多言語タイピングにおけるアラビア語の強化

2026.5.29(Fri)
文責:dqmaniac



アラビア語のタイピングとは
用語の定義
なぜアラビア語か
monkeytypeのアラビア語で100wpmを目指せ!(2025/10/6〜2026/2/14)
monkeytypeのエジプトアラビア語で100wpmを目指せ!(2026/2/15〜5/26)
参考文献
各種資料


●アラビア語のタイピングとは

アラビア語のタイピングを始めるには、まず固有の文字であるアラビア文字(ا,ب,ت,...)に習熟する必要がある。アラビア文字は、英語や日本語ローマ字で用いられるラテン文字(a,b,c,...)や、日本語で用いられるひらがな・カタカナ・漢字とは異質な文字である。基本34文字ある(
Unicode一覧表では第0面の0620〜064Aに割り振られている)。なお、アクセント記号等を使用する特殊文字は別途存在する。しかし初学者の学習用等、限られた用途でしか出現しないらしい。そこで、今回は基本34文字をまず習得することとした。

次に、アラビア語のキーボード配列に習熟する必要がある。アラビア語の一般的なキーボード配列は、Windows10/11の標準機能に含まれている。[設定]→[時刻と言語]→[言語と地域]→[言語の追加]でアラビア語を選択すれば良い。国により多少の違いがあり、16個存在した。筆者は唯一行ったことのあるUAE(アラブ首長国連邦)のアラビア語を採用した。なお、初期段階では独自の配列作成を断念した。文字どうしが結合して形が変化することがあり、その対応を習得しているうちにWindows10/11の標準配列をある程度覚えてしまったためだ。

アラビア語タイピングの技能を発揮する場として、TypeRacermonkeytypeKlavogonkiがある。Interstenoではまだ採用されていない。英語をはじめとするラテン文字に慣れきっていると、アラビア文字およびアラビア語キーボードの壁は高い。例えば、Interstenoの合格条件である「240文字/分以上、かつミス率0.50%以内」を突破するのが意外と難しい。また、約30秒という短期決戦であっても、外国人がTypeRacerやmonkeytypeで100wpmに到達するのは極めて困難である。


●用語の定義

※アラビア文字: アラビア語で使用されている固有の文字の名称。日本語の「ひらがな」「カタカナ」、英語等の「ラテン文字」に相当する。

※通常版/語彙増加版/10k: 本稿ではmonkeytypeのarabicを「通常版」、arabic 10kを「10k」と呼称することがある。特にarabic 10k攻略開始後はその傾向が強い。また、通常版と対比する意味で10kを「語彙増加版」と呼称することがある。

※エジプトアラビア語/モロッコアラビア語: 本稿ではmonkeytypeのarabic egyptを「エジプトアラビア語」、arabic moroccoを「モロッコアラビア語」と呼称することがある。さらに、エジプトアラビア語に限った文脈で、arabic egyptを「(エジプトアラビア語)通常版」、arabic egypt 1kを「1k」と呼称することがある。

※英字表記: 本稿で「英字表記」とは、Windows10/11のアラビア語配列(UAE)でアラビア文字を打鍵した時の文字列をQWERTY配列の英字に置換した文字列を指す。例えば[اتمنى](願っている)の英字表記は[hjlkn]となる。なおアラビア文字は右から左に読む。英字表記とは逆になるので要注意。

※wpm: words per minute、即ちワード/分。打鍵速度を表現する一般的な指標の一つ。英字タイピングでは一般的に1ワードを5文字と数えるため、1wpm=5文字/分、100wpm=500文字/分となる。アラビア語も同様である。


●なぜアラビア語か

筆者がアラビア語に触れるのは今回が初めてだし、アラビア語を使用する文化圏についてもよく知らない。「クルアーン(コーラン)に用いられ、今でもイスラーム(イスラム)世界で用いられる言語」という漠然としたイメージがあるだけだ。クルアーンに関しても、遥か昔に世界史でさらっと勉強した程度であり、実物を見たわけではない。

一方で、TypeRacerで100wpmを達成していない言語がアラビア語、ペルシャ語、ヒンディー語、タイ語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)の6言語となった。いずれも超がつく難関言語だ。この中でアラビア語を習得すれば、同じくアラビア文字を使用するペルシャ語への横展開も期待できると考えた。また、ヘブライ語イディッシュ語で右から左に読む言語にある程度慣れたこともあり、その経験をアラビア語の習得に活かせると考えた。加えて、monkeytypeやKlavogonkiにも存在する言語であり、効率良く練習ができるのも大きい。

◆有用な練習サイトの存在

筆者は2025年にまずmonkeytypeで100wpm達成を目標とした。monkeytypeではランダムに並んだ単語を打つ。1回あたりの時間は細かく設定可能であり、筆者は初期値の30秒のままにしている。また、アラビア語(199語)の他に語彙増加版としてアラビア語10k(9,281語)という難易度の高いバージョンが用意されている。一方、エジプトアラビア語(210語)、エジプトアラビア語1k(1,141語)、モロッコアラビア語(229語)も存在する。筆者は全種目で順次100wpmを目指している。

なお、アラビア語よりもエジプトアラビア語の方が取り組みやすい。使用文字が少なく、発音記号を表す特殊文字も含まれないためだ。この意味で、まずエジプトアラビア語に取り組むべきだったかもしれない。

一方で、TypeRacerやKlavogonkiでも100wpm達成を目標とした。TypeRacerやKlavogonkiでは文章を打つ。1回あたりの時間は概ね30秒〜1分である。monkeytype・TypeRacer・Klavogonkiのすべてに存在するというのは、練習効率の意味で大きい。

