第9回タイピングサミット:レポート(2017.10.7-10.9)


●コンテンツ

[ 結果一覧 ]
[ プロローグ ]

[ 2017.10.7(Sat) ] [ 2017.10.8(Sun) ] [ 2017.10.9(Mon) ]
[ 設営〜サミット開幕 ]
[ DC版TOD:ローマ字対戦 ]
[ かり〜さんとのWT対戦 ]
[ タイピングリレー ]
[ DC版TOD:ローマ字対戦2 ]
[ DC版TOD:ローマ字対戦3 ]
[ WT大会:英語部門 ]
[ WT大会:日本語B部門 ]
[ WT大会:バラエティ部門 ]
[ WT大会:日本語A部門 ]
[ WT3野試合 ]
[ e-typing長文大会 ]
[ DC版TOD:ローマ字対戦4 ]
[ WT3野試合2 ]

[ DC版TOD:ローマ字対戦5 ]
[ 最適化講演 ]
[ 東プレ社員を囲む会 ]
[ WT3野試合3 ]

[ 総括と課題:幹事組として ]
[ 総括と課題:個人として ]


●結果一覧

【表1:DC版TOD対戦結果】

対戦相手結果勝率内容
kurimansさん0勝6敗0.0%全章で圧倒的惨敗
ヨッシーさん1勝5敗16.7%1章勝利、他は敗北
ぷんださん2勝4敗33.3%2・4章勝利、他は敗北
cocoaさん1勝2敗33.3%1・5章敗北、6章勝利
セレナーデ☆游騎さん1勝1敗50.0%5章勝利、6章敗北
やださん2勝2敗50.0%1・4章勝利、5・6章敗北
オリプスさん3勝1敗75.0%1・4・6章勝利、5章敗北
Conconさん6勝2敗75.0%1・2章で一度ずつ敗北
てつさん14勝1敗93.3%1章で一度敗北、他は全勝
Ichiさん1勝0敗100.0%1章
へじさん3勝0敗100.0%2・5・6章
水素さん6勝0敗100.0%全章

【合計】……40勝24敗 勝率62.5%

※てつさんと1章で1回だけかな入力で対戦。他はすべてローマ字入力。
※1章につき1戦とカウントする。
※獲得したポイントにかかわらず、先にCONTINUEした方を負けとする。
 (cocoa戦の5章とやだ戦の6章のみ、ポイントで勝ってCONTINUEで負けた)
※両者CONTINUEしなかった場合、獲得ポイントの高い方を勝ちとする。

この3日間で、12人と計64章対戦した。エンペラーは12回撃破。かり〜さんとのガチバトルをできなかったのは残念だったが、ローマ字入力では十二分に闘った。総合ZI以上の相手に通算21勝18敗(勝率53.8%)は評価できる。1日目も2日目も飲酒タイピングサミットには参加せず、TODが空いたタイミングで打ちまくった。

次に、対戦相手をTWの総合レベルで分類した時の結果の一覧を表2に記載する。TWの総合レベルとTODの強さは必ずしも比例しない。しかし、昨年と同様、総合ZI以上と総合ZJ以下で勝率に有意な差が認められた。

【表2:TOD対戦結果の分析】

対戦相手結果勝率
R:総合ZI21勝18敗53.8%
R:総合ZJ3勝0敗100.0%
R:総合XX以下15勝6敗71.4%
K1勝0敗100.0%

……

次に、TOD対戦以外の結果を表3に記載する。タイピングリレーではメンバー運に、WT大会では組み合わせ運に恵まれ、昨年と比較してかなり良い結果を残すことができた。サミットに向けたリハビリを思うように進められなかった割に、健闘したと言えるだろう。

【表3:その他の結果】

種目結果
タイピングリレー優勝! メンバーに恵まれた
WT大会:英語部門14名中4位
WT大会:日本語B部門18名中3位
WT大会:バラエティ部門20名中3位
WT大会:日本語A部門20名中3位
e-typing長文大会27名中6位

※ゲリラタイピングリレー(全文打ち切り)、ゲリラWT大会には参戦できず。


◆プロローグ

今年も、かつて父・信仁さんが主催した「タイピングサミット」の名前を冠して開催することとなった。筆者は過去8回のタイピングサミットにいずれも参加しており、今回も並々ならぬ意欲があった。なお、一昨年の
第7回タイピングサミット、昨年の第8回タイピングサミットの時と同様、幹事組に名を連ねることとなった。

但し、今回の制約条件として、10/5の引越しがあった。サミット2日前であり、嫌がらせとしか思えないタイミングだ。つまり、9/25以降はろくに練習できないと思って良い。2週間にわたりサヴォリが続けば、当然ながら激しく退化する。これは甚大なマイナス要因となる。従って、サミット参戦可否や目的を再考することから始めた。

筆者がサミットに参戦する目的は、タイピストとして第一線で闘い、戦果を挙げることだ。かり〜さんとのDC版TOD対戦、各種大会への参戦、ローマ字入力でのDC版TOD対戦はすべてこの目的に基づく行動だ。しかし、リハビリ不足ではこの目的を達成できないし、チームメンバーや対戦相手にも失礼だ。まともに闘えない状態で当日を迎えるくらいなら、参戦しない方が良い。そこで、表4の通り派遣標準記録を設定した。いずれも全盛期の実力を取り戻すことを前提とし、Twitter上で公開した。

