MEGAlingua 2026:レポート(2026.6.20-9.30)



・MEGAlingua 2026とは
・筆者の結果
・参加のきっかけ
・戦略
・昨年からの変更点への対応
・戦術
・感想(というよりも反省)
・参考文献・謝辞
・各種資料


●MEGAlingua 2026とは

Klavogonkiをプラットフォームとして開催される多言語タイピングの大会である。

大会詳細はこちら。

公式ランキングはこちらとこちら。(※9/28時点の暫定版。最終結果が集計され次第更新予定)

【概要】

・6/20-9/30の約3カ月に100言語を打ち、1cpm=1点として合計得点を競う(一部例外あり)。
・各言語に300回まで(ロシア語、英語、数字は100回まで。一部例外あり)参加可能。期間内に打った中で最も高速なトライアルのみがカウントされる。
・ミスによる減点は無し。
・ほとんどの言語において、事実上初見文章を打つ。数百〜数千もの文章が登録されているため。
・500cpm以上を出した場合、チート対策テストに合格する必要がある(ベトナム語、ナバホ語、ヘブライ語等を除く)。
・メインイベントと別に、ミニイベントが開催された。数字やランダム文字列等の5分野で合計得点を競う。


●筆者の結果

【表1:メインイベントの主な結果】

分類言語数総得点完走言語の平均速度総得点の順位
ラテン文字使用言語59/59(-1/-1)34381(-1023)582.73cpm(-7.34)暫定1位
キリル文字使用言語25/25(-1/-1)13235(+470)529.40cpm(+38.44)暫定1位
その他8/16(0/+2)2547(-42)318.38cpm(+5.25)暫定1位
合計92/100(-2/0)50163(-595)545.25cpm(+5.27)暫定1位

※順位は9/28時点のもの。最終結果が集計され次第更新予定。
※()内は昨年比。
※ロシア語、ウズベク語、カザフ語はラテン文字とキリル文字の両方あり、良い方を採用する。よってラテン文字言語数、キリル文字言語数は人により違う。筆者はロシア語をキリル文字、ウズベク語とカザフ語をラテン文字で打鍵した。
※日本語は漢字かな交じり文、ローマ字ヘボン式、ローマ字訓令式、かなのうち最も高い結果を採用する。筆者はローマ字ヘボン式。
※日本語の漢字かな交じり文は速度を3倍、かなは1.5倍、朝鮮語/韓国語は2.5倍(小数点以下は四捨五入)して得点とする。

総練習回数は暫定1490回だった。昨年の練習回数と合わせて、大会参加要件とされていた2000回は超えた。1言語あたりの練習回数は平均16.2回、最高82回(ニヴフ語)、最低1回(インドネシア語、トキポナ)だった。また、達成速度ごとの言語数は表2に示す通り。

【表2:達成速度ごとの言語数】

達成速度言語数備考
750cpm1(+1)英語
700cpm4(+2)トキポナ、日本語、イタリア語
650cpm16(+4)デンマーク語、フランス語等
600cpm34(-)ウォロフ語、タガログ語等
550cpm56(+8)スロバキア語、古典ラテン語等
500cpm68(-4)アゼルバイジャン語、タタール語等

ミニイベントの主な結果は表3に示す通り。

【表3:ミニイベントの主な結果】

分類言語数得点順位
1. 国と首都1/2607.2(506cpm×1.2)1位
2. 長い単語1/6629.2(605cpm×1.04)6位
3. 大文字小文字1/8627.3(369cpm×1.7)1位
4. 数字6/7669.1(531cpm×1.26)1位
5. すべてのキー2/12582.0(194cpm×3.0)1位
合計11/353114.81位


●参加のきっかけ

ロシアの高速タイピスト、Dashaさん(Intersteno2024の銀メダリスト)からお誘いを頂いたため。

monkeytype、TypeRacer、Interstenoで鍛えてきた多言語タイピング能力がどこまで通用するか試してみたかったため。


●戦略

優先順位は表3に示す通り。

【表3:優先順位】

優先順位項目
1メインイベントの総合得点
2メインイベントの総合順位
3ミニイベントの総合得点、総合順位
4その他(完走言語数、500cpm達成言語数、総練習回数、最高速度、正確性)