◆難関言語の工数見積もり

さらなる難関言語(ここではタイ語、ヒンディー語等を指す)に将来挑戦する際の工数を見積もっておきたかった。これらの言語に使われる文字には、筆者は全く馴染みが無い。少し調べた限りでは、図形認識すら困難だ。この意味で、アラビア語と比較しても難関言語の習得は極めて困難である。とはいえ、図形認識の段階さえクリアすれば、その先の成長過程はあまり変わらないと予想される(実はこの見通しがまだまだ甘いのかもしれないが)。従って、アラビア語で100wpmを達成する工数を知っておけば、難関言語で100wpmを達成する工数がそれ以上であると想定できる。

具体的には、100wpm到達までには表1に示す幾つかの段階がある。このうち「図形認識の成長」は、ラテン文字のタイピング習得過程にはほぼ無かった。英語のタイピングを始めたのが英語習得の後だったためだ。2015年のInterstenoの多言語対応においても、ロシア語を除けば一部の特殊文字(ドイツ語のß等)や文字装飾に対応するだけで済んだ。ロシア語のタイピング習得時にのみ、図形認識の壁が存在した。だが、気付いた時にはその壁を通り過ぎており、「配列の試行錯誤」の段階に入っていた。ギリシャ語朝鮮語/韓国語ヘブライ語タイピング習得の過程で「図形認識の成長」の段階を改めて実感できた。具体的には、配列作成の際に図形認識を活用した。アラビア語ではアラビア文字とキー配置の関係を叩き込む際に図形認識を活用した。但し[ر]と[و]、[خ]と[ج]、[ن]と[ت]の区別は難しく、100wpmに接近してからも苦労した。

【表1: 多言語タイピングの成長過程】

・図形認識の成長
・文字装飾の区別
・配列の試行錯誤
・打鍵高速化過程のプラトー現象
・最後に100wpmを目指して集中練習

もちろん難関言語にはさらなる難関要因が含まれる可能性もある。しかし上記の各段階の工数を概ね把握しておくことで、ある程度の見積もりが可能となる。アラビア語の場合、「発音記号を表す特殊文字が含まれる」「右から左に読む」ことが難関要因となり得る。しかし、monkeytypeの通常版をlazy modeで打ったことで、前者の要因は回避できた。後者に関しても、通常版やエジプトアラビア語で100wpmを目指す際に難関と感じたことは無かった。最初からそういう言語だと割り切って訓練したためかもしれない。

……

以上、ロシア語と違って趣味に走った理由しかない。Interstenoではアラビア語が2025年現在採用されていないし、今後採用されるか否かも分からない。アラビア語タイピングで競い合うライバルがいるわけでもない。要するに、アラビア語タイピングはあくまでも自己満足である。とはいえ、己が成長する実感を味わうのは類稀なる快感を伴うものである。


●monkeytypeのアラビア語で100wpmを目指せ!(2025/10/6〜2026/2/14)

◆Windowsの標準配列の使用を決定

まずmonkeytypeの単語リストを入手し、出現する文字を分析する。通常版に出現文字を
文字出現頻度分析ツールで分析したところ、文字種類は396と出た。396種類もある文字は、通常のキーボードに配置しきれない。従って、朝鮮語/韓国語と同様、文字がパーツに分かれていて、1文字につき2打鍵以上必要であると推測した。この時点で、独自に図形認識配列を検討するのは難しいと見切った。実際、この推測は正しかった。しかも、朝鮮語/韓国語と同様、パーツどうしが結合して形が変化することが多い。その対応を調査・習得するために、初期段階では既存の配列を使用する必要があった。そこで、前記の通り、Windows11標準のアラビア語配列(UAE)を採用した。

但し、将来TypeRacerやKlavogonkiのアラビア語に挑戦する時には、配列を再検討する必要がある。理由は、monkeytypeに出現しない記号の存在だ。Windows11標準のアラビア語配列では、一部記号の配置がUS配列と大きく異なる。また、アラビア語に特有の記号もある。これをすべて習得するか、新たに図形認識配列を作成しつつ数字・記号の位置をUSインターナショナル配列に合わせるかの二択になる。これについては、必要になった時に改めて検討する。

一方で、初期段階において、Dashaさんと捨怒背姫さんから「lazy modeを用いた方が良い」とのアドバイスを頂いた。lazy modeでは、発音記号を表す特殊文字がカットされる。また、[أ][إ]も出現しない。このため、表2に示す通り文字が34種類と激減する。いずれ通常モードで100wpmを目指すとしても、初期段階でlazyモードを試すのは一案だ。とはいえ、筆者にとってはすべて未知の文字だ。ラテン文字やキリル文字、ヘブライ文字との類似性も感じられない。

【表2: アラビア語各種目の単語数と文字種類数】

種目単語数文字種類数備考
arabic19934lazy mode。通常modeでは396種類
arabic 10k928134?lazy mode。通常modeは未調査
arabic egypt21029通常mode。[ئ][ؤ][ث][ذ][ظ]が出現しない
arabic egypt 1k114136通常mode。[ؤ]が出現しない。[أ][إ][لأ]が出現する
arabic morocco22936通常mode。[ء][ؤ][ذ][ظ]が出現しない。[أ][آ][لأ][ً][ّ][ـ]が出現する

※arabic egypt, arabic egypt 1kには発音記号を表す特殊文字が存在しないため、lazy modeにする必要がない。
※arabic moroccoには発音記号を表す特殊文字が出現するが、頻度が少ないため、通常modeで練習する。

◆文字の調査

単語練習を開始する前に、文字がろくに読めないことに気付いた。まずは全396文字の一覧表を作成し、Copilotに質問しながら、打ち方の分からない文字を一つ一つ埋めていった。この段階では、[ث][ي][ّ][ذ]が難しかった。前二者は似た文字と離れた位置にあるため、探し辛い。後二者は、日本語キーボードで言う[半角/全角]をデッドキーでなく、通常のキーとして使うのが盲点だった。さらに、合字も存在する。[لا]が[ل]と[ا]から合成されているというのは、前提知識が無ければまず分からない。

次に壁となったのは、複数の文字が連なる際に形が変化することだ。実際、調査開始から3日目に199語通し練習を試みたところ、最初の1語の打ち方すら分からず約3分経過し、絶望とともに終了した。