【表4:サミット派遣標準記録】

No.派遣標準記録過去の実績派遣範囲
(a)TODラリアットWORDBOX百人斬り
かなで90体目到達
TOD2004のWORDBOX百人斬り
かなをクリア
かり〜さんとの
TOD対戦
(b)WT3.2.1の公式ワード1でJISかなLevel11.2同左WT大会(2日目)
(c)TODラリアットWORDBOX百人斬り
ローマ字で66体目到達
TOD2004のWORDBOX百人斬り
ローマ字で66体目到達
総合ZI以上との
TOD対戦

(a)に関して、9/24までにかり〜さんを圧倒できるレベルにまで鍛え上げておかなければ、当日の勝利は200%望めない。このため、昨年よりも高い目標を掲げた(ラリアットは2004より高難易度)。なお、当初は「クリア」という目標だったが、9/22に引き下げた。しかし実際には76体目到達が最高だった。この結果を受け、かり〜さんには10/1にDC版TODの対戦の辞退を申し入れた

(b)は、当初は「WT3.2.1の公式ワード1〜4すべてでJISかなLevel10」としていた。今年も開催が予想されるWT大会や個人戦、エキシビ等に参戦するための最低限の条件だ。敢えて特定のワードに絞らず、幅広く鍛え上げる。同時に、RTC2017への対策も意図していた。但し、サミット用にオリジナルワードが発表された場合は再度検討する。実際には、サミットの直前になって、WT対戦で用いられるのはワード1と英語ワードであることが判明した。それ以降は、目標をワード1に絞った。英語ワードについては完全に想定外だったため、付け焼き刃の対策をしても無駄と判断し、一切対策せずに当日を迎えた。

(c)は、DC版TODのローマ字入力での対戦を見据えた布石だ。当初は「最後の扉に到達」という目標だった。TW国語Rで総合XX(2007年の記録を1ポイントたりとも更新できず)、WT2でもLevel7.8が精一杯という実力で、並み居る総合ZI以上のタイパーと闘うには、このくらいの目標が必要だ。しかし実際には、66体目に到達するのが精一杯で、撃破など全く見えなかった。現実味の無い目標に向けて無駄な挑戦を繰り返す余裕は無かったため、9/22に「66体目撃破」に、10/4に「66体目到達」に、それぞれ引き下げた。

一方、TWとTOLに関しては練習メニューに加えなかった。というよりも、上記の派遣標準記録の突破を目指す練習に手一杯で、時間的余裕が全く無かった。

実用入力(主にタイピングリレーを想定)に関しては、上記とは別の意図を持っていた。即ち、来年4月のIntersteno2018の日本語に向けた布石として、かな入力で参戦することとした。初見文章に強いローマ字入力を敢えて封印し、かな入力・All30gでかすりミスをどこまで防げるか試すとともに、実地訓練する。これに関して、派遣標準記録は特に設定しなかった。なお、幹事組としては、当日公開の問題文を事前に知り得る立場からは退くこととした。

……

サミット直前に、当日の目標を表5の通り設定した。(d)は、上記の派遣標準記録を達成する過程で、シングルプレイでもCPU対戦(QWE900〜950、JIS600〜650メイン)でも常に正確性95%以上を念頭に置いて鍛錬していた。しかしサミットで闘う相手はさらに強い。特に初速の差を埋められず、正確性も低下した。(e)は、簡単には勝てない強敵(目安として総合ZI以上)に突撃しまくるという意味だ。もちろん無策で挑んで順当負けを繰り返したり、手抜きして故意に負けたりするのでは無意味だ。勝ちに行く。ここで得た一つ一つの勝利は、いや敗北さえも、昨年までは全く重みの違うものとなるだろう。但し、総合ZI以上でもTODに不慣れな人はいるし、総合ZJ以下の人に誘われた場合も受けて立つ。これらを含めて負け越すのは実はなかなか難しい。(f)は、幾多のWT対戦や、3日目の最適化講演で、特にローマ字入力の最適化に関してさまざまなヒントを得た。最適化したからといってすぐに速くなるとは限らない。だが、将来を見据えて少しずつ幅を広げる努力は、いずれ確実に成長に結びつくと考えている。

【表5:サミット当日の目標】

No.目標達成度コメント
(d)WTかなで正確性95%以上をキープし、
頂上決戦/エキシビに勝ち残る。
日本語A部門で決勝に勝ち残った。
正確性は86〜91%
(e)TODローマ字対戦で負け越す。×強敵への突撃がまだ甘い!
(f)今後の成長に繋がるヒントを見出す。上記

また、今回は1日目に一旦帰宅し、2日目にのみ会場に宿泊することとした。理由は、先述した引越しだ。生活リズムを朝型に保ち、午前・午後ともタイピングの調子を高めるという意図ももちろんあった。朝ランは2日目には自宅周辺、3日目にはサミット会場周辺で実施することとした。一方、サミット参加者の大半は夜型ということもあり、カード&ボードゲーム大会は必然的に夜が中心となる。例年通り、こちらは削らざるを得なかった。


●2017.10.7(Sat)

◆設営〜サミット開幕

今回から前泊設営が新たに導入された。規模の拡大により、新たな会場、しかもより大きな部屋で実施することとなったためだ。また、PCの設定に毎回時間を要するため、前泊である程度終わらせておき、1日目の開場を早めるという意図もあった。ところが、筆者は残念ながら参加できず。10/5の引越しの影響で、自宅の段ボールジャングルの片付けを最優先とせざるを得なかったためだ。

