MEGAlingua 2025:レポート(2025.6.1-8.31)



MEGAlingua 2025とは
筆者の結果
参加のきっかけ
戦略
戦術
感想(というよりも反省)
参考文献・謝辞
各種資料


●MEGAlingua 2025とは

Klavogonkiをプラットフォームとして開催される多言語タイピングの大会である。

大会詳細はこちら

公式ランキングはこちら

【概要】

・6/1-8/31の3カ月に100言語を打ち、1cpm=1点として合計得点を競う。
・各言語に300回まで(ロシア語、英語、数字は100回まで)参加可能。期間内に打った中で最も高速なトライアルのみがカウントされる。
・ミスによる減点は無し。但し、全言語を通して最初の100回のレースでの正確性は表彰対象となる。
・ほとんどの言語において、事実上初見文章を打つ。数百〜数千もの文章が登録されているため。
・500cpm以上を出した場合、テストに合格する必要がある(ベトナム語、ナバホ語、ニヴフ語を除く)。
・総練習回数と各言語の速度も表彰対象となる。
・朝鮮語/韓国語で最高速度を出した場合も表彰対象となる。


●筆者の結果

【表1:主な結果】

分類言語数総得点完走言語の平均速度総得点の順位
ラテン文字使用言語60/6035404590.07cpm1位
キリル文字使用言語26/2612765490.96cpm6位
その他8/142589323.63cpm1位
合計94/10050758539.98cpm1位

※ロシア語、ウズベク語、カザフ語はラテン文字とキリル文字の両方あり、良い方を採用する。よってラテン文字言語数、キリル文字言語数は人により違う。筆者はいずれもラテン文字。
※日本語は漢字かな交じり文、ローマ字ヘボン式、ローマ字訓令式のうち最も高い結果を採用する。筆者はローマ字ヘボン式。
※日本語の漢字かな交じり文は速度を3倍、朝鮮語/韓国語は速度を2.5倍(小数点以下は四捨五入)して得点とする。

総練習回数は1073回で、大会参加要件とされていた1000回はギリギリ超えた。1言語あたりの練習回数は平均11.4回、最高63回(ヘブライ語)、最低1回(ハンガリー語)だった。また、達成速度ごとの言語数は表2に示す通り。

【表2:達成速度ごとの言語数】

達成速度言語数備考
700cpm2英語、イタリア語
650cpm12トキポナ、フランス語、日本語等
600cpm34オランダ語、ノルウェー語、西フリジア語等
550cpm48バスク語、アルバニア語、セルビア語等
500cpm72ヘブライ語はテスト未合格


●参加のきっかけ

ロシアの高速タイピスト、Dashaさん(Intersteno2024の銀メダリスト)からお誘いを頂いたため。

monkeytype、TypeRacer、Interstenoで鍛えてきた多言語タイピング能力がどこまで通用するか試してみたかったため。


●戦略

優先順位は表3に示す通り。

【表3:優先順位】

優先順位項目
1総合得点
2総合順位
3その他(完走言語数、500cpm達成言語数、総練習回数、最高速度、
正確性、朝鮮語/韓国語の得点)

タイピングにおいて、筆者は特定の分野(例:英語の最高速度)に特化したスペシャリストではなく、総合力で勝負するゼネラリストを志向している。本大会においても、最も己の強みを活かせる分野が総合得点である。総合得点を伸ばせば、総合順位もついてくると考えた。

その他の項目の優先順位は下げた。特に100言語完走や500cpm達成言語数については、時間不足という理由から最初に削った。これらは今回だけでなく、今後数年かけて取り組むべき課題である。総練習回数についても、学生やFIRE民と比較して時間が取れないことと、「ミスした瞬間に棄権」という練習スタイルにより不利になることを鑑みた結果、やはり最初に削った。

最高速度については、苦手分野であるという理由で優先順位を下げた。最も速度を期待できる英語でも、monkeytype(30秒)で810cpm、TypeRacerで781cpm、タイプウェル英単語で818cpmという自己ベストを鑑みると、Klavogonkiでの到達点は800cpm前後と見込まれる。だが、世界どころか日本国内でさえも、この速度ではもはや勝負にならない。

正確性は、得意分野である。だが、今回に限っては総合得点や総合順位を優先するため、正確性の優先順位を下げた。英語をはじめとする多数の言語では、結果的にノーミスで打ち切って自己ベストを出すことになるだろう。だが、難関言語や、初めて挑戦する言語に関しては、そもそもノーミスで打ち切ること自体が困難であると予測された。