タイピングにおいて、筆者は特定の分野(例:英語の最高速度)に特化したスペシャリストではなく、総合力で勝負するゼネラリストを志向している。本大会においても、己の強みを最も活かせる分野が総合得点である。総合得点を伸ばせば、総合順位もついてくると考えた。

今回は、メインイベントとは別にミニイベントが開催された。数字やランダム文字列といった、多言語タイピングとは違った分野で速度を競う趣旨だ。競技内容はタイプウェルオリジナルに近く、筆者にとっては得意分野の一つである。だが、メインイベントに注力する以上、ミニイベントにはあまり時間を割けない。

その他の項目の優先順位は下げた。特に100言語完走や500cpm達成言語数については、時間不足という理由から最初に削った。これらは今回だけでなく、今後数年かけて取り組むべき課題である。総練習回数についても、学生やFIRE民と比較して時間が取れないことと、「ミスした瞬間に棄権」という練習スタイルにより不利になることを鑑みた結果、やはり最初に削った。

最高速度については、苦手分野であるという理由で優先順位を下げた。最も速度を期待できる英語でも、monkeytype(30秒)で810cpm、TypeRacerで781cpm、タイプウェル英単語で818cpmという自己ベストを鑑みると、Klavogonkiでの到達点は800cpm前後と見込まれる。だが、世界どころか日本国内でさえも、この速度ではもはや勝負にならない。

正確性は、得意分野である。だが、今回に限っては総合得点や総合順位を優先するため、正確性の優先順位を下げた。英語をはじめとする多数の言語では、結果的にノーミスで打ち切って自己ベストを出すことになるだろう。だが、難関言語や、初めて挑戦する言語に関しては、そもそもノーミスで打ち切ること自体が困難であると予測された。

時系列の計画は表5の通り。短期集中ではなく、全期間を通してイーブンペースで着実に刻んでいく。また、キリル文字使用言語のリハビリが遅れた昨年の反省を踏まえ、ラテン文字使用言語とキリル文字使用言語を並行して打つことにした。

【表5:時系列の計画】

時期内容
6月準備。比較的容易に500cpmを達成できる言語を一通り打ち、テストに合格しておく。
monkeytypeやTypeRacerで用いた配列をそのまま使えるか、各言語に癖があるか等の確認
7月ラテン文字使用言語、キリル文字使用言語を高速言語から順に打つ
8月同上
9月忘れている言語(朝鮮語/韓国語、ギリシャ語等)のリハビリ。余裕があれば新たな言語に手を出す

実際の推移は表6に示す通り。

【表6:実際の推移】

時期言語数総得点平均コメント
6/19まで00-特に準備無し。モチベーションが上がらず
7/13まで1610231639.4高速言語を中心に。ミニイベントの数字も打った。7/2-10の間は参加できず。
7/20まで2616440632.3ロシア語で614cpmを出し、終了とした
7/31まで4226112621.7Interstenoの言語を概ね終了
8/10まで4930420620.83万点突破
8/19まで5735051614.93.5万点突破。高速言語はここまでで概ね終了
8/31まで6740054597.84万点突破。アラビア語に着手
9/10まで7644292582.8ラテン文字・キリル文字の難関言語に着手
9/19まで8146813577.9ニヴフ語テスト撃破! 新規言語に着手
9/23まで8748741560.2連休を利用し、ラテン文字の新規難関言語の配列作成。ギリシャ語に着手
9/30まで9250163545.3残った言語を取捨選択し、スコアを最大化

全期間を通して均等に刻んでいくというレースプランは今一つ機能しなかった。理由は、高速言語を先に打ったためだ。また、基本的に昨年の記録を更新することを目標としていたため、言語によっては日数を要した。その結果、思うように伸びない日もあった。一方、昨年と比較して上位陣の伸びが鈍く、筆者が1位である期間が長かった。従って、昨年以上に自分との戦いに終始した。結果的に、高いモチベーションを維持し、9月に入ってからもほぼ毎日着実にスコアを積み上げ続けた。


●昨年からの変更点への対応

メインイベントの主な変更点は表7に示す通り。

【表7:メインイベントの主な変更点】

変更点詳細
10言語が追加ヌクサルク語、セムヒ語、ビン語、イスクイル語、タア語/コン語、brainfck、
エヴェンキ語、ルーン語、タイニャ語、インクティトゥック語
6言語が除外カタルーニャ語、アフリカーンス語、ハウサ語、コサ語、ケット語、タジク語
4言語が事実上除外(※)セルビア語(キリル)、ハワイ語、ノルウェー語、イディッシュ語
日本語にかな入力が追加係数1.5。但しローマ字入力のスコアを上回る必要あり