会場に到着してみると、既に前泊組の尽力により設営はほぼ完了していた。ぽかたんがネットワークの設定に苦戦していたが、知識の乏しい筆者は手伝うことができず。受付の要領を確認後、PCの動作確認と称してWT2を打ち、105051(722-97%)を叩き出す。但し名前がmayoのままだった! 昨年のmayo祭りの名残だったらしい。

今年も全員の自己紹介を省略し、大幅な時間短縮を図った。カットされた自己紹介は夜の飲み会や食事の場で実施されたのかな。人数も増えてきたため、この方が良いと思う。

◆DC版TOD:ローマ字対戦

初日の公式イベントであるタイピングリレーは15:00に開始される。また、かり〜さんとのガチバトルは前記の通り辞退した。このため、15:00までの時間をローマ字入力でのTOD野良対戦に充てる。ペンとメモ用紙を常備し、対戦相手、章、スコア、正確性、ワード数をメモするのはいつも通りだ。そして総合ZI狩りの獲物を捜す。と言っても会場にいる人の大半は総合ZI以上だ。早速、昨年対戦できなかった水素さんを発見!

とはいえ、今回はDCキーボードを用いたリハビリを全く実施していない。しかも相手は総合で2レベル上だ。従って、序盤から正確性重視で慎重に打ち進む。特に2章では序盤のMISSIONで水素さんが打っていないワードを正確に狙い打ち、約40コンボ繋いだ。4章以降は長文一本勝負でも優位に立った。その結果、全章にわたり正確性98%以上を維持することに成功した。レーダーチャートでも本サミットで唯一の正確性A評価を獲得し、年俸も8億円を突破した。幸先の良いスタートだ。

 水素dqmaniac
1章2209(76%, 23words)3345(98%, 29words)
2章2520(76%, 28words)6056(99%, 56words)
3章3158(81%, 20words)4014(98%, 26words)
4章2361(76%, 15words)4844(98%, 41words)
5章3248(87%, 17words)5501(98%, 42words)
6章3955(--%, --words)6884(--%, --words)
評価正E特状C他A特C他A
年俸8114万円8億1331万円

 dqmaniackurimans
1章2456(97%, 13words)3567(93%, 39words)
2章2873(97%, 15words)6643(96%, 80words)
3章3206(93%, 14words)4238(94%, 32words)
4章2302(95%, 10words)5341(92%, 61words)
5章3255(94%, 9words)5856(94%, 53words)
6章3922(--%, --words)7768(--%, --words)
評価正特状B他A正特C他A
年俸4億5476万円4億4874万円

しかしkurimans戦ではそうはいかない。ここ数年で実力差がさらに拡大したような! 2章では3770点差がついた。これは2013年12月の秋葉原ガチTOD対戦会の3567点差を上回り、kurimans戦では史上最悪の結果である。これを上回るのは、2015年9月の秋葉原プチオフ6におけるTK戦(4452点差)、2015年8月の秋葉原プチオフ3におけるTK戦(4241点差)、2015年10月の第7回タイピングサミット前哨戦におけるTK戦(4005点差)、2003年5月の第2回タイピングサミットにおけるMADRIGAL戦(約4000点差)だけだと思う。

kurimansの特長は、落穂拾い戦術が全く通用しないことだ。こちらの思考を読んでいるかの如く、狙ったワードをことごとく先行して奪ってくる。その結果、前半のみならず後半の章でも、取れるワードが極端に少なくなる。特に5章では9ワードしか取れなかった。TK戦ですら、ここまで抑え込まれたことは無い。6章でもこの傾向は変わらず、ほぼダブルスコアの圧倒的惨敗! なお、なぜか年俸で勝ちを拾ったのは、評価で上回ったのと、1P側プレミアムによるものだ。

◆かり〜さんとのWT対戦

かり〜さんとのDC版TOD対戦は辞退したが、WT対戦は辞退していない。勝てる気は全くしなかったが、己の実力がどれほど退化したかを思い知るためにもワード1で闘ってみることに。結果は1勝5敗。昨年と比較すると、速度の差は縮まり、正確性は逆転して筆者の方が上回った。だが、ワード数の差はむしろ拡大したため、スコアでも大差がつくことが多かった。昨年と違って、ワードが取れないと見切った時でも諦めずに打つようにした。だが、これでは疲労がなかなか取れない。

プレイヤーワード数速度正確性スコア試合数1位2位
かり〜29.861685.778954651
dqmaniac19.858087.250709615

※二人ともJISかな。
※ワード1で実施し、30ワード先取で終了。
※勝敗や順位はワード数でなくスコアで判定する。
※ワード数、速度、正確性、スコアは平均値。1〜2位は各順位の獲得回数。

【参考:昨年の対戦データ】

プレイヤーワード数速度正確性スコア試合数1位2位
かり〜30.056390.476424550
dqmaniac24.850884.853363505

◆タイピングリレー

昨年から新たに加わった公式団体戦の一つ。基本は実用入力だ。但し、英文・和文に加えてプログラムコード、果ては二人羽織や目隠しタイピングという普段まずやらない種目まで存在する。今年はさらに、古文、逆再生、オールラウンドという新種目も追加された。

チーム内の担当は、基本的に各人の苦手なものを回避してもらう方針で決定した。そして、ランダム等の特殊な種目、オールラウンドな能力が求められる種目は、なるべく経験者が打つように割り振った。その結果、筆者は逆再生、プログラム、目隠しタイピングの読み上げを担当した。他のヤバそうな種目はぱらさん、ガチ和文はぷんだが担当した。この時点で負ける気がしなかった