これについては、Обозначение согласных(アラビア文字の変化)およびアラビア文字(基本文字表)を参照しつつも、結局ほぼすべて独力で調査した。[ا]+[ف]=[فا]のような分かりやすい例はまだ良い。[ا]+[ك]=[كا]とか、[ب]+[ي]=[يب]になると、もはやインスピレーションの世界だ。[ا]+[ح]=[حا], [ت]+[ق]=[قت], [ع]+[ي]=[يع]も直感的に分かり辛い。どの文字が結合しているのか分からず、ほぼ全パターン試して探し当てたこともあった。一度打ち方を調査すれば、後は暗記あるのみだが。

ようやく1語だけ打ち方が分かったのは3日目のことだった。その後は分かる単語から打ち方の欄を埋めていった。結合された文字の打ち方は、表3に示す通り、主に点の数と位置で判定する。特徴的な図形が手掛かりになることもある。さらに、発音記号が二つ連続するパターンもある。例えば[َّ]だ。

【表3: アラビア語通常版の文字の初期段階の認識方法】

認識方法元の文字HTMLUnicode具体例
下に点二つييu+064aطبيب(医者/医師)
上に点二つで箱型تتu+062aيفترض(想定される)
上に点二つで曲線ققu+0642حقيقية(本物/リアル)
oの上に点二つةةu+0629الثالثة(三番目)
下に点一つببu+0628طبيب(医者/医師)
上に逆さの2ئئu+0626خائفة(怖がった/怖い)
ككu+0643كتاب(本)
oممu+0645مفاتيح(鍵)
ععu+0639مع(と)
▼の上に点 / うの逆غغu+063aمغناطيس(磁石)
8ههu+0647الهاتف(電話)

最初の単語の打ち方が分かったのは、4日目のことだった。[ى]+[ن]+[م]+[ق]+[ا]=[اقمنى]だった。3文字目の打ち方が分からず、ほぼ全パターン試した。文字によってはフォントを変えると見つけやすくなるかもしれない。

単語の解読を全199語終了したのは、6日目のことだった。ここまでで、既存の配列をある程度覚えてしまった。こうなると新たに図形認識して配列を作成するのは非効率だ。

◆出現単語の分析

monkeytypeのアラビア語の攻略に際して、表4に示す情報をExcelシートに整理した。もちろん、最初からすべての情報を整理できたわけではない。例えば「意味」は、ある程度タイピングを習得してからまとめて調査した。完了したのは11/23のことだった。最後に埋まったのは[خائفة](怖がった/怖い)だった。

単語の分析の目的は、単語の暗記だ。例えば、幾つかの苦戦した単語(主に長い単語)は、結局英字表記で覚えた。アラビア語に限らず、ある程度の暗記は必須だ。100wpmを達成するには、指の動き云々以前に、100wpmという速度にいかに脳を適応させるかが勝負だ。脳細胞がつながっていないうちはまず打てない。

【表4: Excelシートに整理した情報の一覧】

大項目中項目タイミング
文字の一覧
(396文字)
出現回数/出現割合/打鍵数初期
HTML表記初期
単語の一覧
(199語)
打鍵数/文字数初期
意味(英語。Google翻訳レベル)後でまとめて

◆文字・単語の練習

上記のExcelシートを見ながら、アラビア語に出現する396種類の文字を1つずつ入力した。まずはアラビア文字のパーツとキーボード上の配置を把握するのが目的だ。入力結果はお手本とEXACT関数で比較し、FALSEが出力された場合にはミスの原因を把握した上で修正する。当初は、396文字打つだけで約29分を要した。一方、頻出してしかも分かりやすい[ل][ا]は真っ先に覚えた。

上記の練習を3日こなし、アラビア文字にある程度慣れた段階で、単語の練習に移行した認識単位を文字から単語に拡大し、monkeytypeの30秒練習で速度を上げるためだ。初日のタイムは24分10秒。1語ずつチェックしながら打った。初期段階では、10単語に1単語程度の割合でミスが出た。この段階では、[ب]を[ن]と打つなど、[下に点][上に点]を混同するミスが目立った。まずはこのミスを減らすことを目指した。少し習熟が進んで速度が上がると、新たなミス要因が次々と現れた。代表的なものが、[ا]をラテン文字の[l]と認識し、[م]と打つミスだ。このミスには、100wpmに接近してからも苦しめられた。

表5に示す単語でミスをなかなか根絶できないため、セルを黄色に着色した。この通し練習は正確性のテストではないため、普段から正しい打鍵を身につけることを重視すべきだ。

【表5: ミスをなかなか根絶できなかった単語一覧】

No.単語意味ミス内容
14اعرف知っている[اعرض]。誤読
55حقيقية本物/リアル[حقيقيء]。誤読
161مفاتيح[مغاتيح]。誤読
162مفاجئ突然/突然の[مغاجئ]。誤読
171موسيقى音楽[مؤ]。誤読
179الهاتف電話[ه]を[ع]。打鍵ミス
192وظيفة仕事認識・打鍵両方。暗記必須
198يفترض想定される[ت]を[ن]。打鍵ミス

速度が上がるにつれて、単語の練習は199語通し練習という名のタイムアタックに変化した。11/30に5分を、12/21に4分を切り、最終的に3分00秒まで詰めた。5分切りが見えたあたりから、暗記が進み、考えなくても打てる単語が徐々に増えてきた。1/18に1語あたり1秒切りを達成した後も順調に記録を縮めた。だが、2/14にアラビア語で100wpmを達成してエジプトアラビア語に移行したため、アラビア語の199語通し練習は一旦終了とした。

また、ミスタッチは最終的にほぼ根絶した。12/1に初めてノーミスで打ち抜けた。その後も15回ほどノーミス打ち切りを達成した。199語しかなく、1文字1打鍵対応であり、単語の暗記が比較的順調に進んだためと考えられる。