※それぞれクロアチア語、マオリ語、デンマーク語、ヘブライ語のスコアを上回れば集計に反映されるが、事実上困難。

昨年大会では、除外された10言語(事実上の除外を含む)で計5747点を稼いでいた。しかも、イディッシュ語を除く9言語で500cpm以上である。しかし、このスコアを新規追加された10言語で稼ぐのは困難だった。実際に取り組んだのは表8に示す7言語で、計2589点に留まった。うち500cmを超えたのはエヴェンキ語とヌクサルク語のみである。

【表8:新規言語への挑戦】

言語スコア備考
エヴェンキ語529配列を新規作成。超難関のテストも撃破
ヌクサルク語506ヌーチャヌルス語配列をベースに配列作成。超難関のテストも撃破
セムヒ語462配列を新規作成。ベトナム語の経験が活きた
ビン語369配列を新規作成。中国語(ピンイン)の経験が活きた
イスクイル語362配列を新規作成。チェコ語+ルクセンブルク語+トルコ語の経験が活きた
タア語/コン語213配列を新規作成。新たな文字に苦戦
brainfck148以前monkeytype用に作成した配列を使用。
[<][>]が[&lt;][&gt;]と表示されるバグに苦戦
合計2589

即ち、5747-2589=3158点のマイナスが発生する。この差を補うため、既存言語の記録を更新しようと努めた。その結果は以下の通り。計2563点詰めたものの、結局595点及ばなかった。

【表9:既存言語の結果】

分類言語数総得点昨年比
ラテン文字使用言語(ロシア語除く)5332321+1264
キリル文字使用言語(ロシア語除く)2312092+931
ロシア語1614+7
その他82547+361
合計8547574+2563

※ロシア語は、昨年はラテン文字、今年はキリル文字で打鍵した。
※その他には、新規に打ったアラビア語を含む。

未挑戦言語は8言語だった。今年追加されたルーン語、タイニャ語、インクティトゥック語に加えて、昨年から挑戦していないタミル語、ジョージア語、ヒンディー語、ディベヒ語/モルディブ語、ベンガル語である。これらの言語については、図形認識すら困難だった。図形認識配列を完成させることも、現地の配列を習得することも、短期間では困難だ。これらの言語で30cpmほど稼ぐよりも、朝鮮語/韓国語等を30cpm伸ばす方がまだ費用対効果が高いと判断した。

サブイベントは、表10に示す5カテゴリーで実施される。数字を除いて、それぞれ英語とロシア語がある。各カテゴリーには複数の種目が含まれ、それぞれ難易度により係数が設定されている。その係数を乗算した上で、各カテゴリー内の最高記録のみを集計する。この集計は、メインイベントの100言語とは別枠で実施される。

【表10:サブイベントの概要】

分類備考
1. 国と首都先頭が大文字。[-][(][)]あり
2. 長い単語、複雑な単語
3. ランダム文字列記号無し
4. 数字種目により[,]あり
5. 大文字小文字、すべてのキー

筆者はメインイベントに多くのリソースを割いたため、サブイベントの中でそこそこ打ち込んだのは「4. 数字」のみである。他のカテゴリーでは、最も費用対効果の高そうな種目を1〜2回だけ流し打つに留まった。


●戦術

(1) 文章の選択

記録を狙うには、速度の出やすい文章を選択する必要がある。一般的に速度の出やすい文章とは、「短い文章」「打ち辛い文字や記号が少ない文章」である。

文章の長さは、言語により若干の違いはあるものの、平均4〜5行、範囲は3〜6行である。Klavogonkiでの記録狙いに慣れてくると、4行以上は長いと感じるようになる。実際には、monkeytype(30秒)の約400打鍵、タイプウェルの400打鍵と比べるとやや短いのだが。monkeytypeやタイプウェルでも、終盤に疲労やびびりから崩壊することがよくある。Klavogonkiの文章でも、経験的に最終行には大文字や特殊文字が集中し、崩れることが多い気がする。