リハーサルの時間にIMEの設定をするのを忘れずに。今回は英数字が全角とは限らないとのことだったため、[常に全角に変換]は設定せず。その代わり、[自動変換長め][うとおの同一視]は設定した。また、目隠しタイピングについては打鍵担当のぷんだと事前に打ち合わせと練習を実施した。[、][。][・]を[てん][まる][ちゅうてん]と読むとか、英単語が出たらF9の回数を指示する等。なお、事前練習では適切な文章が咄嗟に思い浮かばなかったため、昔のタイピング日記の文章をてきとーにでっち上げた。

逆再生は文章が逆に記述されているもので、変換に手間取ることが予想された。なお、前記の通り、敢えてかな入力で挑戦した。[書]を出すのに[かく]で変換すれば良いものを[しょせい]と打ったり、ある漢字がとっさに出せずぷんだに助言をもらったりとまだまだ甘かった。逆に、ぁゅが打っている時に[強者=きょうしゃ]を助言してみたり。IMEのバージョンによっては[つわもの]では変換されないことがあり、トラップの一つだ。

プログラムはそれなりに打ち慣れているのでさくさくっと完了。タイムは1分27秒で、並み居る猛者たちを抑えて全体1位だった。saminさんの指摘の通り、昨今のプログラミングはTabキーを駆使して入力の手間をなるべく省く方向にシフトしている。だが、20年以上前に美佳タイプでMSDOSコマンド、C言語、パスカル、フォートラン等の頻出命令を覚えた筆者は普段のプログラミング(現在はExcel VBAメイン)でも基本的に直打ちだ。それに、英単語がベースとなっているワードも数多く出現する。記号に関しても、すべキーで鍛え抜いたので問題無い。従って、苦手意識など全く無かった。

目隠しタイピングの読み上げは、ぷんだの素晴らしい打鍵能力のお陰で実にスムーズに終了した。ミスタッチが無いので訂正の指示は不要である。但し、声を張り上げて数分間話し続けることは滅多に無いため、だんだん喉が疲れてきた。息継ぎのタイミングがつかめず、呼吸が苦しくなったこともあった。

なお、今年は幹事組の中でも問題文作成担当者以外は事前に課題文章を知らなかった。昨年と違って、テストプレイすら実施していない。従って、初見の文章を思う存分楽しむことができた。問題文作成担当者の皆様のお陰です。本当にありがとうございます!

◆DC版TOD:ローマ字対戦2

タイピングリレー終了後、この課題文を全文打ち切るという無茶苦茶面白そうなゲリラ大会が、ぷんだにより開催されていた。だが、筆者はTOD対戦に熱中していて参戦の機会を逸した。できれば両方打ちたいのだが、時間が足りねえ!

また、今回の夕食の行動はヴァイキング組、飲み組、奇声会(カラオケ組)に分かれた。会場内のレストランを予約するとヴァイキング組になり、20:00以降の夕食となる。一方、飲み組と奇声会は18:00前後に出撃していった。いずれにも属さない筆者は20:00まで打ち続けることにした。

……

まずはオリプスさんに昨年のリターンマッチを挑む。昨年は5・6章で完敗したため、是非ともリベンジを果たしたい。また、4章では接戦だったがDCのフリーズにより結果が分からなかった。ここも白黒つけたいところである。

1章では正確性を重視していたらうまい具合にコンボが繋がったため、中盤以降もそのまま繋ぐ。大抵ボス戦で途切れるのだが、今回は無理な打鍵をしなかったため繋がった。序盤にミスしたと思っていたがそうではなかったようで、本サミット初の正確性100%! 4章では土星語でえげつなく稼ぎ、後半もほぼ互角の闘いを繰り広げて勝利。だが、5章ではオリプスさんの長文が冴え、なかなかワードを奪えない。昨年ほどではないが雑魚戦終了時点で不利な状況に陥った。マジシャン前半では攻めた結果、ライフ5個から4発喰らって絶体絶命のピンチに。これで萎縮し、あと1ワード届かずまたしても敗れた。

6章では正確性最重視で臨む。執念でコンボを繋いでゲージ回復しないことには、CONTINUEが待つのみだ。MISSION1では鎮静剤を獲得し、難関の研究室入口をしのぐ。研究室のライフはオリプスさんに奪われ、依然としてライフ1個の旅が続く。オリプスさんもタワーで喰らってお互いライフ1個に。昨年フルボッコにされたMISSION2では集中力を高め、かなりのワードを奪い取る。これでポイント的には勝利を確信した。そして待望のライフ獲得! さらにエンペラー前半でようやくゲージ回復を決め、ライフ3個vs2個として勝利確定。後はオリプスさんをCONTINUEさせないよう、全力でしのぐのみ! そして、エンペラーの猛攻を1ダメに抑えてしのぎきった! こういう打鍵ができるなら、今年も闘える

 dqmaniacオリプス
1章4205(100%, 30words)2609(93%, 21words)
4章4100(95%, 39words)3148(92%, 25words)
5章4391(95%, 29words)4460(94%, 32words)
6章6072(--%, --words)5234(--%, --words)
評価正B特C他A正特C他A
年俸5億6957万円3億1718万円

次、てつさんと対戦。10年以上前にスコアアタックで9000点オーバーを達成した古参勢の一角である。TW国語Rでは総合XSに留まっているものの、TODの実力は総合ZI級と言っても過言ではない。6月にTwitter上で約束していた対戦が、このサミットで実現した。