◆フォントの選択

monkeytypeで30秒練習を開始する前に、フォントを決定する必要があった。今回も、設定画面から[font family]→[Custom]→[Arial]として、Arialを使用した。Arialを選択したのは、Excelシートに通常版の199語を打ち込んだ時にたまたま使用されていたフォントだったためだ。また、TypeRacerでもArialを選択可能である。他のフォントではArialとの相違点が多く、文字によっては別の図形に見える。このような理由でフォントを選択すると、朝鮮語/韓国語の時と同様、将来TypeRacerのテストでつまずく気もするが。

フォントが小さすぎると似た文字や文字装飾の区別がつかない。そこで、Excelのズーム機能でフォントサイズを拡大したところ、全く違う文字に見えてきた。例えば[ث]は、当初は台の上に三角形が乗った文字と認識していた。だが、拡大した結果、台の上に点が3個乗った文字に見えた。すると、[ب][ت]は、台の下や上に点が1個/2個乗った文字に見えてくる。初期段階ではズーム280%まで上げた。その後、199語通し練習を実施する際には(スクロールの手間を減らすため)ズーム200%まで下げた。

◆30秒練習

「出現単語の分析」「単語の練習」と並行して、monkeytypeを用いた30秒練習を10/11から開始した。「指が動かねえ! 脳が働かねえ!」という感覚を久々に味わった。Windows標準の配列を一から覚えたこともあり、初回挑戦では12.79wpmに留まり、初日の最高記録は22.80wpmだった。配列習得時のセオリーとして、キーボードを一切見ずに訓練を続けた。その結果、レア文字以外のキー配置は数日で定着した。なお、右から左に読む仕様にはすぐに慣れた。速度が低いうちに慣らしておいたためか、その後100wpm到達まで、この仕様が原因でつまずくことはほぼ無かった。

Chromeのズームは125%とした。110%では、細部の判別が難しい。125%にすると1行あたりの文字数が減って改行が増える。改行による認識ミスや速度低下は致命的であり、増えれば増えるほど不利になる。しかし、全く読めないよりはまだマシなので、結局100wpm達成まで125%を採用し続けた。

初期段階では、[afk 16.67%]などと表示された。afkはaway from keyboardの略で、硬直している時間が30秒×16.67%≒5秒もあったということだ。まずはこのafkをゼロにすることを目標とした。10/12には3.33%まで減少し、10/18には初めてafkゼロを達成した。11月に入ると、afkゼロがほぼ安定した。

その後も他の言語と同様、将来のTypeRacerへの挑戦も視野に入れて、「30秒・ノーミス」という条件下で練習を重ねた。英語で160wpmを出せる筆者にとって、アラビア語で100wpmを目指す際に速度の比重は少ない。速度を求めてミス覚悟で限界まで追い込む必要が無いためだ。それよりも、ミスとそれによるロスを抑えることを重視した。そもそもノーミスが条件である以上、1ミスでもした場合には即Escである。終了間際のミス等により、誤って打ち切って出した記録は、集計時に対象外とする。初期段階や不調な日には、1回打ち切るのに苦労することもよくあった。また、速度が上がるにつれて、ノーミス打ち切りは難しくなる。しかし基本方針は変えなかった。

なお、アラビア語の制限時間は初期設定の30秒とした。TypeRacerやInterstenoを見据えるなら、60秒などより長い設定にした方が良い。しかし、特に初期段階で60秒ノーミスを保つのは至難である。練習効率を勘案し、30秒のままの方が良いと判断した。後で振り返れば、15秒などより短い設定を補助的に採用する手はあったと思う。

アラビア語を含む全体の練習は、1セットを約60分として、平日に1セット、休日に2〜3セット実行した。このうちアラビア語には、各セットの最後の約25分を充てた。残りの35分は「指慣らし(主に英語ベースのプログラミング言語)」「新規言語(あれば)」「TypeRacerのロシア語」という構成だ。ロシア語以外は、すべてmonkeytypeの30秒もしくは60秒練習である。アラビア語を25分に限定したのは、朝鮮語/韓国語やヘブライ語と同様、実質ランダム練習に脳が耐えられないと予測したためだ。この25分のうち、最初の5分はロード(読み込み)時間だ。次の15分で記録を狙う。これを終える頃には脳のリソースが慢性的に欠乏し、開幕の数語で確実にミスするようになる。この状態で練習を継続しても、己の肉体と精神を痛めつけて疲労を蓄積させるだけであり、戦略的に何の意味も無い。また、アラビア語に限らず他の言語を練習するのは、「Intersteno対策」「ベース速度の維持」「モチベーションの継続」という意味がある。

通常版では199語しかないため、脳と指が早期に単語を覚えていく。するとランダム練習が単語練習に変化し、脳のリソースが尽きる事態が激減する。このため、30分、40分と練習時間を延ばすこともあった。また、練習開始直後に脳が働かない場合でも、20分くらい打ち続けることで文字や単語を強引に思い出し、更新に結び付けたこともあった。

◆単語の暗記(得意単語)

30秒練習開始後2週間ほどで[نا], [ال], [نت]というパターンを覚えてきて、1文字ずつでなくまとまりとして打てるようになってきた。他に[الا]は最初から見やすいと感じた。

その後、徐々に単語を脳と指が覚えてきた。通常版には199語しか出現しないため、単語暗記は極めて有効だ。というよりも、数百回も打ち切れば勝手に覚えていく。通常版を単語暗記で乗り切ると、10kで単語が増えた時に再び苦戦する懸念はある。だが、通常版の単語暗記はすべての基本となる。また、10kの対策を早期に開始するためにも、通常版で100wpmを早期に達成すべきと考えた。

初期段階で得意だったのは、表6に示す通り、認識しやすい単語だ。

【表6:初期段階の得意単語】

単語意味英字表記
لؤلؤ真珠gcgc
اناhkh
الاولاد男の子hb,b[
الثالثة三番目hgehgem
حجمサイズp@l
حقيقية本物/リアルprdrdm
الحقيقة真実hgprdrm
طبيب医者/医師:fdf
اللحمhggpl
اللقاء会議hggrhx

