, romaji 1kの4種目を選択できる。漢字は出現しない。

筆者はすべて100wpmノーミスを達成済みである。hiraganaとkatakanaでは、JISかな・QWERTYの両方で達成済みである。


●用語の定義

※wpm: words per minute、即ちワード/分。打鍵速度を表現する一般的な指標の一つ。英字タイピングでは一般的に1ワードを5文字(5 characters)と数えるため、1wpm=5cpm、100wpm=500cpmとなる。日本語ではひらがな/カタカナ1文字につき1〜2打鍵必要で、漢字ではさらに増える。このため、1wpm=5kpm、100wpm=500kpmという表現の方が適切である。

※cpm: characters per minute、即ち文字/分。打鍵速度を表現する一般的な指標の一つ。

※kpm: keystrokes per minute、即ち打鍵/分。打鍵速度を表現する一般的な指標の一つ。


●必要な設定

※TEA_Rさんに教えて頂きました。ありがとうございます!

図1のようにIMEのSPACEキーの設定を空白に変更する。JISかなで入力する場合、Shift+SPACEキーの設定も空白に設定した方が良い。例えば[ちゃ]の直後のスペース打鍵時までShiftが残った場合に、この設定が効いてくる。

【図1:IMEのSPACEキーの設定】

※まず、古いIMEを使用するように設定する。例えば
FMVサポートのQ&Aが参考になる。
※次に、[Microsoft IME の設定]を起動する。Windows11の場合、右下のIMEツールバーの[ツール]を左クリック→[プロパティ]。
※次に、図1の設定画面を出す。Windows11の場合、[詳細設定]ボタン→[全般]タブ→[編集操作]メニュー→[変更]ボタン。
※次に、[SPACE]-[入力文字のみ]の設定を[全変換]から[空白]に変更する。
※JISかなで打つ場合、同様にして[Shift+SPACE]-[入力文字のみ]の設定を[全変換]から[空白]に変更する。
※普段の文章執筆時に支障が出るので、monkeytypeでの練習を終了したら元に戻す。

上記の設定をしない場合、以下の問題が発生する。

・目的とするかなを表示させた後にいちいち確定させる(Enterキーを叩く)手間が追加され、速度が低下する
・仕様上ノーミスが不可能。
 →QWERTYではあ行等を除き、入力中の文字列がすべてミス判定になる。例えば[か]を[ka]と打つと、[k]がミス判定。
 →JISかなでは濁音と半濁音が確実にミス判定になる。例えば[が]を打つと、[か]がミス判定。

また、ブラウザは2023年5月時点でFirefoxのみ対応していた。その後、2025年1月時点でChromeやEdgeでも対応可能となっている。他のブラウザでは動作確認していない。上記の設定をしても問題を回避できない場合、参考に述べる通り、専用の配列を作成するしかない。


●日本語の100wpm達成に必要な実質速度

romajiでは、例えば30秒に250文字打ち切れば500文字/分となり、100wpm達成である。その難易度は低い。しかしhiragana, katakanaではそうはならない。2打鍵必要な文字が存在するためだ。具体的には表1の通り。

【表1:100wpm達成に必要な実質速度の試算値】

種目入力方法速度(kpm)タイプウェル換算(参考)筆者のノーミス記録
hiraganaJISかな542.05430.993秒(XX後半)663.455kpm / 25.322秒(ZH前半)
QWERTY782.76030.661秒(XX後半)773.520kpm / 31.027秒(XX前半)
katakanaJISかな563.66529.805秒(ZJ前半)557.991kpm / 30.108秒(XX後半)
QWERTY767.08131.287秒(XX前半)740.078kpm / 32.429秒(XS後半)
romajiQWERTY500.00048.000秒(XH後半)773.520kpm / 31.027秒(XX前半)

※hiragana, romajiはタイプウェル国語K/Rの基本常用語、katakanaはカタカナ語と比較した。
※Excelの試算結果は各種資料の通り。

筆者の場合、hiraganaではJISかなで余裕を持って100wpmに届く。超頑張れば120wpmにも届く。katakanaでもJISかなで頑張れば110wpmに届く。但し難易度は高い。頻出する[ー]が打ち辛い上、濁音・半濁音の増加に伴い打鍵数も増えるためだ。そしてQWERTYではやや厳しい。katakanaでは[ー]が多いため、QWERTYの打鍵数はやや減る。しかし[ー]は打ち辛いため、実質的な難易度は大して変わらない。

