2014年に入り、蛭ヶ岳日帰りで最初の訓練を終えた。次の目標として、関東圏の2000m級の山に登ろうと考えた。以前計画した中では「甲武信ヶ岳」も候補に存在した。だが、この山にはタイパー登山部のメンバーで登ろうとしていた。そして今回は直前の調整が難しく、断念せざるを得なかった。一方、日光白根山に関しては単独行を前提に計画を立案しており、良い機会なので登ることとした。
今回も、公共交通機関のみを利用しての日帰りという要素を組み込んだ。本来、日光白根山に湯元温泉側から登る場合、避難小屋を利用しての一泊二日がセオリーとなる。だが、標準コースタイムは9時間前後であり、頑張れば日帰りも可能と思われた。交通機関を調査したとしころ、始発に乗車すれば余裕を持って終電までに帰宅できることが判明したため、実行に移すこととした。
装備・持ち物は、基本的に蛭ヶ岳日帰りと同じである。5月下旬というこの季節で、登山を阻むレベルの残雪があるとは夢にも思わなかった。根本的な勘違いとして、白根山の残雪は、付近にあり標高も似通っている男体山とほぼ同じだと最初から思い込んでいたことがある。このため、雪山装備は一切持たなかった。
水や電解質も、蛭ヶ岳日帰りと同程度とした。即ち、水2リットル、POCARI0.5リットル、ウィダー類3個である。これに限らず、荷物を最小限とすることにも気を配った。下山時の膝へのダメージを可能な限り軽減するためだ。そこで、膝対策としては右膝サポーターのみを持参し、着用した。ストックは不要と判断し、持参しなかった。
さらに、まるごと日光 東武フリーパスを事前に購入し、当日に切符を購入する手間を省くとともに、交通費を約1500円節約した。北千住駅での乗り換えに余裕が無かったため、この選択は正解だった。
誤算だったのは、朝飯をなかなか調達できなかったことだ。最寄駅までのコンビニはことごとく道の向こう側にあったり、今にも赤に変わろうとしている信号の手前にあったりしやがるし。あまり時間的余裕が無かったため、道を渡ったり信号待ちをしたりするタイムロスは避けたかった。そして、この早い時間だと都内ですら駅の売店がどこも空いていない! 北へ向かうとどんどん田舎になっていくため、そもそもホームに売店が無い! 東武日光到着後も、土産物店しか空いていない! 店の人におにぎりやサンドイッチはありますか?と尋ねてみると、8時になったら別の売店が開店するとのこと。それでは遅い。湯元温泉行きのバスが発車してしまう。これを逃すと、次は1時間後だ。
そこで、駅の外を歩き回る。6年前の日光男体山登山の時は、駅の近くのプチホテルに前泊した。付近にコンビニがあったことを思い出し、探すまでもなくあっさりと発見した。無事、おにぎり6個を調達。ちょうどバス待ちの行列が生成されていたため、並んでいる間に2個ほど食べておく。乗車後にさらに1個。朝食と昼食はおにぎりと決めていたため、自宅にあった小さい紙パックのお茶を持ち込んでおり、飲み物は購入する必要が無かった。
日光白根山登山の動機
日光白根山とは、百名山の一つであり、東京から比較的アクセスしやすい山である。そこで、昨年10月末に登山計画を立案した。ところが、台風や子供誕生等で先送りにしているうちに、雪山シーズンに入ってしまった。筆者の未熟な雪山技術で白根山に挑むのは明らかに無謀であると考え、次の夏山シーズンを待つこととした。
日光白根山登山の準備