◆苦手単語の洗い出しと対策

ミスを誘発する単語や迷いやすい単語のチェックも早期から開始した。目的は、苦手単語で発生するミスやタイムロスを限りなく0に近づけることだ。具体的には、表7に示す単語が苦手単語リストに挙がった。他の単語と関連付けることも難しかったため、個別に暗記した。暗記の際には、英字表記を効果的に使った。最終的には冒頭2文字と長さを認識した瞬間に指が勝手に動くようになり、ほぼすべて加速単語に変化した。

【表7: 苦手単語リスト】

単語意味英字表記苦戦の原因対応
منخفض低いlkotq図形認識が困難苦戦したが暗記で対応(初期)
اثق私は信頼しているher同上
شمس太陽alsa/sの混同
صحيح正しいwpdppの変化に不慣れ
قليلة少し/少数rgdgmrgdbと混同
الاثنين月曜日bhekdke/aミス苦戦したが暗記で対応(中期)
اخشى私は恐れているhoan互いに混同
اخرى他の/その他hovn
زواج結婚.,h@vcdmと混同
عزيزتي親愛なるu.d.jd@.dvmと混同
مؤمن信者lclkac,kと混同
هؤلاءこれらicbx左殺し
استطيع私はできるdl;kkd右殺し/dlk;;dとミス
بعضهمそのうちの幾つかfuqil図形認識が困難苦戦したが暗記で対応(後期)
بالمناسبةところで/ちなみにfhglkhsfm長い
مستشفى病院lsjatnhsj:du, l,sdrnと混同
مغناطيس磁石lykh:dslug,lhjと混同
موضوعトピックl,q,uその他
بمجرد一度fl@v[lを先打ち/vで迷う最後まで苦戦
جزيرة@.dvmu.d.jdと混同
خشب木材/木oaf互いに混同
شخصaow
دكتور医者/医師[;j,v右殺し。,vの区別も至難
مفاجئ突然/突然のlth@zkwhzpと混同
موسيقى音楽l,sdrnlsjatnと混同

一方で、30秒ノーミスを安定させることはなかなかできなかった。そもそも25分打ってノーミスで打ち切れるのが2回程度だ。全単語のロードを終了し、疲労する前であり、主たる原因である20秒以降の脳の疲弊に耐えきり、なおかつ単語運に恵まれない限り、ノーミスで30秒耐えるのは不可能だ。対策は暗記を進めるしかなかった。ランダム文字列の認識では伸びる気がしないためだ。10kとの闘いを見据えると、初期段階から暗記に頼るのも考え物だ。だが、それ以前にこの通常版で100wpmに届かないようでは話にならない。

◆40wpm台での苦戦

10/25に40wpmを突破した。10/19に39.20wpmを出してから6日も詰まった。ヘブライ語と比較して文字の図形認識に苦戦し、なかなか覚えられなかったためだ。初期段階でここまで詰まるとは想定外だった。この段階では、脳を30秒持たせることが非常に難しかった。全199語の暗記を進めることを優先した。体で覚えた単語は嘘をつかない。練習しないとすぐに忘れるが。

ボリュームゾーンが40wpmを超えてからも、飛び抜けた記録はなかなか出ない日々が続いた。11/9時点で、「100wpm到達までに練習回数は500回以上、期間は4カ月以上必要」という見通しを立てた。焦って記録を伸ばす段階ではないと判断し、引き続き地力を上げることに注力した。ようやく50wpmを突破したのは11/12のことだった。その後は比較的順調に記録を伸ばすことができた。

◆高速化に伴い新たな課題が発生

60wpmに迫る頃、タイピング画面3行目に突入した。これにより、2回目の改行という超特大のミス爆死要因との死闘が始まった。改行前後は読み辛いし、先読みが途切れることが多いためだ。特に改行前後の単語運が悪いとなすすべなく崩壊する。改行によるロスを帳消しにするだけの加速をするか、改行前後の単語運にすべてを賭けるしかない。この2回目の改行との死闘は、結局100wpmに到達するまで続いた。

Chromeのズーム125%では、90wpm前後で4行目に突入する。即ち、3回目の改行との死闘も加わった。この段階に入ってからも、「暗記→高速化→ミス/硬直検出→修正→……」のサイクルを回し続けた。終盤にはまず間違いなく脳が死ぬ。そのような状態でも指が勝手に動いて当てられるレベルまでやり込む必要がある。それができるようになって初めて、練習のレベルを次の段階に上げることができる。

新たなパターンのミスも次々と発生した。まずは先読みした文字を先に打つミスだ。これは英語等の他の言語でも発生する典型的なミスだ。しかし、70wpmに満たない時期から発生するとは想定外だった。また、[قائمة](既存)と[دائما](いつも/常に)を部分的に混同していることに気付いた。このような例は他にも複数ある。

これらのミスについても、一つ一つ原因を考察し、対処する必要があった。基本的には、苦手箇所を素早く認識し、その直前に一拍置くしかない。もちろん悠長に1秒単位で待っている余裕は無い。この一拍を限りなく0秒に近付けていく努力が必要だ。

◆モチベーション維持策

4カ月を超える長期戦になると、モチベーションの維持が欠かせない。記録だけにこだわると、特に終盤戦では長期にわたり更新できない時期が増えるためだ。そこで、表8に示す指標を設定した。ささやかな成功体験を積み重ねることで、成長の実感を味わうとともに、執念と怨念に変換した。