実際の達成時の速度は表2の通り。表1で試算した速度と比較して、JISかなでは高め、QWERTYでは低めである。特に、hiraganaをQWERTYで打った場合の速度が表1と比較して約15wpmも低い。これは、1打鍵の文字(母音、[じょ]等)が大量に出るという単語運に恵まれたためだ。

【表2:100wpm達成時の実質速度の実測値】

種目入力方法速度(kpm)タイプウェル換算(参考)monkeytypeの記録
hiraganaJISかな545.81830.779秒(XX後半)100.77wpm(252文字/30.01秒)
QWERTY767.74431.260秒(XX前半)100.78wpm(252文字/30.01秒)
katakanaJISかな563.81229.797秒(ZJ前半)100.37wpm(251文字/30.01秒)
QWERTY765.74531.342秒(XX前半)101.18wpm(253文字/30.01秒)
romajiQWERTY669.77735.821秒(XA前半)133.95wpm(335文字/30.01秒)
romaji 1kQWERTY659.78036.364秒(XB後半)131.96wpm(330文字/30.01秒)

◆解析方法

GitHubの単語リストによれば、hiraganaには554語の単語が含まれる。すべての単語が1回ずつ出現し、単語の後には必ずSpaceがあると仮定してモデルを作成する。すると総文字数は2152となる。次にこの2152文字を出現文字別に分類し、JISかな・QWERTYに分けて打鍵数を集計する。JISかなでは濁音と半濁音が2打鍵、他が1打鍵だ。Shiftを使う文字も1打鍵と数えることに注意する。QWERTYではあ行と[っ]が1打鍵。[ゃ][ゅ][ょ]はじゃ行の時のみ0打鍵で他は1打鍵。[ん]は末尾の時のみ2打鍵で他は1打鍵となる。

katakanaは全343語、総文字数1610となる。hiraganaとの主な違いは、ファ行、[ティ][ディ][ー]が追加され、しかも[ー]の出現率が高いことだ。


●各種目の攻略法

◆hiragana/katakana共通

最後の文字の打鍵途中に終了した場合、ミス判定となる。例えばJISかなで[うさぎ]の[うさき]まで打ち、濁点が間に合わなかった場合、[き]がミス判定だ。QWERTYでは[うさg]まで打ち、[i]が間に合わなかった場合、[g]がミス判定だ。正確性100%を目指す場合、この現象は障害となる。目標に対して充分な打鍵速度がある場合は、例えば残り1秒でキリの良いところまで打ってから打鍵を停止すれば良い。しかし打鍵速度がギリギリの場合は最後まで攻めるしかなく、正確性100%を達成できるか否かは運次第となる。

なお、60秒ノーミスを目指すならそれに特化した訓練が新たに必要だ。例えば打鍵トレーナーや実タイ等を用いた60秒設定の練習を併用するのが効果的だ。他のタイピングソフトやタイピングサイトでは、ノーミスタッチ(特に30秒以上)の訓練が明らかに不足する。タイプウェル国語Kやe-typingかなは高々30秒程度で打ち終わる。WeatherTypingでは溜め打ちができるし、そもそも100%を目指さない。TODでは30秒以上連続で打つ場面が無い(ワード間に休憩がある)。毎パソWeb大会やInterstenoではミスタッチを前提に打つ。

◆hiragana:JISかな

濁音、半濁音、拗音(ゃゅょを含む音)、促音(っ)、[を]が出れば出るほど不利になる。いずれも1文字とカウントされるのに、濁音・半濁音では2打鍵、[ゃ][ゅ][ょ][っ][を]はShiftを含め2打鍵必要となるためだ。

特に[〜ゅう][〜ょう]を含む単語では大苦戦した。[〜ゅぅ][〜ょぅ]ミスが高確率で発生するためだ。30秒で記録を狙う前に、60秒で少し速度を落として安定性を訓練する方が良いかもしれない。

※hiraganaで100wpmを突破した時の状況は以下の通り。2023/4/30の日記から抜粋する(一部改変)。

100.77wpm(100%)。中盤[こぜに]で93wpm, [むし]で78wpm, [たべる]で91wpm, [ひだり くき]で69wpm, 99wpm, [うさぎ まぐろ]で71wpm, 67wpm、終盤[かんごふ]で88wpm, [しょうぼうし]で75wpmと遅れた。直後の超難所[いっしゅうかん じょうぎ]を101wpm, 101wpmとやや加速しつつ突破した。さらに[はだ]で89wpm、最後の難関[かんご(し)]で64wpmと遅れた。というよりも、[ご]を突破した時点で打つのをやめた。これは大正解。打っていたらまたミス爆死しただろう。