1戦目。1章では序盤を予想外に優勢に進めたため、実は楽勝なのでは!? と勘違いした。だが、てつさんの緊張が解けた中盤からはむしろ押され気味だった。初速では明らかに分が悪いため、正確性をキープしつつ落穂拾い戦術で立ち回る。正確性ボーナスによる500点差が効いて勝利。2〜3章もほぼ同じ展開となった。4章では土星語をむしり取り、5章以降では長文一本勝負で優勢を保つ。マジシャン前半でてつさんがライフ5個から3発喰らったこともあり、危なげなく勝利。

 dqmaniacてつ
1章3311(99%, 26words)2852(93%, 25words)
2章4617(97%, 39words)4130(93%, 42words)
3章4344(98%, 26words)3777(93%, 22words)
4章4556(97%, 46words)2830(93%, 24words)
5章5285(97%, 42words)4011(96%, 19words)
6章6685(--%, --words)4633(--%, --words)
評価正B特C他A正特C他A
年俸6億4137万円2億8258万円

 てつdqmaniac
1章2721(78%, 30words)2681(94%, 22words)
2章4198(90%, 38words)4924(99%, 46words)
3章3405(93%, 20words)3998(96%, 27words)
4章3047(89%, 22words)4682(98%, 43words)
5章3951(93%, 23words)5037(96%, 38words)
6章4745(--%, --words)5730(--%, --words)
評価正特C他A正B特C他A
年俸3億1921万円5億2754万円

てつさんはよほど悔しかったようで、リターンマッチを挑んできた。もちろん受けて立つ。1P側と2P側を入れ替えて、ホーム&アウェー方式で実施した。そして1章、今度は序盤でヤバさを自覚する。ほぼすべてのワードをむしり取られ、一転して窮地に。ここから落穂拾い戦術で対抗し、トータル40点差まで詰めたのはむしろよくやったと言うべきか。いや、せめて正確性96%は確保すべきだった。2章ではリベンジに燃え上がる。MISSIONでずる賢く立ち回り、コンボを繋ぎつつ優勢に進める。その後も正確性のギアを一段上げ、終盤に途切れるまで59コンボ繋いだ。終わってみればワード数でもリードを保っていた。3章では早々に正確性100%狙いが崩れたため、ワード数も重視していく。その結果、普段崩れやすい後半でも集中力をキープして勝利。その後も4章、5章と勝利を重ねた。但し、マジシャン前半でライフ4個vs5個からお互い3発ずつ喰らい、窮地に陥る。5章勝利でボーナスライフが入り、6章ではてつさんが先にCONTINUEしたため、勝利は確定だ。ところが、タワーで無駄に2発喰らってライフ1個に。そしてエンペラーの猛攻をしのぎきれず、筆者もCONTINUEとなった。もったいなさすぎる。

次、てつさんがかな入力でも対戦してみたいとのことだったため、1章のみさくさくっと打つ。タイプウェル国語Kで言えば総合XAと総合ZH、5レベルの差があるため、何ともえげつない結果となった。これでもかり〜さんにはフルボッコにされるのだから、修羅の世界だ。

 てつdqmaniac
1章1469(72%, 4words)5206(100%, 47words)

最後にcocoaさんと対戦。昨年のリベンジを果たす気満々で臨む。しかし、それだけで勝てるほど甘い相手ではない。1章では初速の不利を正確性で補うつもりだったが、ワード数で大差がついて敗北。あと2ワード稼ぐか、正確性100%を取る気で行かないと勝ち目は無い。5章では長文一本勝負で昨年ほど不利にはならずに進み、マジシャン戦もライフ5個で迎えて優勢を意識した。ところが! ここから5発喰らってまさかのCONTINUE! 5章全体で正確性98%なのに、このマジシャン前半だけで5ミスが集中しやがった。呆然。マジ呆然。6章では気を取り直し、ワードを取っていく。正確性を高め、クイズやMISSION2で稼ぎ、エンペラー戦で集中力を切らさないように注意して、ようやく2年ぶりの勝利(2015年8月の秋葉原プチオフ2以来)を挙げた。

 dqmaniaccocoa
1章2879(98%, 20words)3035(92%, 31words)
5章4690(98%, 31words)4137(90%, 29words)
6章6058(--%, --words)5473(--%, --words)
評価正特B状C他A正特C他A
年俸4億3631万円3億1648万円

※5章は筆者が先にCONTINUEしたため敗北

……

20:00、皆が夕食に行くタイミングで筆者は離脱し、一旦帰宅した。


●2017.10.8(Sun)

朝ラン、シャワー、プロテイン、朝飯を済ませてからサミット会場へ! ゆうかり橋を渡らなくて済むショートカットを見つけてみたり。雨でぬかるんでいたり、キャリーバッグを持っていたりすると厳しいかもしれないが、そうでないならこちらを通る方が1分ほど速い。