打ち辛い文字や記号の筆頭が、大文字全般、そしてShiftを使う記号や一部の特殊文字である。このため、特に問題となるのが固有名詞や会話文が多い文章である。これらは出現率が高い上、非常に打ち辛い。InterstenoのようにShiftを使う文字が1文字2点ならまだしも、Klavogonkiでは1文字1点と考えられる。従って、これらが多ければ多いほどスコアが伸びない。必然的に、固有名詞や会話文が少ない文章を狙うことになる。なお、言語によってはデッドキーを用いる文字もあるが、基本的に出現頻度が低いため何とかなる。

言語によっては、記録を狙える文章が非常に少ないことがある。特にケチュア語では出現率1/750の文章を狙うことになり、非常に不毛だった。

(2) テストへの対策

(1)に述べた内容は、テストにも当てはまる。初めて500cpmを超えた場合や、既に認証されている速度の1.2倍を超えた場合には、チート対策テストが表示される。これに合格して認証済み速度の上限を更新しない限り、記録が公認されることは無い。ヘブライ語等の一部の例外を除き、MEGAlingua 2026の集計にも反映されない。テストの文章は、
TypeRacerのテストと同様、非常に読み辛い。さらに、TypeRacerのテストと違って、正確性100%で終了させる必要がある。ミスタッチした場合はBSで修正できる。ゴール時点でミスが残った場合、5秒の待ち時間の後にミスを修正する必要があり、所要時間に追加される。特に文字装飾の多い言語の場合、文字の判別が著しく困難である。筆者はChromeのズーム125%を用いたが、ろくに見えなかった。ズーム150%でも一部の言語に大苦戦した。幸いなことに、TypeRacerのテストと違っていつでも何度でも挑戦できる。このため、言語によっては10回以上の失敗を経て認識しやすい文章を待ち、かつノーミス(レベルによってはノーミスタッチ)で打ち切れる運を待ち、無理矢理合格した。

ニヴフ語、エヴェンキ語、ヌクサルク語では、テスト時のフリーズに悩まされた。特定の後置特殊文字でミスした場合、打鍵終了後にEnterを入力しても結果が表示されず、フリーズする。大抵の場合、後置特殊文字の見落としが原因だ。合格するには、試行回数を増やすしかなかった。その結果、特定の後置特殊文字が含まれない文章が出現したり、仮に出現してもその位置を覚えていたりするケースが徐々に増え、合格に近づいていく。

(3) 本番の実施

MEGAlingua 2026ではInterstenoと違って、本番という概念が存在しない。大会期間内であれば各言語をいつでも何度でも打てるからだ(上限はあるが)。しかし、「平日に練習、休日に本番」「本番にピークを持っていく」という基本的な考え方は適用できた。よってその内容を記載しておく。

ベストの体調で、ベストの時間帯に実施する。即ち、仕事・育児・家事と重ならず、かつ身体が覚醒しているタイミングで実施する。筆者は休日の夕方に実施することが多かった。朝や午後一はやめておく。脳が働かず、指の動きも鈍く、速度も正確性も低下するためだ。よって朝や午後一にはリハビリに専念し、脳の働きと指の動きを取り戻す。一方、昼間に仕事や登山・ランニングをした場合や、リハビリが不充分な場合、眼精疲労や脳・腕・指の疲労が蓄積している場合には本番の実施を避ける。

実際には1日に7〜10言語程度打った。すべての言語で本番に臨むわけではない。複数の(似た)言語を集中的に数日練習し、主に休日に更新を狙う。

さらに、1言語あたり10分程度の集中した練習時間を確保する。これは、本番で使用する配列に確実にセットすると同時に、他の言語との混同を避けるためだ。また、言語ごとに頻出する文字や単語、シーケンスが異なるため、本番の直前に目と指を充分に慣らしておく必要がある。このようにして、本番にピークを持っていく。

(4) 昨年の記録の更新

新規言語を除けば昨年の実績が既に存在するため、格好の目標となった。配列の作成が終了しており、頻出シーケンスも何となく覚えている。その状態で練習を積み重ねれば、更新は充分に可能だ。但し、文章運に恵まれまくって出した記録は、そう簡単に破れるものではない。実際には、昨年から引き続き存在する90言語のうち、表11に示す8言語を除く82言語で更新に成功した。