※hiraganaで110wpmを突破した時の状況は以下の通り。2023/5/28の日記から抜粋する(一部改変)。

113.16wpm(100%)。Shiftのミスにハマらなければこんなものか。タイプウェル国語Kの基本常用語並みにやり込めば、計算上は120wpmまで行ける。序盤[わたくし]で94wpm, [くちびる]で108wpm、中盤[そうだ]で103wpm, [ぎゅうにゅう]で96wpm, [ほね]で106pm, [こうじょう]で85wpm, [げつようび]で82wpm、終盤[および]で98wpm, [けむり びょうき りょうり]で107wpm, 84wpm, 106wpm、最後[れ(る)]で72wpmと失速した。

※hiraganaで120wpmを突破した時の状況は以下の通り。2023/7/14の日記から抜粋する(一部改変)。

121.16wpm(100%)。ようやく120wpmを突破した。ここに至るまでに110wpm以上ノーミスを13回出した。そもそも120wpm前後を維持しつつノーミスで30秒耐えるのが難しく、なかなか打ち切れなかった。[ゅぅ][ょぅ]ミスは言うに及ばず、運指範囲の広さに伴うカスリを防ぐのは非常に難しい。タイプウェル国語K換算では25.075秒相当だ。2010/6/27にタイプウェル国語Kで出したノーミス記録(25.322秒)を上回った。

序盤3語目から[ちかい あう はく きのう ふえる つき かたまる あの]で平均236wpmと一気に稼いだ。このくらいの単語運は必要だ。一方、序盤[くちびる]で84wpm, [おどる]で90wpm, [こぜに]で118wpm, [げり]で94wpm、中盤[なげる]で88wpm, [はば っけ]で118wpm, 103wpm, [ばけもの]で108wpm, [くちびる]で77wpm, [そふ]で108wpm, [げつようび]で106wpm、終盤[おどろく]で116wpm, [で]で118wpm, [むずかしい]で107wpm, [きっぷ]で91wpm, [けいざい (改行)りょうり]で110wpm, 117wpmと失速した。6行目に9秒、8行目に1秒残した。最後は8行目突入直後[りょうり]まで、Shiftミス覚悟で攻めきった。120wpmを突破するには、リスクを取って攻める必要がある。

※hiragana60秒で100wpmを突破した時の状況は以下の通り。2024/5/12の日記から抜粋する(一部改変)。

101.60wpm(100%)。取り急ぎ100wpmに到達した。現在の実力では、30秒以降ノーミスを維持できるか否かは運のみに依存する。速度の更新を狙うよりも、まずは100wpm程度を保って60秒耐える訓練をすべきか。

15秒まで105、24秒まで103wpm、その後は101〜102wpmを維持した。前半で1行5秒ペースから約3秒遅れた。100wpmに到達できるとは思わず、無駄なびびりから解放されたのが大きかった。序盤[ひざ]で67wpm, [とぶ]で101wpm, [むずかしい]で74wpm, [どれ]で109wpm, [すずめ]で84wpm、中盤[ちゅうごくご]で89wpm, [ぼく]で99wpm, [しょうじょ]で103wpm, [むずかしい]で74wpm, [こうじょう]で104wpm, [おどろく あめ]で105wpm, 96wpm, [どろ けむり]で105wpm, 103wpm、終盤[えいご]で84wpm, [がいこくご ちち]で97wpm, 99wpm, [すごい]で62wpm, [げつようび]で96wpm, [ちゅうごくご だって うさぎ]で90wpm, 89wpm, 76wpm, [ほね]で108wpm, [なげる]で84wpmと失速した。一方、開幕[いく う みせ さつ まだ そなわる からい はち たいふう]で平均189wpm, [かね かいしゃ むし いね きのこ ようふく わし]で平均172wpm、中盤[ち へいし たい あお ねる かたまる くろ]で平均189wpm, [こちら まん おとうと くるま しろ いたい より]で平均170wpm、終盤[うつくしい ごはん うる むし げんかん はなす にほんご むこう]で平均170wpmと加速を決めた。