標準コースタイム9時間前後なので、登りで1時間詰めることを前提に、8時間で計画を立案した。今回も始発に乗車することで、ゆっくり歩いた場合でも湯元温泉発の最終バスまでに余裕を持って下山できるようにした。さらに、国境平や五色山に予定通りに到着できなかった場合や、天候が急変した場合、そして膝に痛みを感じた場合には、白根山を諦めて下山する予定とした。
2014.5.24(Sat)日光白根山敗退
●登山口到達まで
4時過ぎに自宅を出発し、始発に乗る。最寄駅(始発を捕まえるため、普段とは違う駅を使った)まで歩いている間は暑かった。だが、東武動物公園あたりから、速乾性Tシャツと長袖シャツだけでは普通に寒いし! 仕方なく、夏山用のフリースを装備してしのぐ。なお、これを着用したのは、後で登った男体山の山頂付近の約15分を除けば、ここだけだった。
6年前にも見たような風景 | 東武日光駅前のバス停の行列 |
バスはいろは坂を登り、中禅寺湖へ。登山装備をした人の大半が、二荒山神社前で降りていった。つまり男体山目当てか。筆者はそのまま乗車し、終点の湯元温泉で下車した。登山客は他におばちゃんが一人だけだった。既に9時を過ぎている。この時間から登り始める人は稀なのだろう。……と、この時点では思い込んでいた。
予定 | 実績 | 場所 |
---|---|---|
9:15 | 9:10 | 湯元温泉 |
11:00 | − | 国境平 |
11:40 | − | 五色山 |
12:40 | − | 弥陀ガ池 |
13:25 | − | 白根山山頂 |
白根山方面の山には残雪が! | 白根山登山口 |
白根山登山口はすぐに見つかった。登山道は、事前に得ていた情報の通り、あまり整備されていないように見受けられた。笹ボウボウだったり、笹の切り株が道のど真ん中まではびこっていて靴底に当たりまくったり。
笹ボウボウな登山道 | 先に進んでもこんな感じ |
しばらくの間は傾斜も緩く、ハイキングの趣だった。だが、地図が示す通り、やがて急な登りとなった。石鎚古道を彷彿とさせる道だ。ペースを上げないように注意しながら、一歩一歩着実に歩みを進めていく。
だが!
30分ほど歩いたその時!
雪に覆われた登山道。正解は左側 | 雪に覆われた登山道はさらに続く |
最初のうちは、迂回したり、木の根を持って体重の一部を支えたりすることで、強引に突破できた。だが、幾度目かの雪道では、ルートを見誤り、本来の登山道から外れてしまった。そこまでの雪道がかなりヤバイ道だったため、戻るのは不可能ではないが困難だ。そこで、笹の上を水平方向に強引に突破し、力ずくで本道に復帰した。なお、最初から本道を選択した場合は、雪に阻まれて登れない(つまりこれは本道でない)と判断していた。ってことは下りがヤバイのではないかと思ったが、今回は登りと下りで別のルートを採用したため、問題ないと判断していた。
……実は問題大ありなのだが。
それでも、幾つかの雪道を突破し、急な登りの区間をようやく終えた。五色山方面への立て札を見かけたため、道は間違えていない。また、森に覆われた区間を抜けたため、日光の恩恵で(一時的に)雪もなくなった。これは山頂付近まで行けるんじゃね? と甘っちょろい判断を下し、先に進む。
五色山方面を示す立札。ここで小休憩 | 白根山方面にはやはり残雪が目立つ |
笹はいよいよ背が高くなり、登山道をほぼ塞いでいるような場所もあった。これだけなら問題ない。ところが、当然ながら日陰の区間もあるため、次の雪道が現れた。またしても強引に突破する。登山靴が雪を踏み抜くこともあり、明らかにヤバさが増している。
そして進んだ先に見たものは!