【表11:昨年の記録を更新できなかった8言語】

言語20252026増減要因
ヘブライ語506443-63丸一年打っていなかった
イタリア語724701-23昨年の爆発スコアが遠かった
インドネシア語655646-9大きく遅れなかったため妥協
ケチュア語644640-4
ズールー語626623-3
フランス語692690-2
ラオス語110107-3同上。3日のリハビリ期間でむしろよくやった
タイ語9793-4同上。2日のリハビリ期間でむしろよくやった

一方で、表12に示す12言語では、昨年から50以上伸びた。

【表12:昨年の記録を50以上更新した12言語】

言語20252026増減要因
アラビア語0285+285昨年10月から挑戦開始。まだ道半ばだが
朝鮮語/韓国語337.5447.5+1105日かけてリハビリ。昨年は20分
ナバホ語350444+943日かけてリハビリ。昨年は1日
ニヴフ語424509+859日を要したが500突破、超難関のテストも撃破!
マルタ語540611+71文章運
バシキール語424493+698日を要したが最終日に大爆発
アブハズ語387452+6513日を費やしたが苦手意識を払拭
カラチャイ・バルカル語502562+60昨年は明らかにやり込み不足
スロバキア語536595+59
キルギス語501555+54
アディゲ語398451+53
コミ語451502+51

アラビア語への挑戦の詳細はこちら。将来はKlavogonkiでも500cpmを目指す。朝鮮語/韓国語でもこちらに示す通り過去にTypeRacerで250cpm(英語換算500cpm)まで達成しており、Klavogonkiで200cpm(係数2.5を掛けて500点)に到達する可能性は充分にある。

他にはキリル文字使用言語を重点的に底上げした。ロシアの大会ということもあり、monkeytypeやTypeRacerに出てこない多様なキリル文字使用言語を楽しむことができた。結果的に、キリル文字を使用する25言語をすべて450cpm以上に引き上げた。うち18言語は500cpm以上だ。一方、比較的難易度の低いブルガリア語、ウクライナ語、マケドニア語では600cpm突破を目指したが、今年は届かなかった。


●感想(というよりも反省)

(1) ログイン失敗の問題

7/2にKlavogonkiから勝手にログアウトされ、かつログインできなくなった。心当たりのあるパスワードを入力しても入れない。また、登録時のメールアドレスを入力しても、[Игрока с адресом XXXXXXXX@gmail.com не существует.](XXXXXXXX@gmail.comというメールアドレスを持つプレイヤーは存在しません。)と表示される。

Dashaさんに問い合わせるなどしてようやくこのトラブルを解決したのは7/10のことだった。7/10にはログイン確認と簡単なテストのみ実施したため、結局9日にわたりMEGAlingua 2026に参加できなかった。昨年よりも大会期間が11日増えたのに、このトラブルでほぼ帳消しになった。

原因は、Klavogonkiの仕様により、登録時のメールアドレスの[@]より前にある文字列から[.]を除く必要があったことだ。Dashaさんによると、登録時のメールアドレスが分からなくなった場合にも新たなメールアドレスと既存のアカウントとの紐付けという形で対応可能とのこと。

(2) ロシア語等はキリル文字で打つべきでは?

ロシア語では、キリル文字のみを集中的に練習した。2月に620cpmまで出していたため、可能な限りこの記録に近い記録を出すことを目指した。結果は614cpm。このスコアを出すまでに中断を挟んで1カ月近く要しており、費用対効果の観点からここで妥協した。ラテン文字を打つ余裕は無かった。やり込めば、昨年の607cpmを更新できた可能性はある。

ウズベク語やカザフ語では、ラテン文字でそれぞれ633cpm、566cpmを出してしまった。このため、キリル文字で挑戦するモチベーションが失われた。挑戦すれば500cpm付近までは出せたかもしれない。だが、ラテン文字の記録を破るのは非現実的と判断した。

これらの言語は本来キリル文字で打つべきであり、ラテン文字の記録は参考扱いで良いと思う。

(3) Interstenoの難関言語の底上げ

具体的にはスロバキア語、ポーランド語、チェコ語、ハンガリー語だ。昨年はいずれも550cpmに満たなかった。練習回数もそれぞれ8,7,10,1回と甘かった。従って、今年はまずこの4言語を時間をかけて打ち込むことにした。その結果、いずれも40cpm以上更新した。特にスロバキア語は595cpm、ハンガリー語は591cpmまで伸び、600cpmを狙える位置まで来た。練習回数はそれぞれ13,33,11,7回だった。