【表8: 成長の実感を味わうための指標の一覧】

指標具体例
〇〇wpm以上を通算△△回出す2/8、85wpm以上を通算50回
〇〇wpm以上を1セットに複数回出す1/17、1セットに85wpm以上を2回
1/21, 1セットに85wpm以上を3回
2/11、1セットに95wpm以上を2回
結果表示画面の「やや遅い単語」が100wpm突破1/18に達成
結果表示画面の「遅い単語」が100wpm突破2/8に達成
100wpmを維持できる時間を伸ばす1/25、16秒まで100wpm維持
1/31、17秒まで101wpm維持
2/11、29秒まで101wpm維持
2/12、15秒まで109wpm維持
Top10から〇〇wpm未満を駆逐する1/19、85wpm未満を駆逐
2/1、90wpm未満を駆逐
2/14、94wpm未満を駆逐

Top100から〇〇wpm未満を駆逐する(そもそも85wpm以上を71回しか出していない)
タイピング画面で3行打ち切る1/12に達成
結果表示画面で2行打ち切る達成できず
連続5単語以上で平均〇〇wpm以上の加速を決める1/19、連続5単語で134wpm
2/11、連続10単語で144wpm
かつての苦手単語を加速単語に変える

◆100wpm達成

2/14の日記から抜粋する(一部改変)。

アラビア語lazy、100.39wpm! 100wpm突破!!!!!

画像はこちら。11日の記録を0.76wpm更新し、76言語目の100wpm突破を果たした。

10秒時点で100wpmとスタートダッシュは今一つ。しかし単語運に恵まれ、中盤に超気持ち良く加速した。17秒時点で107wpmまで上げると、18秒まで105wpm、24秒まで103wpm、27秒まで101wpmを維持した。最遅単語群は[<98]と今一つ。序盤[انتظر]で97wpm, [ذلك]で88wpm, [هيئة اللقاء لعبة (改行)]で94wpm, 101wpm, 101wpm、中盤[انظروا]で97wpm, [تتصل (改行)رغم جيد]で84wpm, 100wpm, 102wpm、終盤[اللحم]で84wpm, [بخير درجة]で98wpm, 72wpm、ミス爆死率の高い難関[رفاق (改行)]を偶然しのいで68wpm, [معلومات]で103wpmと失速した。一方、序盤[مساعدة الاسئلة غاضب]で116wpm, 123wpm, 109wpm、1語置いて[الهاتف صديقي الطاقة خشب]で143wpm, 142wpm, 104wpm, 107wpm、中盤[الهاتف يعتقدون انت القادمة الاولاد الذهاب يمكنني قصة]で平均135wpm、終盤[قليلا يعتقدون هذا الاثنين]で117wpm, 127wpm, 111wpm, 144wpm, [وظيفة يمكنني]で129wpm, 163wpm, [الثالثة]で155wpmと加速を決めた。最後は[هذا]を116wpmで叩き込んだ。あと1文字足りなかったら100wpmに届かなかった。ここまで18分を要した。

◆練習結果

2025年10月〜2026年2月の練習結果を図1に示す。127日目(実質119日)、494回目の練習で100wpmを突破した。期間中、打たなかったのは12/4, 7, 17, 1/3, 30, 2/2-4の計8日である。即ち、1日あたり約4.15回ノーミスを出した。文字をゼロから覚えたため、50wpm達成までは伸び悩んだ。しかしその後のグラフはほぼ直線になった。即ち、極めて順調に成長したと言える。

100wpm到達前に85wpm以上(ノーミス。以下同様)は71回、90wpm以上は32回、95wpm以上は8回出した。朝鮮語/韓国語ほど苦戦せずに済んだ。とはいえ、ギリシャ語ヘブライ語よりは苦戦した。

【図1: monkeytypeのアラビア語の練習回数と速度の成長】

常にノーミスを出せたわけではない。その陰には、ミス爆死したトライアルや、大硬直して絶望した挙句Escを叩いたトライアルが、monkeytypeでcsv出力できただけで630回もある(1日あたり約5.29回)。図2の青い点はノーミス、赤い点はミス爆死やEscを含むトライアルを示す。最初の数秒でEscを叩いて無効になった(記録されなかった)トライアルも含めれば、さらに大量にあると思う。

【図2: monkeytypeのアラビア語の練習回数と速度の成長(ミス爆死等を含む)】

表9に時系列の主な更新履歴を示す。1日あたりの練習回数(即ちノーミス達成回数)は、速度が向上するに伴いむしろ減少した。更新を意識してびびりまくり、終盤にミス爆死するケースが激増したためだ。40wpm台を抜けるのに18日を要した。1/8に86.00wpmを出してから90wpm到達までにも16日を要した。

【表9: monkeytypeのアラビア語の主な更新履歴】

日付回数速度(wpm)
10/11(Sat)112.79
10/11(Sat)1022.80
10/14(Tue)2530.40
10/18(Sat)4637.60
10/25(Sat)8640.40
11/5(Wed)15445.99
11/12(Wed)18551.58
11/19(Wed)21855.18
11/20(Thu)22261.58
12/3(Wed)27665.59
12/14(Sun)31270.39

日付回数速度(wpm)
12/21(Sun)34076.41
1/2(Fri)37980.43
1/8(Thu)39286.00
1/12(Mon)40587.61
1/19(Mon)42988.83
1/22(Thu)43689.21
1/24(Sat)44089.98
1/24(Sat)44191.23

日付回数速度(wpm)
1/25(Sun)44492.00
1/28(Wed)45592.01
2/1(Sun)46493.21
2/5(Thu)46794.03
2/8(Sun)47395.99
2/11(Wed)48196.00
2/11(Wed)48699.63
2/14(Sat)494100.39

※回数とは、そのトライアルまでの累計のノーミス達成回数。その日までの練習回数やノーミス達成回数とは必ずしも一致しない。


●monkeytypeのエジプトアラビア語で100wpmを目指せ!(2026/2/15〜5/26)