※日本語hiragana60秒で110wpmを突破した時の状況は以下の通り。2024/6/1の日記から抜粋する(一部改変)。

110.39wpm(100%)。一発目で決めた。35秒まで115wpm、48秒まで113wpm、57秒まで112wpmを維持した。序盤[まつ]で81wpm, [あたま]で110wpm, [へび]で83wpm, [あじ]で96wpm, [うさぎ]で115wpm, [ちょうせんご]で115wpm, [じどう]で101wpm, [ちゅうごくご]で107wpm, [まぐろ]で88wpm, [ぐらい]で109wpm、中盤[おちゃ]で104wpm, [おじ じょうぎ]で109wpm, 85wpm, [ちょうこく くうこう かこ]で117wpm, 105wpm, 117wpm, [つち]で68wpm, [きょう]で109wpm, [ゆび]で115wpm, [あそぶ]で89wpm, [むっつ]で118wpm, [いっしゅうかん じょうぎ]で82wpm, 82wpm、終盤[かようび ほね]で89wpm, 107wpm, [めがね]で108wpm, [げつようび]で108wpm, [くちびる]で71wpm, [なぐる じてんしゃ]で108wpm, 106wpm, [ぶた]で113wpm, [きって]で119wpm, [そふ]で98wpm, [そで]で104wpm, [むずかしい]で86wpm、最後[たこやき かんじ]で114wpm, 67wpmと失速した。直後[ふたつ]には手が出ず。一方、開幕[つき こぜに ひふ せる ごはん あまい]で平均193wpm、1語置いて[でかける まん から ない たおれる]で平均183wpm, [めい くもり てんき にっき うし うえ みせ あに けっこん]で平均177wpm、中盤[でんしゃ さんすう ようふく おじ かしら]で平均155wpm、終盤[しんぶん そこ しんぞう いる あめ すわる およぐ あらわれる かいぎ]で平均177wpm, [と まずい やさい ふうとう みち ち ぎん]で平均169wpmと加速を決めた。

◆hiragana:QWERTY

xn,ca,cu,coとnn,ka,ku,koの使い分けや最適化等、覚えなければならない範囲が広い。このため、攻略にはある程度の期間が必要だ。

1打鍵文字、即ち[あ行][ー][じょ]等の割合が高ければ高いほど速度が伸びる。特に[あう][あお][おい][うえ][いいえ][じょうぎ][こうじょう][じょうほう]等が最高の稼ぎ単語だ。逆に2打鍵文字、例えば[くだもの][きんにく]等の割合は低ければ低い方が良い。

避けて通れないのが頻出する[ん]への対処である。まず、語尾に[ん]が来る場合には[nn]もしくは[xn]が必要だ。タイプウェル国語R等で[n]1打鍵で終わらせる癖がついているうちは苦しい。とっとと慣れるしかない。また、[nn]は通常は右手人差し指の連打となり消耗するため、基本的に[xn]で打ち抜けられるように訓練する。但し終盤等で、[xn]をとっさに入れる脳が残っていない場合、緊急回避的に[nn]を使うこともある。このような事故を根絶するまで鍛えるのが理想だ。特に[きんにく][おんな]等では[nnn]よりも[xnn]の方が消耗を抑えられるし安定感も上がる。[ひるごはん][ばんごはん]も[xn]で突破する。[ax]が発生するため左は苦しいが、[nn]に耐えるよりはまだ良い。一方、筆者が苦戦したのは[にんじん]だ。結論としては、[ninzinn]が最善だ。しかし[ninjixn]と迷ってタイムをロスするくらいなら、[ninjinn]決め打ちの方がまだマシだ。

その他、個別の打鍵最適化を検討する。具体的には表3の通り。なお、[zi][fu]はよほどの例外を除いて使わない。脳の処理が追いつかないためだ。

【表3:hiraganaをQWERTYで打つ際の個別の最適化の例】

単語打鍵コメント
[こども]kodomo[codomo]では左が苦しい
[じゅう]juu[zyuu]の方が安定するが、打鍵数が1増えるデメリットが痛い
[かゆい][かむ][ひくい]
[こおり][こうじょう]等
ca,cu,coka,ku,koでは右殺し
[がいこくご][ちょうこく][おく]等〜oku[oku]がアルペジオ打鍵になるため、[koku][cocu]よりも安定する

以上の対策を実施しても、鬼門となる単語は存在する。記録を狙うようになると、以下の単語が出ないトライアルを狙うようになる。

【表4:hiraganaをQWERTYで打つ際の苦手単語】

単語コメント
[いっしゅうかん]連打×2が鬼
[ったら][あらわれる][やわらかい][たべる]等左殺し
[にっき][きもの][おおきい][およぐ][うつくしい]等右殺し