(4) 昨年の心残りの解決

ベトナム語、ギリシャ語、朝鮮語/韓国語については、昨年は実質1日で練習を終えてしまった。練習回数もそれぞれ7,8,9回と甘かった。配列を忘れていて、リハビリに時間がかかるため適当なところで妥協した。従って、今年はこの3言語についてもやり込むことにした。その結果、特に朝鮮語/韓国語は(速度を2.5倍換算後に)110点も伸び、大会期間末期に5万点に到達する原動力となった。ベトナム語は35cpm、ギリシャ語は27cpm伸びた。練習回数はベトナム語7回、ギリシャ語20回、朝鮮語/韓国語14回だった。もっと時間をかけてリハビリすれば両方とも500cpmに届く可能性がある。だが、その時間を確保できなかった。過去に500cpmを達成した言語すべてでその実力を維持するのは非常に難しい。

(5) 新たな心残りの発生

ラテン文字使用言語は、平均600cpmから遠ざかった。超難関のタア語/コン語に加えて、brainfckがまともに打てないという要因によるものだ。

(6) 各言語の難易度

表6に、筆者の主観による各言語の難易度を示す。概ねmonkeytype、TypeRacerに準じる。monkeytypeと共通の言語は
こちらを参照。但し、幾つかの点で異なる。なお、ウズベク語(キリル)は打ったことが無いため対象外とした。

・タガログ語、ベトナム語、ヨルバ語はmonkeytypeと仕様が異なる。タガログ語はC→A、ヨルバ語はA→A+に変更。ベトナム語はmonkeytypeと同様難しいためS+のまま。
・セルビア語はInterstenoに追加されたためA→C+に変更。同じ配列で打てるマケドニア語も同様。
・Interstenoの難関言語であるスロバキア語、ポーランド語、チェコ語、ハンガリー語をC→C+に変更。
・Interstenoの難関言語以外をCに追加。
・ウクライナ語とベラルーシ語の難易度に差があるため、前者をB+→Bに変更。
・スウェーデン語とウズベク語は新配列を作成したため、C→Bに変更。ブルガリア語も新配列を作成したため、C+→Bに変更。

【表6:各言語の難易度】

難易度ラテン文字キリル文字その他
SS〜
S++
タミル語、ジョージア語、
アラビア語、ヒンディー語、
ディベヒ語/モルディブ語、
ベンガル語、ルーン語、
タイニャ語、インクティトゥック語
S+ベトナム語ギリシャ語、朝鮮語/韓国語、
ヘブライ語、イディッシュ語、
アルメニア語、ラオス語、
タイ語
S中国語(ピンイン)、
タア語/コン語、brainfck
モンゴル語、アブハズ語
A+古英語、アゼルバイジャン語、
カザフ語(ラテン)、
ヌーチャヌルス語、ヨルバ語、
ナバホ語、セムヒ語、
ビン語、イスクイル語
カザフ語、バシキール語、
タタール語、ウドムルト語、
チュヴァシュ語、
ブリヤート語、ヤクート語、
ニヴフ語、教会スラヴ語
Aタガログ語、ラトビア語、
マオリ語、ハワイ語、
リトアニア語、カタルーニャ語、
アイスランド語、ヌクサルク語
キルギス語、ネネツ語、
タジク語、エヴェンキ語
B+マルタ語、エストニア語ベラルーシ語、
カラチャイ・バルカル語、
コミ語、オセチア語、
ケット語、アディゲ語
Bアルバニア語、アフリカーンス語、
西フリジア語、スウェーデン語、
ハウサ語、キクユ語、
ウェールズ語、デンマーク語、
ノルウェー語、ウズベク語、
エスペラント語、ケチュア語
ブルガリア語、ウクライナ語、
チェチェン語、
革命前のロシア語、マリ語
C+グリーンランド語、
スロバキア語、ポーランド語、
チェコ語、ハンガリー語、
コサ語、アイルランド語
セルビア語、マケドニア語
C英語、イタリア語、
ドイツ語、フランス語、
スペイン語、日本語、
ポルトガル語、オランダ語、
ルーマニア語、クロアチア語、
フィンランド語、トルコ語、
ロシア語(ラテン)、ラテン語、
古典ラテン語、インドネシア語、
スワヒリ語、トキポナ、
ルワンダ語、バスク語、
ズールー語、スロベニア語、
ガリシア語、ウォロフ語
ロシア語数字