通常版で100wpmを達成した直後にエジプトアラビア語の練習を開始した。理由は、高々199語にしか習熟していない段階で、9281語を擁するアラビア語10kにいきなり挑むのは敷居が高いと考えたためだ。アラビア語1kや5kがあれば良いのだが、なぜか10kしかない。一方、他にエジプトアラビア語、エジプトアラビア語1k、モロッコアラビア語が存在する。他の言語での経験上、通常版→1k→10kというステップアップが妥当であることを考慮し、エジプトアラビア語→エジプトアラビア語1k→アラビア語lazy 10kと進めることにした。モロッコアラビア語は、アラビア語10kで100wpmを達成した後にさくっと達成すれば良さそうだ。

加えて、Intersteno2026の期間と重なったことから、当面はアラビア語にすべてのリソースを割くことができない。従って、比較的負荷の低いと思われるエジプトアラビア語を選択した。

◆出現文字および単語の分析

まずはアラビア語lazyの時と同様にして、打ち方の調査から開始した。その結果、以下の相違点に気付いた。総括すれば、アラビア語lazyよりも難易度が低い。このため、アラビア語lazyよりも先にエジプトアラビア語を練習する手もあったかもしれない。

【表10: アラビア語lazyとの相違点】

・[ئ][ؤ][ث][ذ][ظ]が出現しない。つまり出現する文字は29文字
・発音記号を表す特殊文字が存在しない。このため、lazy modeにする必要がない。
・Spaceを含む単語が存在する。即ち、見かけ上の単語の長さがやや短くなる。

意味の調査も少しずつ進めていった。

◆210語通し練習

210語通し練習は最初からタイムアタックとして実施した。2/23に5分を、3/13に4分を、4/15に3分を切り、最終的に2分36秒まで詰めた。アラビア語lazyよりも単語数が多いのにタイムは短縮された。これは、文字数が平均的に短いためと考えられる。3/25に1語あたり1秒切りを達成した後も順調に記録を縮めた。だが、5/26にエジプトアラビア語で100wpmを達成して1kに移行したため、エジプトアラビア語の210語通し練習は一旦終了とした。

また、ミスタッチは最終的にほぼ根絶した。3/11に初めてノーミスで打ち抜けた。その後も21回ほどノーミス打ち切りを達成した。210語しかなく、1文字1打鍵対応であり、単語の暗記が比較的順調に進んだためと考えられる。

また、Intersteno2026の期間と重なったため、210語通し練習に加えて1日25分の30秒練習のみを淡々と継続した。Intersteno期間中にも少しずつ確実に伸びていったため、100wpm達成に関して心配はしていなかった。但し達成時期は延びた。仮にエジプトアラビア語に注力することができていたら、4月中に100wpmを達成していただろう。しかし実際には5月末までずれ込んだ。

◆モチベーション維持策

3カ月を超える長期戦になると、モチベーションの維持が欠かせない。記録だけにこだわると、特に終盤戦では長期にわたり更新できない時期が増えるためだ。そこで、表11に示す指標を設定した。ささやかな成功体験を積み重ねることで、成長の実感を味わうとともに、執念と怨念に変換した。

【表11: 成長の実感を味わうための指標の一覧】

指標具体例
〇〇wpm以上を通算△△回出す5/19、85wpm以上を通算50回
〇〇wpm以上を1セットに複数回出す4/15、1セットに85wpm以上を2回
4/26、1セットに90wpm以上を2回
5/13、1セットに95wpm以上を2回
結果表示画面の「やや遅い単語」が100wpm突破4/13に達成
結果表示画面の「遅い単語」が100wpm突破5/16に達成
100wpmを維持できる時間を伸ばす4/24、15秒まで100wpmを維持
5/13、19秒まで100wpmを維持
5/19、20秒まで105wpmを維持
5/19、24秒まで100wpmを維持
5/24、27秒まで100wpmを維持
5/25、21秒まで105wpmを維持
5/25、28秒まで100wpmを維持
Top10から〇〇wpm未満を駆逐する4/21、85wpm未満を駆逐
5/10、90wpm未満を駆逐
5/26、97wpm未満を駆逐

Top100から〇〇wpm未満を駆逐する(そもそも85wpm以上を64回しか出していない)
タイピング画面で3行打ち切る4/7に達成
結果表示画面で2行打ち切る達成できず
連続5単語以上で平均〇〇wpm以上の加速を決める
かつての苦手単語を加速単語に変える

◆100wpm達成

5/26の日記から抜粋する(一部改変)。

エジプトアラビア語、102.84wpm! 100wpm突破!!!!!

画像はこちら。17日の記録を3.22wpm更新し、ようやく100wpmを突破した。予想通り、100wpmギリギリの達成ではなく、小爆発となった。終盤の落ち込みを想定し、20秒まで106wpmを維持した。終盤の単語運にも恵まれた。

TOP10から97wpm未満を駆逐した。14秒まで106wpmを維持した。17秒時点で102wpmまで低下するも、20秒時点で106wpmと立て直した。その後24秒時点で103wpm、28秒時点で102wpmを維持した。最遅単語群は[<109]で、23日の記録を1wpm更新した。序盤[كتب]で119wpm, [مكان دول (改行)جاي]で98wpm, 112wpm, 94wpm、中盤[عشرة ممكن زي]で74wpm, 105wpm, 100wpm, [بس]で109wpm, [كلم]で98wpm, [(改行)كله رايح]で114wpm, 117wpm、終盤[مش]で117wpm, [فتح بيتزا]で119wpm, 119wpm, [بس]で102wpm, [(改行)عايز ستة بيعمل]で102wpm, 117wpm, 111wpmと失速した。一方、開幕[برا ده ليه كباب كتير قوي حبيبتي حمام خمسة سيب امي]で平均151wpm、1語置いて序盤[وقف قعد مطعم]で131wpm, 231wpm, 126wpm、中盤[شهر طويل ازيك شوية]で168wpm, 120wpm, 122wpm, 140wpm、終盤[على مهلك اشتغل سبعة]で143wpm, 165wpm, 158wpm, 139wpm、1語置いて[فاهم شال ستة]で201wpm, 146wpm, 166wpm、最後[كبير اللي ساعة هما يمين شقة طويل]で平均141wpmと加速を決めた。ここまで17分を要した。