※hiraganaで100wpmを突破した時の状況は以下の通り。2025/1/27の日記から抜粋する(一部改変)。

100.78wpm(100%)。ついに100wpm突破! 勝因は単語運。特に前半は硬直しまくったが、1打鍵文字が大量に出たため救われた。なお、2024/12/13から打ち続けて、90wpm以上ノーミスは今回を含めわずか10回だった。

4行目に15秒、5行目に9秒、6行目に4秒残した。17秒まで105wpm、25秒まで104wpm、29秒まで103wpmを維持した。最後は文字途中までで時間切れになることによるミス判定を防ぐため、[ひらがな]の[ひら]までで意図的に停止した。それでも100wpmを超えたという確信があった。序盤[つち]で46wpm, [ふとる]で99wpm, [おおきい]で97wpm, [よろこぶ]で78wpm, [みどり]で100wpm, [それとも あらし]で99wpm, 83wpm、中盤[わし]で98wpm, [べんきょう そぼ]で100wpm, 100wpm, [うで]で90wpm, [また]で59wpm, [うむ]で76wpm、終盤[ふん ます]で96wpm, 86wpm, [とき ひがし]で64wpm, 84wpm, [せなか]で96wpm, [とおり]で96wpm, [ひつよう]で99wpm、最後[ひら(がな)]で40wpmと失速した。一方、開幕[こう あける かい ふるい しょうぼうし ちょう どれ すわる こちら]で平均154wpm, [える]で158wpm, [いいえ]で184wpm、中盤[へいし とら こうじょう じどうはんばいき]で105wpm, 116wpm, 184wpm, 102wpm, [おっと りか はく おじ みどり]で平均110wpm、終盤[だの はい かつお ちち]で160wpm, 142wpm, 124wpm, 129wpm、2語置いて[すごい ゆうがた すぺいんご しる せんせい でも]で平均122wpmと加速を決めた。

◆katakana:JISかな

濁音、半濁音、拗音、促音が出れば出るほど不利になる。カタカナ語には濁音・半濁音(2打鍵必要)が多く、速度が伸びない。また、[ー]の出現率が高く、ミスを誘発される。右手小指範囲のカスリ、特に[ー]打鍵時の[BS][ヘ]へのカスリが非常に多い。拗音・促音も多いため、Shiftミスを誘発されるし速度も吸われる。60秒ノーミス維持は不可能に近い難事だ。まして120秒は事実上不可能。特筆すべき単語は表5の通り。

【表5:katakanaをJISかなで打つ際に留意すべき単語】

単語コメント
[データーベース]見た瞬間Escすべき
[パスワード][パワー][プレゼント]高確率でミス爆死
[レベル][ボーナス][ホーム][ヘリコプター][ゲーム]そこそこの確率でミス爆死
[リテラシー]リ/ラ、テ/トのミスが多発
[ファイル][オフィス]左殺し。Shift+最上段が厳しい
[クリスマス][リハビリテーション][トイレ][リサイクル]等加速ワード。たくさん出て欲しい

※katakanaで100wpmを突破した時の状況は以下の通り。2023/5/2の日記から抜粋する(一部改変)。

100.37wpm(100%)。総単語数が343と少ない点を突き、単語運の到来を待った。解析結果を存分に活用し、目論見通りに結果を得た! 最後[テロ]まで叩き込んでギリギリの達成であり、この点でも運に恵まれた。

序盤[グローバル]で76wpm, [デジタル]で66wpm, [リハビリテーション]で96wpm, [ケーブル]で86wpm、中盤[グラム]で91wpm, [メーク]で72wpm、終盤[デスクトップ]で86wpm, [ゼロ]で75wpm, [ガイド]で61wpm, [バブル]で91wpmと失速した。逆に加速したのは、中盤だ。[シート カメラ サイエンス スーツ イン ナンバー ブロック クリスマス クラス リンク]で平均165wpmと気持ち良く打ち進んだ。

※katakanaで110wpmを突破した時の状況は以下の通り。2024/10/13の日記から抜粋する(一部改変)。

110.79wpm(100%)。30秒という短期決戦なので、最後までミス爆死覚悟で攻め続けた。記録狙いと割り切って、凶悪単語[データーベース]等が出たら即Escだ。それにしても、JISかなでカタカナ語は当分打ちたくない