朝鮮語/韓国語の優勝者は表彰対象になると明記されていた。あと1カ月あれば、この言語に特化して打ち込むことができたかもしれない。だが、限られた時間で1位を狙うのは厳しいと判断した。

時系列の計画は表4の通り。短期集中ではなく、全期間を通してイーブンペースで着実に刻んでいく

【表4:時系列の計画】

時期内容
5月準備。比較的容易に500cpmを達成できる言語を一通り打ち、テストに合格しておく。
monkeytypeやTypeRacerで用いた配列をそのまま使えるか、各言語に癖があるか等の確認
6月主にラテン文字使用言語をリストの上から順に打つ
7月同上。終わり次第、キリル文字使用言語をリストの上から順に打つ
8月忘れている言語(朝鮮語/韓国語、ギリシャ語等)のリハビリ。余裕があれば新たな言語に手を出す

実際の推移は表5に示す通り。

【表5:実際の推移】

時期言語数総得点コメント
5/31まで00ラテン文字40言語、キリル文字5言語、その他1言語(数字)で
500cpm達成、テスト合格。
6/30まで3621997ラテン文字を中心に。平均611.0cpmと悪くない
7/10まで5130350まだラテン文字が中心。難関言語に着手したため、平均が600cpmを割り込んだ
7/18まで6035022キリル文字使用言語に着手
7/31まで734157370言語4万点という目標が機能した。
8/14まで864732585言語4.5万点という目標が機能した。
残しておいたラテン文字の難関5言語に着手。
8/31まで94507585万点という目標が機能した。
新規言語に挑戦するも、100言語には届かず。

筆者を含む総合得点の上位10名の時系列推移は図1に示す通り。全期間を通して均等に刻んでいくというレースプランはほぼ実現できたことが分かる。7月に入って、上位陣(主にロシア勢)が相次いで4万点前後に到達した。ロシアでは7月から夏休みなのだろうか。1日500点程度を目安に刻んでいた筆者は一時的に大きく離された。総合得点でも一時は9位まで転落した。しかし、その後も高いモチベーションを維持し、ほぼ毎日着実にスコアを積み上げ続けた。

【図1:上位10名の総合得点の時系列推移】


●戦術

(1) 文章の選択

記録を狙うには、速度の出やすい文章を選択する必要がある。一般的に速度の出やすい文章とは、「短い文章」「打ち辛い文字や記号が少ない文章」である。

文章の長さは、言語により若干の違いはあるものの、平均4〜5行、範囲は3〜6行である。Interstenoの10分間練習に慣れていると、相当短く感じられる。つまり短文派にとっては圧倒的に有利である。長文派の筆者にとっては出遅れたらほぼ終わりで、後半に逆転できることはまず無い。一方で、Klavogonkiでの記録狙いに慣れてくると、4行以上は長いと感じるようになる。実際には、monkeytype(30秒)の約400打鍵、タイプウェルの400打鍵と比べるとやや短いのだが。monkeytypeやタイプウェルでも、終盤に疲労やびびりから崩壊することがよくある。Klavogonkiの文章でも、経験的に最終行には大文字や特殊文字が集中し、崩れることが多い気がする。

打ち辛い文字や記号の筆頭が、大文字全般、そしてShiftを使う記号や一部の特殊文字である。このため、特に問題となるのが固有名詞や会話文が多い文章である。これらは非常に打ち辛い。InterstenoのようにShiftを使う文字(大文字、一部の記号)が1文字2点ならまだしも、恐らく1文字1点なので、これらが多ければ多いほどスコアが伸びない。必然的に、固有名詞や会話文が少ない文章を狙うことになる。なお、言語によってはデッドキーを用いる文字もあるが、基本的に出現頻度が低いため何とかなる。

上記に述べた内容は、テストにも当てはまる。初めて500cpmを超えた場合や、既に認証されている速度の1.2倍を超えた場合には、チート対策テストが表示される。これに合格して認証済み速度の上限を更新しない限り、記録が公認されることは無い。ヘブライ語等の一部の例外を除き、MEGAlingua 2025の集計にも反映されない。テストの文章は、TypeRacerのテストと同様、非常に読み辛い。さらに、TypeRacerのテストと違って、正確性100%で終了させる必要がある。ミスタッチした場合はBSで修正できる。ゴール時点でミスが残った場合、5秒の待ち時間の後にミスを修正する必要があり、所要時間に追加される。特に文字装飾の多い言語の場合、文字の判別が著しく困難である。筆者はChromeのズーム110%を用いたが、ろくに見えなかった。ズーム125%でも一部の言語に大苦戦した。幸いなことに、TypeRacerのテストと違っていつでも何度でも挑戦できるため、言語によっては10回以上の失敗を経て認識しやすい文章を待ち、かつノーミス(レベルによってはノーミスタッチ)で打ち切れる運を待ち、無理矢理合格した。