一面に広がる雪の斜面 | 最初の一歩すら踏み出せない |
ここまででもヤバい雪道を相当数突破してきており、戻るのも怖い。だが、進むのはもはや不可能だし、迂回ルートも無い。さらに言えば、そもそもこんな序盤からエスケープルートを用意していない。何てこった。己の計画の不備を呪うと同時に、無事に下山するための方法を考え始める。
戻るのも難しいが、やるしかない | 登りで道を間違えた場所。強引に下る |
一番難儀したのは、問題の雪原の手前の区間だった。雪道の下りは、登りよりも怖い。登りではキックステップに頼ることもできた。だが、下りのキックステップを夏山用登山靴でやるのは覚束ない。よって、下に道があることが明らかな場合には、場合によっては雪を踏み抜く覚悟で下る。ほとんどの場合は、木の根や岩、笹の枝などに体重の一部を預けたり、雪の端を迂回したりして切り抜けたが。なお、雪の端を迂回すると、ほぼ確実にぬかるみにハマる。ついでに、靴に雪が入り込んでくる。それでも、雪を踏み抜くよりはまだマシだ。結局、雪を踏み抜いたことはせいぜい5回くらいだったと思う。
五色山を示す立て札を通過し、さらに下に降りていく途中にも難所は幾つか存在した。だが、雪を踏み抜く覚悟で挑んだところ、幸いにも突破できた。なお、登りで道を間違えたところは、本道を下った。足場は無かったが、滑っても1メートル下で止まるような場所だったため、下りに限れば何とかなった。このルートを直登するのは、夏山登山靴では厳しいと思う。無事に難所を突破し、湯元温泉に帰還したら11:07だった。
一つ一つ慎重に下ってきた | ようやく危険地帯を突破 |
ここで非常に幸運なことに、日光駅行きのバスが11:10に到着した! 1時間に1本(昼間は30分に1本)しかないこのバスが、わずか3分待ちで到着するとは!
……
バスに乗車後、次の行動を考える。せっかく日光に来て、しかもバス乗り放題のフリーパスを持っている。つまり、戦場ヶ原を歩くことも、中禅寺湖で遊覧船に乗ることも、華厳の滝や竜頭ノ滝を見ることもできる。
だが、それ以前に、今日の登山は明らかに物足りない。ネタはこの日記に書いた通りそれなりにあるのだが、登りも下りも負荷が不足すぎる。
そして!
バスから行きも帰りも見えていたのは、男体山の堂々たる山容!
なお、女峰山について帰宅後に調べたところ、そもそも登山口の方向が違うし、所要時間も標準で7時間以上とあった。多少ペースアップしたとしても、日没までの下山は困難だったと思う。
6年ぶりの二荒山神社 | 一合目までは石段が続く |
結論から言うと、男体山には、6年前よりも格段に楽に登頂し、下山できた。何しろ今回は、前回に経験したような、脳天まで突き抜けるような凄まじい膝の痛みとは無縁だったためだ。
予定 | 実績 | 場所 | 備考 |
---|---|---|---|
11:30 | 11:48 | 二荒山神社前 | 入山料支払等 |
- | 11:57 | 一合目 | 通過 |
- | 不明 | 二合目 | 通過 |
12:00 | 12:15 | 三合目 | 通過 |
- | 12:30 | 四合目 | 通過 |
12:30 | 12:44 | 五合目 | 休憩1分 |
- | 12:55 | 六合目 | 通過 |
13:10 | 13:17 | 七合目 | 通過 |
- | 13:36 | 八合目 | 通過 |
13:50 | 13:51 | 九合目 | 通過 |
14:10 | 14:09 | 頂上 | 休憩、写真撮影等 |
6年前の実績を参考に、五合目までは1合あたり15分、それ以降は1合あたり20分というスケジュールを即席で立案した。この読みはほぼ当たった。頂上に至るまで、座り込んでの休憩は全く取らなかった。心拍数が上昇した場合は立ち止まってPOCARIで補給したり、写真を撮影したりしていた。その結果、大休憩を取る必要が無くなった。
一合目。それなりに急な山道 | 三合目付近。道には石がごろごろと |
石造りの階段に始まって、一合目〜三合目の斜面もそれなりに急だ。筆者は序盤でオーバーペースに陥ることがまだ多いため、意識して減速することを心掛けた。三合目〜四合目はアスファルトの道が延々と続く。こんなに長かったっけ? と思いつつ、15分ほど歩いた時、ようやく登山道入口の鳥居が見えた。なお、ここまでの区間では登りの人は全くいなかった。このような遅い時間から登り始めるのは、登山のセオリーに反するためだろう。一方、下山してくる人とすれ違うことは時々あった。