18秒まで113wpm、24秒まで112wpm、28秒まで109wpmを維持した。序盤[プロ]で102wpm, [ビル メッセージ]で117wpm, 121wpm, [レシピ]で113wpm、中盤[ハウス]で121wpm, [グループ]で101wpm, [(改行)ゲーム]を運のみでしのぐも71wpm, [アレルギー ボランティア]で119wpm, 92wpm, [ピーク ベッド]で121wpm, 86wpm、終盤[インターネット]で113wpm, [ファイル]で87wpm, [ハード シンポジウム ベビー オブ]で87wpm, 103wpm, 70wpm, 109wpm, [アレルギー]で115wpmと失速した。一方、開幕[ダウン ツアー キロメートル ストレス]で166wpm, 209wpm, 141wpm, 181wpm、序盤[オレンジ エアー オークション ピアノ ミサイル]で平均167wpm、中盤[カタカナ システム アンド アナログ タレント チャンス ケース カメラ]で平均177wpm, [センター ハイ カー パンフレット]で202wpm, 261wpm, 190wpm, 130wpm、終盤[リスク ツアー ベスト コンクリート]で134wpm, 180wpm, 161wpm, 175wpmと加速を決めた。最後は[クレジット]を135wpmで叩き込んで決めた!

※katakana60秒で100wpmを突破した時の状況は以下の通り。2024/10/8の日記から抜粋する(一部改変)。

105.00wpm(100%)。ようやく100wpmを突破した。2024/8/25以来ほぼ毎日打ち続けて1カ月半を要した。この間、60秒ノーミスで打ち切れたのはたった8回だった。90wpm以上に限ると7回。Interstenoの19言語では文句無しの最難関だ。右手小指範囲のカスリで何百回爆死したことか。

28秒まで110wpm、35秒まで108wpm、45秒まで107wpm、59秒まで106wpmを維持した。序盤[シンポジウム]で97wpm, [プログラム ディーラー]で103wpm, 105wpm, [イメージ]で108wpm, [デジカメ]で110wpm, [プログラム フロー サーバー プレゼント]で103wpm, 116wpm, 102wpm, 93wpm, [スタッフ]で101wpm, [パワー]で81wpm, [モード]で115wpm、中盤[ギター]で113wpm, [スピード]で92wpm, [シンポジウム]で105wpm, [キャンセル]で105wpm, [イニシアチブ ガイド]で102wpm, 98wpm, [データ ルール]で77wpm, 99wpm, [バイオマス プラスチック]で79wpm, 108wpm, [ホーム トップ]で98wpm, 89wpm、終盤[モード ヘリコプター]で114wpm, 82wpm, [ストック]で104wpm, [ボール ボタン ペット スピード]で71wpm, 102wpm, 106wpm, 82wpm, [ハウス]で104wpm, [キログラム]で114wpm, [ディーラー]で110wpm, [ブルー]で92wpm, [ページ]で68wpm, [イメージ グリ(ーン)]で89wpm, 74wpmと失速した。一方、序盤[タオル デフレ イオン リハビリテーション]で122wpm, 138wpm, 166wpm, 135wpm, [セット リサイクル シャツ アンド キー カテゴリー パンツ ママ シート]で平均171wpm、中盤[イメージ ドライブ ソース ミサイル]で117wpm, 122wpm, 216wpm, 202wpm, [トラブル クリーム オア ピーク]で124wpm, 131wpm, 168wpm, 134wpm, [テーマ イメージ プラン タイトル ソース パンツ センチ リスト]で平均164wpm、終盤[コメント バランス プラス リサイクル テロ ファースト]で平均170wpm, [ガ テロ コンクリート コース バリア]で平均187wpm, [サイクル リハビリテーション レストラン オイル]で181wpm, 133wpm, 171wpm, 152wpmと加速を決めた。

◆katakana:QWERTY

1打鍵文字、即ち[ア行][ー][ジェ][フィ][ウェ]等の割合が高ければ高いほど速度が伸びる。特に[ディテール][プロジェクト]等が最高の稼ぎ単語だ。但し[ー]は打ち辛く、ミスを誘発する。