(2) 後置特殊文字への対応

タガログ語で新たに遭遇した概念だ。頻出する[g̃]に関して、当初は[̃]を[^]に設定し、[g^]の2打鍵で打っていた。

その後ベトナム語の攻略時に、MSKLCで後置特殊文字を含む2文字を1打鍵として設定できることに気付いた。ヌーチャヌルス語、ヨルバ語、ナバホ語、ニヴフ語も同様だ。実際、ヌーチャヌルス語、ヨルバ語、ニヴフ語では後置特殊文字を含む2文字を1打鍵として設定した後に大きく更新できた。但し、タガログ語とナバホ語では2打鍵文字がほぼ出ない文章を狙って記録を出したため、1打鍵化した後にその記録を上回ることができなかった。

(3) 8月後半の追い込み(キリル文字使用言語)

ロシアの大会ということもあり、monkeytypeやTypeRacerに出てこない多様なキリル文字使用言語を楽しむことができた。新たな言語を次々と攻略する一方で、比較的慣れ親しんでいるロシア語、ブルガリア語、ウクライナ語、セルビア語、マケドニア語では550cpm突破を目指した。

ラテン文字使用言語とキリル文字使用言語を一通り打ち終えた後にどのように稼ぐかは、この大会における課題だった。特にキリル文字使用言語のうち、今回新規に取り組んだ言語(特に難関言語)については、更新の余地があると考えた。そこで、配列の見直しや試行回数の増加により、大幅に更新していった。ケット語、タジク語、教会スラヴ語、アブハズ語では、当初のスコアよりも100cpm以上伸びた。

(4) 8月後半の追い込み(新規言語)

ラテン文字・キリル文字以外で新たに挑戦した言語は、イディッシュ語、タミル語、ラオス語、タイ語だ。イディッシュ語では、ヘブライ語の経験を活かすことができた。ヘブライ文字の認識が一通りできていたのはあまりにも大きい。他の言語の文字は、そもそも見るのも初めてであり、図形認識からスタートした。アルメニア語は、ラテン文字に似た文字が多く、図形認識配列を作りやすかった。次に図形認識しやすかったのがラオス語だ。タイ語はラオス語と似た文字を幾つか含む。しかし、それ以外の文字がラオス語よりも多く、その分だけ苦戦した。

タミル語、ジョージア語、アラビア語、ヒンディー語、ディベヒ語/モルディブ語、ベンガル語については、図形認識すら困難だった。図形認識配列を完成させることも、現地の配列を習得することも、短期間では困難だ。これらの言語で30cpmほど稼ぐよりも、英語等を30cpm伸ばす方がまだ費用対効果が高いと判断した。

(5) 本番の実施

MEGAlingua 2025ではInterstenoと違って、本番という概念が存在しない。大会期間内であれば各言語をいつでも何度でも打てるからだ(上限はあるが)。しかし、「平日に練習、休日に本番」「本番にピークを持っていく」という基本的な考え方は適用できた。よってその内容を記載しておく。

ベストの体調で、ベストの時間帯に実施する。即ち、仕事・育児・家事と重ならず、かつ身体が覚醒しているタイミングで実施する。筆者は休日の夕方に実施することが多かった。朝や午後一はやめておく。脳が働かず、指の動きも鈍く、速度も正確性も低下するためだ。よって朝や午後一にはリハビリに専念し、脳の働きと指の動きを取り戻す。一方、昼間に仕事や登山ランニングをした場合や、リハビリが不充分な場合、眼精疲労や脳・腕・指の疲労が蓄積している場合には本番の実施を避ける。

また、1セット(約1時間)あたりの本番実施数は1言語、1日あたりの本番実施数は2言語に抑えたい。但し、充分な練習を積んだ状態で、体調が良く、指の調子も好調を持続している場合に限り、1セットに2言語、1日に3言語の本番を実施することも過去にはあった。

さらに、1言語あたり10分程度の集中した練習時間を確保する。これは、本番で使用する配列に確実にセットすると同時に、他の言語との混同を避けるためだ。また、言語ごとに頻出する文字や単語、シーケンスが異なるため、本番の直前に目と指を充分に慣らしておく必要がある。このようにして、本番にピークを持っていく


●感想(というよりも反省)

(1) ロシア語等はキリル文字で打つべきでは?