四合目から本格的な登山開始。急な階段! 三合目までとは一味違う山道! こうでなくてはな! ここから先も急登が続く。五合目を過ぎたあたりから岩がちらほらと混ざり始め、足場が不安定になってきた。但し、6年前と違って膝の痛みが無く、杖を使うことも無かった。そもそも杖自体、ここ数回の登山で持参していないし。
四合目。ここからが本番 | 五合目付近。急な登りが続く |
六合目あたりからは登山道がほぼすべて岩と化す。今回は軍手を装備することも無かった。視野を広く持ち、最適なルートを判断しながら淡々と登っていく。この辺からは岩に文字が書いてあることが多い。「六合目」「七合目」等の標識や、「落石注意」、それに登山ルートを表す矢印など。
岩また岩! ここを登るんです | 七合目付近。岩だらけの道はまだ続く |
八合目付近では、延々と続く岩登りにやや辟易したが、そこを抜けると難しいところは無かった。八合目出発直後に、元気の良い若者2人に抜かれたが、彼らの息が上がったタイミングで先に行かせてもらった。その後振り返ることも無かったが、少しずつ確実に離れていった。登頂時には10分以上の差になっていた。岩場を突破した先には残雪があったが、雪の上に足跡がついて踏み固められており、それを辿れば進めないところは無かった。
ようやく岩場を突破 | 残雪はあるが、足跡通りに進めば問題無し |
九合目から上は富士山の御殿場口のような砂礫の道だった。だが、ジグザグに登れば恐れることは無い。今回はここでもさほどペースを落とさず、少しずつ確実に進み続けた。
九合目の少し先。展望が開けてきた | 砂礫の道を進む |
日光男体山に登頂 | 海抜二、四八六米の標識 |
今回は精神的にも肉体的にも余裕があったため、奥の大剣付近まで登っておいた。眼下に広がる中禅寺湖に戦場ヶ原! それに周囲の低山! 雲! 心地よい冷風! 6年ぶりの山頂である。今回も、前回と変わらず極めて爽快な気分を心行くまで味わった。
男体山頂 影向石 | 最高点の剣 |
そして、大剣のさらに奥にある登山道(下山道?)を確認。いずれはここに挑む日も来るだろうか。いや、その前に、白根山にリベンジだ。
裏手にも登山道(下山道?)が | 今回登れなかった白根山方面 |
予定 | 実績 | 場所 | 備考 |
---|---|---|---|
14:20 | 14:24 | 頂上 | |
14:35 | 14:37 | 九合目 | 通過 |
- | 14:52 | 八合目 | 通過(少し前にフリース装備解除1分) |
15:05 | 15:08頃 | 七合目 | 実際には少し前に通過 |
- | 不明 | 六合目 | 通過 |
15:35 | 15:33 | 五合目 | 通過 |
- | 15:43 | 四合目 | 通過 |
16:05 | 15:58 | 三合目 | 通過 |
- | 不明 | 二合目 | 通過 |
- | 16:12 | 一合目 | 通過 |
16:35 | 16:21 | 二荒山神社前 |
1合あたり15分という読みだったが、それを上回るペースで下ってきた。原因は、ひとえに膝の痛みが発生しなかったことに尽きる。一番苦しかったのは、全身の筋肉を酷使した状況での一合目〜二荒山神社前の階段だった。
雲が出てきたため素早く下山開始 | 中禅寺湖は綺麗に見えた |
膝が本格的に痛み始める前に。岩下りの区間を突破したい。とはいえ、基本方針は登りと同様に減速であり、速そうな人にはどんどん抜いてもらう。
遅い人は基本的に隙を見て抜く。岩場等でそれが難しい時には、少し休憩した。写真を撮ったり、POCARIで補給したり。そして、八合目の神社や七合目・五合目の避難小屋等で相手が休憩に入ったタイミングで、一気に抜き去る。こちらは必要な休憩を既に済ませているため、避難小屋等で休憩する必要が無いのだ。
七合目付近の岩場で小休憩 | 少しずつ大きく見えてくる中禅寺湖 |
八〜六合目の岩場では、6年前と同様、足だけで降りることは難しかった。必然的に、上半身を駆使することとなった。特に上腕部や大胸筋は酷使したらしく、1日後から筋肉痛が来た。
アスファルト区間。前方左の人がペースメーカー | 三合目では休憩せず、サクサク下る |
三合目までは、九合目で先に行ってもらった人をペースメーカーとした。彼は四合目から三合目のアスファルト区間でややペースが落ち、三合目で休憩に入ったため、このタイミングで抜かせて頂いた。その後一合目までの斜面と、一合目から二荒山神社までの階段が前回は異様に辛かったが、今回はそこまで辛くなかった。膝を痛めていないとここまで違うのか!