◆練習結果

2026年2〜5月の練習結果を図3に示す。101日目(実質94日)、249回目の練習で100wpmを突破した。期間中、打たなかったのは3/28, 4/1, 29, 5/3-5, 11の計7日である。即ち、1日あたり約2.65回ノーミスを出した。Intersteno2026の裏で限定された練習しかできなかったのにもかかわらず、期間も回数も少ない状況で100wpmに到達した。通常版での経験があったため、そしてエジプトアラビア語の難易度が通常版よりも低かったためと考えられる。グラフはほぼ直線になった。即ち、極めて順調に成長したと言える。

100wpm到達前に85wpm以上(ノーミス。以下同様)は64回、90wpm以上は38回、95wpm以上は15回出した。

【図3: monkeytypeのアラビア語の練習回数と速度の成長】

常にノーミスを出せたわけではない。その陰には、ミス爆死したトライアルや、大硬直して絶望した挙句Escを叩いたトライアルが、monkeytypeでcsv出力できただけで212回もある(1日あたり約2.26回)。図4の青い点はノーミス、赤い点はミス爆死やEscを含むトライアルを示す。最初の数秒でEscを叩いて無効になった(記録されなかった)トライアルも含めれば、さらに大量にあると思う。

【図4: monkeytypeのアラビア語の練習回数と速度の成長(ミス爆死等を含む)】

表12に時系列の主な更新履歴を示す。1日あたりの練習回数(即ちノーミス達成回数)は、速度が向上するに伴いむしろ減少した。更新を意識してびびりまくり、終盤にミス爆死するケースが激増したためだ。5/13に99.20wpmを出してから100wpm突破までに13日を要した。結果的に、100wpmギリギリではなく、大きく上回る記録を出すことができた。この分の余裕は、1k攻略時に効いてくるだろう。

【表12: monkeytypeのエジプトアラビア語の主な更新履歴】

日付回数速度(wpm)
2/15(Sun)136.81
2/15(Sun)444.00
2/17(Tue)1646.00
2/20(Fri)3252.01
2/21(Sat)4157.20
2/27(Fri)6361.60
3/6(Fri)9370.41

日付回数速度(wpm)
3/14(Sat)11071.60
3/19(Thu)12374.43
3/19(Thu)12480.39
4/6(Mon)16782.80
4/10(Fri)17285.19
4/13(Mon)17887.59
4/20(Mon)18890.43

日付回数速度(wpm)
4/26(Sun)19991.21
5/9(Sat)20994.40
5/13(Wed)21599.20
5/17(Sun)22999.62
5/26(Tue)249102.84

※回数とは、そのトライアルまでの累計のノーミス達成回数。その日までの練習回数やノーミス達成回数とは必ずしも一致しない。


●monkeytypeのエジプトアラビア語1kで100wpmを目指せ!(2026/5/27〜8/XX)

エジプトアラビア語通常版で100wpmを達成した直後に1kの練習を開始した。このため、1kでは最初から40wpm前後打つことができ、初日に50wpmに迫った。一方、通常版では単語慣れ(というよりも単語暗記)により攻略できた部分が多かった。このため、単語が増えると50wpm程度しか打てず、これが実力相応の結果だったという見方もできる。1kでは改めて単語慣れ(というよりも頻出文字/シーケンスへの慣れ)を進めるとともに、アラビア文字自体への慣れが不足していた部分を補うことにより、徐々に100wpmに近づいていった。

基本的には、通常版と同様のアプローチで臨んだ。しかしそれだけでは対応できないところも存在した。ここでは1kで新たに採用した、あるいは新たに判明した内容を記載する。

◆出現文字および単語の分析

練習開始に先立って、出現文字の分析を実施した。その結果、[ؤ]が出現しない一方で、[أ][إ][لأ]が出現することが判明した。

1kには1141語が出現する。この1141語がエジプトアラビア語通常版の210語とどの程度重複するのか調査した。結果はわずか7語。アラビア語通常版との重複も7語のみだった。即ち、朝鮮語/韓国語と同様、1kで通常版の成果を使って少しだけ楽をすることはできない。従って、1000語以上をゼロから暗記する必要がある。この時点で、1〜2カ月で100wpmに到達するのは難しいという見通しを立てた。

一方で、表13に示す通り、頻出する語尾に気付いた。頻出するということは練習の頻度も上がるため、習得しやすい。

【表13: monkeytype arabic egypt 1kで頻出する語尾】

語尾意味具体例
無し〜するuhg@(治療する)
j私は〜したuhg@j(私は治療した)
ji私は彼を〜した/彼は〜したuhg@ji(私は彼を治療した)
jil私は彼らを〜した/彼らは〜したuhg@jil(私は彼らを治療した)
jdkd貴方は私を〜したuhg@jdkd(貴方は私を治療した)
kh私達は〜したuhg@kh(私達は治療した)


●参考文献

アラビア語 (Wikipedia)
アラビア文字 (Wikipedia)
 →アラビア語およびアラビア文字に関する一般的な知識を得るため、最初に参照しました。

Unicode
 →アラビア文字のHTML表記を調査する際に使用しました。URLの末尾にUnicodeを追加すると、例えば[ا](Unicode: U+0627)はこちらのように表示されます。ちなみにUnicodeは、当該文字を検索するなり、MSKLCに張り付けるなりすれば表示されます。

Home - instant tools
 →出現文字別の分類と集計に文字出現頻度分析ツールを使用しました。このツールは、アラビア語のみならず多言語の解析に、以前から大変役立っています。


●各種資料

monkeytype:出現文字・単語の分析資料
 →monkeytypeのarabic, arabic egpytに出現する単語の各種情報を調査・分析した資料。

monkeytype:練習実績とグラフ
 →monkeytypeのarabic, arabic egyptの練習実績を集計し、グラフを描画した資料。


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