ロシア語では、ラテン文字とキリル文字の両方を試した。前者は607cpm、後者は585cmが最高だった。キリル文字でも頑張れば600cpmに届くのかもしれない(大会終了後、9/3にようやく届いた)。だが、ラテン文字により慣れている筆者にとって、認識のしやすさという点でラテン文字の方が容易だった。

ウズベク語やカザフ語では、ラテン文字でそれぞれ602cpm、535cpmを出してしまった。このため、キリル文字で挑戦するモチベーションが失われた。挑戦すれば500cpm付近までは出せたかもしれない。だが、ラテン文字の記録を破るのは非現実的と判断した。

これらの言語は本来キリル文字で打つべきであり、ラテン文字の記録は参考扱いで良いと思う。

(2) Interstenoの難関言語がおろそかに

具体的にはスロバキア語、ポーランド語、チェコ語、ハンガリー語だ。いずれも550cpmに満たなかった。練習回数もそれぞれ8,7,10,1回と甘い。やり込めばもう少し伸びると思う。だが、新たな言語に挑戦する方により魅力を感じた。

(3) 心残り

ベトナム語、ギリシャ語、朝鮮語/韓国語については、実質1日で練習を終えてしまった。練習回数もそれぞれ7,8,9回と甘い。配列を忘れていて、リハビリに時間がかかるため適当なところで妥協した。1週間、あるいはそれ以上かけてやり込めば、もう少しまともなスコアを出せたかもしれない。だが、そこまでの時間とモチベーションを確保できなかった。

(4) 各言語の難易度

表6に、筆者の主観による各言語の難易度を示す。概ねmonkeytype、TypeRacerに準じる。monkeytypeと共通の言語は
こちらを参照。但し、幾つかの点で異なる。なお、ウズベク語(キリル)は打ったことが無いため対象外とした。

・タガログ語、ベトナム語、ヨルバ語はmonkeytypeと仕様が異なる。タガログ語はC→A、ヨルバ語はA→A+に変更。ベトナム語はmonkeytypeと同様難しいためS+のまま。
・セルビア語はInterstenoに追加されたためA→C+に変更。同じ配列で打てるマケドニア語も同様。
・Interstenoの難関言語であるスロバキア語、ポーランド語、チェコ語、ハンガリー語をC→C+に変更。
・Interstenoの難関言語以外をCに追加。
・ウクライナ語とベラルーシ語の難易度に差があるため、前者をB+→Bに変更。
・スウェーデン語とウズベク語は新配列を作成したため、C→Bに変更。ブルガリア語も新配列を作成したため、C+→Bに変更。
・タタール語はA+のままだが、monkeytypeでの苦戦を鑑みSへの変更も検討中。

【表6:各言語の難易度】

難易度ラテン文字キリル文字その他
SS〜
S++
タミル語、ジョージア語、
アラビア語、ヒンディー語、
ディベヒ語/モルディブ語、
ベンガル語
S+ベトナム語ギリシャ語、朝鮮語/韓国語、
ヘブライ語、イディッシュ語、
アルメニア語、ラオス語、
タイ語
S中国語(ピンイン)モンゴル語、アブハズ語
A+古英語、アゼルバイジャン語、
カザフ語(ラテン)、
ヌーチャヌルス語、ヨルバ語、
ナバホ語
カザフ語、バシキール語、
タタール語、ウドムルト語、
チュヴァシュ語、
ブリヤート語、ヤクート語、
ニヴフ語、教会スラヴ語
Aタガログ語、ラトビア語、
マオリ語、ハワイ語、
リトアニア語、カタルーニャ語、
アイスランド語
キルギス語、ネネツ語、
タジク語
B+マルタ語、エストニア語ベラルーシ語、
カラチャイ・バルカル語、
コミ語、オセチア語、
ケット語、アディゲ語
Bアルバニア語、アフリカーンス語、
西フリジア語、スウェーデン語、
ハウサ語、キクユ語、
ウェールズ語、デンマーク語、
ノルウェー語、ウズベク語、
エスペラント語、ケチュア語
ブルガリア語、ウクライナ語、
チェチェン語、
革命前のロシア語、マリ語
C+グリーンランド語、
スロバキア語、ポーランド語、
チェコ語、ハンガリー語、
コサ語、アイルランド語
セルビア語、マケドニア語
C英語、イタリア語、
ドイツ語、フランス語、
スペイン語、日本語、
ポルトガル語、オランダ語、
ルーマニア語、クロアチア語、
フィンランド語、トルコ語、
ロシア語(ラテン)、ラテン語、
古典ラテン語、インドネシア語、
スワヒリ語、トキポナ、
ルワンダ語、バスク語、
ズールー語、スロベニア語、
ガリシア語、ウォロフ語
ロシア語数字