会場到着後、指慣らしを兼ねてWT対戦。英語ワードを打ったり、ワード1をQWERTYで打ったりしてまったりと。

◆DC版TOD:ローマ字対戦3

引き続き、ローマ字入力で総合ZI狩りに移行する。まずは総合ZH目前まで上げ、実用入力での活躍著しいセレナーデ☆游騎さんと対戦。5章冒頭で早くもヤバさを自覚する。前回対戦(2013年の第7回タイピングサミット)よりも打鍵速度が格段に向上している! それでも、ワード慣れと正確性で対抗し、取れるワードを確実に取っていく。ワード数はほぼ同じだったが、正確性で稼いで1000点差がついた。だが、6章ではワードを取られまくる。長文も短文も隙が無く、タワーのクイズでも差がつかない。そしてエンペラー後半をほぼすべて取られ、ポイントでも逆転を許した。

 dqmaniacセレナーデ☆游騎
5章4915(98%, 31words)3841(85%, 28words)
6章5712(--%, --words)5813(--%, --words)
評価正特状B他A正D特C状E他A
年俸6億4437万円7684万円

 dqmaniacへじ
2章5870(99%, 54words)3542(93%, 31words)
5章5115(97%, 40words)3786(93%, 21words)
6章6604(--%, --words)4835(--%, --words)
評価正B特C他A正特C他A
年俸6億2964万円2億8337万円

続いてへじと対戦。ここ数年はタイピングをあまりやっていないらしい。そのためか、かつて惨敗した2章でも正確性をキープしつつほぼ全ワードをむしり取れる。こんなのへじじゃねえ! あまりにも様子がおかしいので尋ねてみると、「眼鏡の度が弱く、文字が見えない」とのこと。ということで、プロジェクタを画面から離し、むなにフォーカスを調整してもらう。改めて2章を打つと、序盤の短文を普通に取られる。やはりこうでなくてはな! こちらも気合を入れ直し、正確性のギアを上げて対抗する。MISSIONの落穂拾いで優勢を確保すると、後半も伸び伸びと打ち進み、会心の勝利。

この様子を見たむなが「俺でも勝てるんじゃね?」と言い出したが、同じ2章でへじの圧勝に終わった。つまりへじが劣化したわけではない!? そこで、長文一本勝負の多い5章で対戦。やはり正確性を重視し、前半で優勢を確保する。マジシャン前半でもへじが3発喰らったのに対して筆者は1発のみに抑え、5章勝利で悠々ライフ5個に戻した。6章でも短文・長文とも情け容赦無く奪いまくり、圧勝。へじ戦の6章勝利はこれが初めてだ。

……

続いてぷんだと対戦。5年前の第4回タイピングサミット以来久々に、全章通しで対戦した。ぷんだの特長は、筆者よりも正確性が高いことだ。もちろん筆者も正確性重視で打つのだが、それだけで勝てるほど甘くない。実際、1章では正確性98%vs100%という引き締まった試合になった。この正確性を維持しつつワードもむしり取られるため、勝利は難しい。それにしても、1章の2人の合計得点が7000点を超えたのは、サミットの中でもこの試合だけではなかろうか(後日注:かり〜vsむな戦で、両者正確性100%で合計7500点を超えた試合があった)。その後も正確性重視の試合が続く。2章と4章の勝利は、1P側プレミアムによるものだろう。3章のクイズ、4章の土星語など、わずかに優勢を保てる部分もあるものの、全体的には押され気味だった。

ぷんだは5章マジシャン前半も普段通りの速度で平然と打ってくるため、厳しい闘いとなる。ライフ5個あったため攻めていったが、2発喰らった後は守りに入らざるを得ず、ワードを取れなかった。そして、ぷんだの6章は絶望的に強い。過去の例を見ても、6章で突き放されることが多い。今回も例に漏れず、1300点差の完敗だった。しかも、エンペラー前にライフ3個ずつ+鎮静剤獲得という状況だったのに、鉄球4連で譲り合った押し付け合ったのと、ストレングスモードで厳しいワードが2回出たのとで、無念にも二人同時CONTINUEと相成った。最後のライフを削られたワードは[KININARUSIMISOBAKASU](20打鍵)だった。標準運指では冒頭の[KININ]が厳しく、初速が遅れたのがキツかった。

 dqmaniacぷんだ
1章3132(98%, 21words)4034(100%, 31words)
2章4447(95%, 43words)4254(95%, 41words)
3章4056(97%, 22words)4426(99%, 26words)
4章3878(95%, 34words)3801(95%, 33words)
5章4582(97%, 27words)4747(97%, 33words)
6章4843(--%, --words)6182(--%, --words)
評価正特B他A正特B他A
年俸7億6710万円8億0915万円

……

午後、公式イベントとしてWeather Typing大会が開催された。今年は原点回帰ということで、団体戦でなく個人戦になり、かつ皆がやり込んでいるワード1で競い合うこととなった。日本語B部門の参加ボーダーがレベル7まで上がったのはこのためだ。個人的には、どの部門でも2回戦までは組み合わせ運と正確性に救われた。但し決勝では打鍵速度の差を補いきれずに惨敗を重ねた。

◆WT大会:英語部門

筆者の得意分野はInterstenoや毎パソのような長文種目であって、Weather Typingのような短文ではない。それに、英語ワードは8月に少し練習してLevel7.3まで上げて以来打っていない。従って、決勝進出すら困難と考えていた。むしろ、この後の日本語部門やバラエティ部門に向けた指慣らしと位置付けていた。

1回戦は組み合わせ運に恵まれた。死の1組(kurimans、ひろりんご、Tak、やだ)に放り込まれたら、突破は難しかっただろう。筆者の入った4組では3人中2人勝ち抜けるため、余裕があった。何も考えずに打ちまくり、予定通り2位通過。2回戦はkurimansに惨敗したものの、速度と正確性の差でセレナーデ☆游騎さんを辛くもかわした。しかし、悪運が通用するのはここまでだ。決勝では圧倒的な実力差を埋められず、なすすべなく圧倒的最下位に沈んだ。せめて正確性だけでもキープできなかったのか。