一合目の先の下り階段 | 延々と続く下り階段 |
なお、二荒山神社の手前で靴を洗うための水場が用意されていたため、有難く利用させて頂いた。そして1時間57分で下山完了。さらに、幸運なことに、16:16発のバスが少し遅れて16:22に来たため、大変素晴らしいタイミングで乗車した。乗った時には座席がすべて埋まっており、まさかのいろは坂オール立ちっぱなしを覚悟した。だが、次のバス停で10人くらい下車したため、座ることができた。確かに、華厳の滝等を観光するには良い時期だと思う。
夕食のきのこ雑炊 |
17:39、東武日光発。これに乗ると、21時過ぎには帰宅できる。1本でも乗り遅れると、接続が悪いため、当初予定通りの22時過ぎの帰宅となる。忘れないうちにスマホに登山日記をひたすら入力しておいた。FLICK OF THE DEADで鍛えたフリック入力が、極めて役に立った。
日光男体山登山の感想
●今回の収穫
日光男体山に関して、6年前よりも明らかに短時間で、かつ楽に登って下りてきた。前回は往復で6時間半を要したのに、今回は4時間半だ。しかも、白根山へと続く湯元温泉からの急な登りと下りを各1時間こなした後という状況でだ。3週間前の蛭ヶ岳での訓練が役立ったと言えるだろう。
日焼けは完璧に抑え込んだ。白根山登山前に塗りまくった日焼け止めが、日光男体山下山後まで機能した。また、耳の後ろには日焼け止めを塗り忘れていたが、帽子のお蔭で日焼けせずに済んだ。
膝へのダメージも軽微だった。足全体を見ても、擦り傷も切り傷も無く、ほぼノーダメージだった。左足の親指の爪が多少痛み、後でやや内出血したくらいだ。筋肉痛は、太ももと上腕部、大胸筋に来た。いずれも1日後から現れ始め、2日後がピークだった。上腕部と大胸筋の筋肉痛は、岩場の下りで上半身を酷使したことによるものだ。一方、蛭ヶ岳で経験したような、ふくらはぎの筋肉痛は、全く出なかった。これは、下りの負荷が不足だったためだろう。白根山では雪の影響で下山ペースが低下し、男体山では上半身に負荷が分散された。
費用は、合計約7500円に抑え込んだ。交通費は「まるごと日光 東武フリーパス」(北千住発着で4520円)の活用により、合計で約5200円に抑え込んだ。今回に限れば、日光白根山に敗退した後、東武バスを途中下車して日光男体山に登頂したため、さらにお得だった。仮に全部現金等で支払っていたら、交通費だけで約7000円に到達していた。他には、朝食と昼食がコンビニおにぎり6個で約750円、夕食が東武日光駅付近の外食で約900円。飲み物は、試供品でもらったPOCARI0.5リットルと、2リットル61円の「富士のおいしい天然水」を利用した。後者はザックの中に入れておき、前者を飲み切ったら随時移し替えていた。そして男体山の入山料が500円だ。
では白根山の残雪は、なぜ男体山よりも多いのか。まず、登山道の方角の違いが考えられる。男体山(二荒山神社前発着)では登山道の大半が南側にあるのに対し、白根山(湯元温泉発着)では北側に位置する登山道も多い。従って、同じ5月下旬でも雪解けが遅いのだろう。男体山にも八合目より上にはそれなりに残雪があったのだから、白根山にはそれ以上に残雪があってもおかしくない。さらに言えば、男体山の北側の登山道にはそれなりに残雪があったらしい。次に、登った時期の違いが考えられる。2008年の男体山には6月上旬に登っている。当時も九合目付近に残雪が認められた。今回はさらに2週間ほど早い。よって、残雪の量は前回よりも多いと考えられる。
帰宅後に改めてGoogle検索したところ、5月の白根山は残雪期に相当するということが判明した。ヤマレコ等にも同時期の「残雪期登山」の記録が多数掲載されていた。これを事前に見ておかなかったのは、痛恨すぎる。