※難易度の説明
 SS: 別格すぎる難易度であり、打ちこなせる存在自体が神
 S++: S+よりもさらに難しい
 S+: Sに加えて相当の期間が必要
 S: Aに加えて個別の攻略が必要
 A+: Aに加えて相当の練習が必要
 A: 大掛かりな配列作成が必要
 B+: Bに加えて相当の練習が必要
 B: Interstenoの配列を少し変更するだけで対応可能
 C+: Cに加えて相当の練習が必要
 C: Interstenoの配列で対応可能


●次回に向けた改善点

次回も5万点が目標なら、今回と同様の戦略で何とかなるだろう。だが、さらに上を目指すなら、より緻密な戦略が必要だ。また、3カ月という長期戦となるため、高いモチベーションを保ち続ける必要もある。

今回挑戦できなかった8言語については、事前に配列を作成し、最低1週間は打って初期の問題点を潰しておくべきだろう。仮にこれら8言語で100cpmずつ上乗せできれば合計800点、200cpmずつなら合計1600点のプラスになる。

今回本来の実力を発揮できなかった言語についても、計画的なリハビリが必要だ。


●参考文献・謝辞

Dashaさんに感謝!

大会を主催し、3カ月という長期にわたり運営頂いた尽力に敬意と謝意を表したい。各言語の文章を用意するだけでも相当大変だったと思う。また、ランキングを高頻度で更新し、発信することで、参加者のモチベーションは間違いなく上昇したと思う。

さらに、日本人向けに非常にわかりやすいガイドを作成し、かつ日本語で情報発信して頂きありがとうございました。従来、Klavogonkiを打つにはサイトの翻訳機能やGoogle翻訳を駆使してロシア語を解読するしかなく、大きな壁となっていた。今回その壁はほぼ払拭されたと考えて良いだろう。少なくとも、筆者が2025年に94言語、2026年に92言語に参戦する上で大きな問題は無かった。

※各ガイドは現在リンク切れとなっている。復活次第記載予定。

・ガイド1
→Klavogonkiへの登録と、基本的な遊び方の紹介。

・ガイド2
→より詳細な遊び方の紹介。

・ガイド3
→多言語タイピングの紹介。MEGAlingua 2026に参加する上で必要十分な情報が記載されている。各言語の最高記録も記載されており、挑戦心を刺激される。

以下、他に常用したサイトを紹介する。

・Home - instant tools
→出現文字別の分類と集計に文字出現頻度分析ツールを使用しました。このツールは、多言語の解析に、以前から大変役立っています。

・Unicode
→各文字のHTML表記を調査する際に使用しました。URLの末尾にUnicodeを追加すると、例えばヌーチャヌルス語の[ʔ](Unicode: U+0294)はこちらのように表示されます。ちなみにUnicodeは、当該文字を検索するなり、MSKLCに張り付けるなりすれば表示されます。


●各種資料

MEGAlingua 2026関連の資料を以下に公開します。必要に応じ、自己責任でご利用下さい。

・Intersteno拡張dq配列(基本18言語)
・Intersteno拡張dq配列(拡張68言語)
→Intersteno, TypeRacer, monkeytype, Klavogonkiで使用した配列。インストーラとともにMSKLC用のファイルもあります。基本18言語はIntersteno攻略用(日本語除く/セルビア語含む18言語)、拡張68言語はそれに加えてTypeRacer, monkeytype, Klavogonki攻略用です。

注1: 言語によっては慣れるまでに相応の時間が必要であり、短期決戦には不向きです。
注2: 2025年6〜8月、2026年6〜9月にKlavogonki攻略用に新規作成した配列は、TypeRacer, monkeytypeでの動作確認を実施していません。言語によっては、打てない文字がある可能性があります。
注3: 日本語、朝鮮語/韓国語、アラビア語は含まれません。Windows標準の配列を用いているため。

・Intersteno拡張dq配列:仕様書(ラテン文字)
・Intersteno拡張dq配列:仕様書(キリル文字)
・Intersteno拡張dq配列:仕様書(その他)
・多言語dq配列(Intersteno拡張dq配列)
→上記配列の仕様書と説明資料。説明資料はInterstenoの言語にのみ対応。


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