[ン]への対処はhiragana:QWERTYで触れた通り。さらに進んで、xnとnnの使い分けを単語ごとに検討する。例えば[ワン][マン]程度ならxnで良い。[〜axn]となるため左は苦しいが、連続して出現しない限り消耗は少ない。一方、[エンジン]は[enjinn]で突破する。[enzixn][enjixn][enzinn]などといちいち迷う時間がもったいない。[チャンネル]は[ax+nn]が苦しいため敢えて[tyannneru]で突破する。[n]の3連打も苦しいが、[ax+nn]よりはまだマシだ。ちなみに101.18wpm達成時には2回出やがった。死ぬかと思った。

ca,cu,coも積極的に使用する。さらに進んで、ka,ku,koとの使い分けを単語ごとに検討する。例えばcaを使うのは[メーカー]くらいか。

※katakanaで100wpmを突破した時の状況は以下の通り。2024/12/12の日記から抜粋する(一部改変)。

101.18wpm(100%)。不可能としか思えなかった100wpm到達を果たした! 勝因は単語運。後半に1打鍵文字が多数出現し、12秒時点の91wpmから大逆転。20秒時点で96wpm、25秒時点で99wpm、28秒時点で102wpmと素晴らしい追い上げだった。運が良すぎた。また、ノーミス打ち切り(90wpm以上)は今日を含めわずか11回。2024/10/14から約2カ月打ち続けた。JISかなと同等か、それ以上に困難な道のりだった。

序盤[パソコン データ]で86wpm, 66wpm, [カタカナ]で86wpm, [センチメートル]で96wpm, [ピーク]で98wpm, [テレビジョン カメラ ガス]で86wpm, 75wpm, 73wpm、中盤[テレビジョン ゲーム]で76wpm, 88wpm, [コンビニ リテラシー マン]で80wpm, 87wpm, 73wpm, [ガス]で89wpm, [エンジン]で93wpm、終盤[チャンネル]で92wpm, [コスト]で63wpmと失速した。一方、中盤[ホテル ゼロ ナンバー オレンジ ローン デート]で平均117wpm、終盤[アンサー レンタル カレー ローン メンバー ドライバー フリー チーズ プレゼント タオル シャツ マーク]で平均123wpmと加速を決めた。最後も[キャンセル オフィス]で122wpm, 118wpmといい感じ!

◆romaji:QWERTY

hiragana, katakanaと比較して、100wpmを達成するのは極めて容易だ。筆者は150wpmを出せる。しかしノーミスという制限を追加する場合、ある程度単語を覚える必要がある。とはいえ、母国語だけあって数日打てば覚えてしまうため問題無い。

romajiに出現する怪しい単語の一覧を表6に記す。出現率が各1/153と比較的高いため、暗記は必須だ。

【表6:romajiに出現する怪しい単語】

単語コメント
hidaraihidariの誤り?
gemuge-muの誤り? gomuの誤り?
dakeradakaraの誤り?
ippaippaiの誤り? それとも「一派」?
seikoseikouの誤り? それとも「聖子」? あるいは時計メーカーの名前?
imuinuの誤り? それとも「医務」?

romaji 1kに出現する怪しい単語は表7の通り。

【表7:romaji 1kに出現する怪しい単語】

単語コメント
ikatui, katukatutu→tsu
goruhuhu→fu
hitosio, subarasiisi→shi
tisshuti→thi?
chyuushokuchuushoku?
konshyukonsyuu?
oishioishii? 大石?
chisaichiisai?
onisanoniisan? 鬼さん?
onesanoneesan?

単語コメント
yasashiyasashii? (yasashiiもある)
biirubi-ru? (bi-ruもある)
mezamashitokeimezamashidokei?
myougonishimyougonichi?
shiimashima?
tochisougochisou?
kawakurai?
kyukyuu?
juugyojugyou?


●筆者の記録

筆者の記録を表8に示す。30秒ではすべて100wpm以上。最も速いのはromajiだ。英語1kより速い。これより速いのは英語、code pascal, code rockstarのみだ。語彙増加版であるromaji 1kは、通常版と比較して難易度が高い。しかし日本語は母国語なので、読み辛いということはほぼ無い。

※すべてノーミス

【表8:筆者の記録】

言語語彙文字速度(wpm)入力方法
30秒60秒
Japanesehiraganaひらがな121.16110.39JISかな
100.78QWERTY
katakanaカタカナ110.79105.00JISかな
101.18QWERTY
romajiラテン文字154.35142.99QWERTY
romaji 1k146.39133.98QWERTY

表9に、各種目の100wpm到達までの日数を示す。hiragana/katakanaをQWERTYで打つ場合が別格の最難関だ。そもそもノーミスで30秒耐えるのが非常に難しかった。他はそこまで難しくない。但しhiragana(JISかな)は、当初は必要な設定を知らず、専用配列で打鍵したため時間を要した。