【英語部門:1回戦】

プレイヤーワード数速度正確性スコア
kameo157029232304
dqmaniac76519614600
ヨッシー3602915484

【英語部門:2回戦】

プレイヤーワード数速度正確性スコア
kurimans157498832995
dqmaniac4637947993
セレナーデ☆游騎4585917103
mayo3510723609

【英語部門:決勝】

プレイヤーワード数速度正確性スコア
ひろりんご157249032588
permil127329126653
kurimans137158426058
dqmaniac2558873238

◆WT大会:日本語B部門

筆者にとってはメインディッシュだ。参加資格は「レベル7以下」とあり、「レベル7.0以下」ではなかったため、WT3.2.1でLevel7.2、WT2でLevel7.8の記録を持つ筆者も参加可能だ。イベント担当のmelanieさんに念のため事前に確認しておいた。そして、出場者内でもトップレベルの記録を持っているため、優勝して当然というプレッシャーがあった。

2回戦までは余裕ありまくりのはずだった。だが、特に序盤戦で思うようにワードが取れない。WTに特有の、初速を活かしてスタートダッシュするという闘い方が身についていないためだ。その代わり、皆が疲れてくる後半戦で、正確性と安定感を活かして次々とワードを取っていく。結果的に、1回戦も2回戦も逆転勝利。特に2回戦では、正確性を97%にまで引き上げた。負ける気しねえぜ!

だが、決勝ではさとみんにワードを取られまくった。後半も差を埋められず。パラメータを見ても、速度でたくりんに僅差負け(JISかななので1.5倍換算して700)、正確性も93%まで低下した。ここは勝っておきたかっただけに、無念すぎる。いやそれ以前に、来年はこの部門に出なくても済むよう、Level8を出しておきたい。もっとも、来年も出場ボーダーがLevel7になるとは限らないが。

【日本語B部門:1回戦】

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア
dqmaniacR156569430859
しろちゃんR136339325513
とーぶR115818017058
かわずR65769010372
パルキーR5560857939

【日本語B部門:2回戦】

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア
dqmaniacR157059734217
TakK114328620460
やだK104379019689
とーぶR126027818793
ジュニアR86288914923

【日本語B部門:決勝】

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア
さとみんR156538126472
TakK124678724423
dqmaniacR116999323836
しろちゃんR66748711737
ゆきR4637917740

◆WT大会:バラエティ部門

バラエティと名前を飾ってあるものの、実態は昨年のクソワード部門である。認識し辛いワードや打ち辛いワードをこれでもかと集めてあり、筆者としては一番楽しみな種目だった。このため、幹事組の中でもワード作成・テスト担当からは外してもらい、当日は一般参加者と同様、完全に初見で臨んだ。なお、ここでも敢えてJISかなで挑んだ。QWERTYでは1回戦で同組のテル・ひろりんごに勝利するのが困難と想定されたためだ。

1回戦ではテルとひろりんごの2強が潰し合う隙にJISかな有利なワードを取るという目論見だった。JISかな有利なワードはFromさんに持っていかれるリスクもあるが、ワード1のような生易しいワードは出現しないため何とかなるだろう。だが、蓋を開けてみると「テル>>>>>ひろりんご」という想定外の結果に。JISかなに有利なワードもテルの爆速打鍵に阻まれて思うように取れず、数字ワードを拾ったくらいか。この超難関を突破したのは奇跡に近い。

2回戦はJISかなの威力とランダム力でゴリ押しできるメンバーだったため問題無し。だが決勝では「テル>>>>>その他」という結果が再現される中、セレナーデ☆游騎さんにも競り負けて3位に転落した。速度365、正確性84%まで落としたのはひどすぎる。

なお、特に面白かったワードがDQ2の有名な復活の呪文、[ゆうていみやおう……]だ。当然丸暗記しているため、認識で詰まることはない。だが、JISかなでは後半の[ぺぺぺ……]がキツい。そこで、[へ]を左人、[゜]を右人という、普段やらない最適化をとっさに思いついてQWERTY勢に対抗した。

【バラエティ部門:1回戦】

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア
テルR156479330106
dqmaniacK3411885433
ひろりんごR3553854708
FromK126969931
cocoaR0396790

【バラエティ部門:2回戦】

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア
dqmaniacK154469130471
セレナーデ☆游騎R145758923910
やだR84978711551
permilR75278610580
kameoK3371854731

【バラエティ部門:決勝】

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア
テルR156349329497
セレナーデ☆游騎R5584868375
dqmaniacK3365844608
TakR3508884474
やだR0451850

◆WT大会:日本語A部門

皆がやり込んでいるワード1で決着をつけようという、サミットの中でも頂上決戦である。筆者もRTC2017との両面作戦でリハビリを実施し、3年前の自己ベストにほぼ並ぶLevel11.2まで回復していた。一方、対戦となるとCPUのQWE900やJIS600に苦戦するありさまで、甚だ心許ない。果たしてどの程度通用するか、予測は立てにくかった。

1回戦では組み合わせ運に恵まれた。JISかなLevel11の威力でゴリ押しして圧勝。死の3組(テル、mayo、kurimans、かり〜、ひろりんご)に放り込まれたら突破は困難だったと思う。2回戦ではひろりんごに他のQWE勢を潰してもらいつつ、JISかなに有利なワードをむしり取り、悠々2位確保。焦る必要は無かったため、正確性と安定感を重視し、速度646、正確性91%まで引き上げた。それにしても、あと1ワード取れていたらポイント差でひろりんごを逆転していたのか!