※難易度の説明
 SS: 別格すぎる難易度であり、打ちこなせる存在自体が神
 S++: S+よりもさらに難しい
 S+: Sに加えて相当の期間が必要
 S: Aに加えて個別の攻略が必要
 A+: Aに加えて相当の練習が必要
 A: 大掛かりな配列作成が必要
 B+: Bに加えて相当の練習が必要
 B: Interstenoの配列を少し変更するだけで対応可能
 C+: Cに加えて相当の練習が必要
 C: Interstenoの配列で対応可能


●次回に向けた改善点

次回も5万点が目標なら、今回と同様の戦略で何とかなるだろう。だが、さらに上を目指すなら、より緻密な戦略が必要だ。また、3カ月という長期戦となるため、高いモチベーションを保ち続ける必要もある。

今回挑戦できなかった6言語については、事前に配列を作成し、最低1週間は打って初期の問題点を潰しておくべきだろう。仮にこれら6言語で100cpmずつ上乗せできれば合計600点、200cpmずつなら合計1200点のプラスになる。

今回本来の実力を発揮できなかった言語についても、計画的なリハビリが必要だ。具体的には、ベトナム語、ギリシャ語、朝鮮語/韓国語だ。これらの言語も、100cpmずつ上乗せできる可能性がある。

ラテン文字使用言語では、平均600cpmを目標としたい。60言語であと596点必要であり、1言語あたり10cpm伸ばせば届く。まずは今回600cpmを達成できなかった言語を底上げするとともに、高速言語をより伸ばす努力も必要だろう。

キリル文字使用言語では、平均500cpmを目標としたい。26言語であと235点必要であり、やはり1言語あたり10cpm伸ばせば届く。まずはロシア語で600cpmを出しておくのがほぼ必須だ。基本ができていないと応用もできない。今回全く打たなかったウズベク語とカザフ語についても、500cpmを達成できるか見極める必要があるだろう。


●参考文献・謝辞

Dashaさんに感謝!

大会を主催し、3カ月という長期にわたり運営頂いた尽力に敬意と謝意を表したい。各言語の文章を用意するだけでも相当大変だったと思う。また、ランキングを数日に1回という高頻度で更新し、発信することで、参加者のモチベーションは間違いなく上昇したと思う。

さらに、日本人向けに非常にわかりやすいガイドを作成し、かつ日本語で情報発信して頂きありがとうございました。従来、Klavogonkiを打つにはサイトの翻訳機能やGoogle翻訳を駆使してロシア語を解読するしかなく、大きな壁となっていた。今回その壁はほぼ払拭されたと考えて良いだろう。少なくとも、筆者が94言語に参戦する上で大きな問題は無かった。

ガイド1
→Klavogonkiへの登録と、基本的な遊び方の紹介。

ガイド2
→より詳細な遊び方の紹介。

ガイド3
→多言語タイピングの紹介。MEGAlingua 2025に参加する上で必要十分な情報が記載されている。各言語の最高記録も記載されており、挑戦心を刺激される。

以下、他に常用したサイトを紹介する。

Home - instant tools
→出現文字別の分類と集計に文字出現頻度分析ツールを使用しました。このツールは、多言語の解析に、以前から大変役立っています。

Unicode
→各文字のHTML表記を調査する際に使用しました。URLの末尾にUnicodeを追加すると、例えばヌーチャヌルス語の[ʔ](Unicode: U+0294)はこちらのように表示されます。ちなみにUnicodeは、当該文字を検索するなり、MSKLCに張り付けるなりすれば表示されます。


●各種資料

配列の仕様書作成が追いついていないので後回し。取り急ぎ、従来の資料へのリンクのみ。

Intersteno拡張dq配列(基本18言語)
Intersteno拡張dq配列(拡張60言語)
→Intersteno, TypeRacer, monkeytype, Klavogonkiで使用した配列。インストーラとともにMSKLC用のファイルもあります。基本18言語はIntersteno攻略用(日本語除く/セルビア語含む18言語)、拡張60言語はそれに加えてTypeRacer, monkeytype, Klavogonki攻略用です。

注1: 言語によっては慣れるまでに相応の時間が必要であり、短期決戦には不向きです。
注2: 2025年6〜8月にKlavogonki攻略用に新規作成した配列は、TypeRacer, monkeytypeでの動作確認を実施していません。言語によっては、打てない文字がある可能性があります。
注3: 日本語と朝鮮語/韓国語は含まれません。Windows標準の配列を用いているため。

Intersteno拡張dq配列:仕様書
→上記配列の仕様書。


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