【表9:各種目の100wpm到達までの日数】

言語語彙入力方法開始終了日数ノーミス達成数
Japanese hiraganaJISかな2023.3.222023.4.3040(7)15
katakanaJISかな2023.5.12023.5.22(2)5
romajiQWERTY2024.4.122024.4.1211
romaji 1kQWERTY2024.5.92024.5.911
katakanaQWERTY2024.10.142024.12.1258(42)11
hiraganaQWERTY2024.12.132025.1.2746(35)11

※()内の日数は、休養日、冬休み、休止期間を除いた実質日数。
※katakana, hiraganaのQWERTYのノーミス達成数は、2023.4.30-5.2に試行した分を除く。
※ノーミス達成数は、途中で棄権したトライアルを除く。


●筆者のmonkeytype日本語参戦史

monkeytypeに日本語の各種目が導入されたのに気付き次第、100wpmを目指してきた。その経過を表10に示す。今後は、各種目で110wpm、120wpm、130wpmを順次目指す。また、30秒のみならず60秒、120秒の記録も蓄積していきたい。

【表10:筆者のmonkeytype日本語参戦史】

時期語彙入力方法内容
2023.3.22hiraganaJISかな初プレイ。81.17wpm
2023.4.30hiraganaJISかな100wpm突破
2023.5.2katakanaJISかな100wpm突破
2024.4.12romajiQWERTY100wpm突破
2024.5.9romaji 1kQWERTY100wpm突破
2024.12.12katakanaQWERTY100wpm突破
2025.1.27hiraganaQWERTY100wpm突破


●参考:monkeytype用に配列作成

前記の方法でうまく入力できない場合、専用の配列を準備することで、上記の問題を回避できる。2023年4月時点ではこの方法で打っていた。

◆JISかなベースの配列

Microsoft Keyboard Layout Creator(MSKLC)で、JISかなに似せた位置に文字を割り振る。結果は図2の通り。筆者はこの配列でも100wpmノーミスを達成済みである。

【図2:JISかなベースの配列】

但し難点が三つある。

(1) 濁音・半濁音の打鍵が通常のJISかなと逆になる。
(2) [ろ][ー]を配置するキーが無い。左Shiftの隣に仕込んでも打てない。
(3) hiraganaしか入力できない。

(1)は濁点・半濁点をデッドキーに仕込むためだ。例えば[が]は[@→t]と打つ。[t]をデッドキーとして[t→@]とすれば通常のJISかなと同じ順番になる。しかし、今度は[か]を打つ時に例えば[t→Space]がいちいち必要となり、かえって速度が低下する。

(2)の暫定措置として、[ろ][ー]を[@→n][@→m]に仕込んだ。必然的に、濁音・半濁音・[ろ][ー]を含む単語では遅くなる。これにShift文字が重なると難易度は想像を絶する。

(3)に関して、katakanaの攻略には別の配列が必要だ。カタカナ語では[ー]の出現率が高いため、他の出現頻度の低いキーを潰して1打鍵化すべきかもしれない。もちろん変換もできない。あくまでもmonkeytype攻略用の配列だ。

◆QWERTYベースの配列

試作品は図3の通り。筆者はこの配列で78.37wpmノーミスが最高だった。配列に工夫の余地はまだあるものの、100wpmノーミスは遠い。

【図3:QWERTYベースの配列】

あ行は[a][i][u][e][o]にそのまま仕込む。他の五十音および濁音・半濁音は、例えば[k]をデッドキーとして、[k→a]で[か]を打つ。[c][f][j][x]もデッドキーにすれば、[ca][cu][co][fu][ji][xn]にも対応可能だ。但しこの配列にも難点がある。

(1) [ん]はn1回では入力できず、[nn],[xn]のどちらかが必要。
(2) 拗音・促音で死ぬ。
(3) hiraganaしか入力できない。

(2)に関して、[ゃ][ゅ][ょ][っ]を[la][lu][lo][lt]に仕込んでみた。背景として、hiraganaには[ぁ][ぅ][ぉ]が出現しない。しかし、この方法は明らかに失敗だった。せめて[7][8][9][v]等に仕込んで1打鍵化すべきだ。

(3)はJISかなベースの配列と同様。


●参考文献

Home - instant tools
 →出現文字別の分類と集計に文字出現頻度分析ツールを使用しました。このツールは、日本語のみならず多言語の解析に、以前から大変役立っています。


●各種資料

monkeytype:出現文字・単語の分析資料
 →monkeytypeのjapanese hiragana, katakanaに出現する単語の各種情報を調査・分析した資料。


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