決勝でも同じ状況の再現を狙う。だが、QWE勢がより強力になったのに加えて、正確性が86%まで落ち込んでは勝ち目無し。この面子と闘うには、今の実力ではダメだ。対戦で速度700、正確性90%を毎回出せるレベルにまで引き上げないと。

なお、他の部門では「弘法筆を選ばず」を気取って、その時その場所に設置してあったキーボードを使用していた。だが、この日本語A部門に関しては、cocoaさんのリアフォを拝借した。きっかけは、かり〜さんが筆者のRealforce106を使用したいと言ってきたことだった。快諾した後、このガチな闘いではひょっとすると微妙な打鍵感覚の違いが勝敗を分けるかもしれないと思い直した。そこで、周囲の幾多のキーボードの中から打ち心地が似ているものを探した。結果として3位という好成績を残せたのはこのためかもしれない。

【日本語A部門:1回戦】

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア
dqmaniacK156249142609
ぷんだR88489421279
R87868718251
しゅんぽっぽK105136817466
やだR58569413421

【日本語A部門:2回戦】

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア
ひろりんごR159698440721
dqmaniacK136469138220
のんR97978620579
TakR97627717622
R78138415938

【日本語A部門:決勝】

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア
ひろりんごR1510108743943
テルR109089227850
dqmaniacK85868620164
paraphrohnR98128119743
ぷんだR1742852103

……

結果的に、全4部門で決勝に勝ち残り、しかも英語部門以外で3位に滑り込んだ。賞品のe-typingタオル3本、ありがたく使わせて頂きます!

◆WT3野試合

続いて、JISかなlevel11前後の三人が束になってひろりんご(QWERTY、level12)討伐を目指す死闘が勃発した。5人対戦を計11回実施し、結果は下表の通り。確かに、JISかな勢どうしで潰し合ったという要因はあるかもしれない。だが、それを考慮してもひろりんごの安定感は群を抜いていた。11戦中7戦で速度が1000を超え、最大で1085を叩き出していた。JISかな勢ではかり〜さんが最大720(1.5倍換算で1080)を叩き出したが、1.5倍換算で1000を超えたのはこれを含め2戦のみだった。さらに、ひろりんごは初速も正確性も高いのだから、そう簡単には勝てない。筆者は12ワード奪ったのが最高で、一度も勝てず。

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア試合数1位2位3位
ひろりんごR13.9102087.94176511920
かり〜K12.164182.93255111263
dqmaniacK8.661988.72393511034
FromK11.355861.81975011004
しゅんぽっぽK5.849865.698019000
kurimansR3.584889.588892000

※ワード1で実施し、15ワード先取で終了。
※勝敗や順位はワード数でなくスコアで判定する。
※ワード数、速度、正確性、スコアは平均値。1〜3位は各順位の獲得回数。

◆e-typing長文大会

昨年よりはだいぶ規模を縮小し、ローマ字入力の長文大会のみ実施された。出題される課題文はランダムだが、文章の数は限られている。従って、他の人が打つのを後ろで見ていてなるべく後に打てば、多少は有利になるかもしれない。だが、TOD対戦をやりたかったため、さくさくっと終わらせる。筆者のお題は「ごんぎつね」で、特に打ち辛い場所は無かった。但し、ミス連鎖や硬直を防ぐために下段のローマ字のみを見て打ったため、速度は伸び悩んだ。結果は517(ミス6)で27名中6位。表彰圏内(5位以内)にあと一歩及ばず!(いや実際には5位のたくりんと35ポイントもの大差だったが)

……

この後、ゲリラWT大会が開催された。[誰が][何を][どうした]形式で参加者からワードを集め、それを入力してWTワードにするという新たな趣向だ。ところが、筆者はTOD対戦に熱中しており、参加し損なった。

◆DC版TOD対戦4

昨日帰り際に対戦を約束していたやださんと対戦! やださんは数字が突出して速いイメージが先行している。だが、TW国語Rでも総合ZIであり、総合ランキングでも筆者のすぐ上、さらに毎パソやInterstenoオフライン大会(ベルリン大会)でも総合力を発揮する、オールラウンダーである。DC版TODの対戦は意外なことに今回が初めてだ(AC版では2014.12.7の第14回毎パソオフで対戦している)。1章では普段通り正確性を重視していく。順調にワードを奪取し、まずは1勝できるだろうと安堵しつつリザルト画面へ。っと! やださんの正確性が99%! これは容易ならざる強豪だ。続いて長文の多い4章に飛ぶ。序盤に土星語を大量に奪取したためか、スコアは大差になった。だが、それ以外の部分ではむしろ押されていたし、土星語が出現したのにもかかわらずやださんの正確性は96%と相変わらず高い。

嫌な予感は5章で現実となった。雑魚戦はほぼ互角の状況で進み、ライフ3個vs4個でマジシャン戦へ。ところが、筆者が数発喰らって守りに入ったのに対し、やださんは速度を落とすことなく持ちこたえる。ここでワード数と正確性に差がつき、無念の逆転負けを喫した。あと2ワード奪うか、正確性96%を死守すれば勝利だったのに! そして6章は筆者の方がライフが少ない状況で始まった。ワード数では優勢を保ったが、なかなかライフが回復しない。そうこうしているうちに筆者が先にCONTINUEとなり、敗北が確定した。以後は来年以降の対戦も見据えて、ポイント差を拡大することを心掛ける。結果は1300点差まで開いただけに、CONTINUEが無念だ。

 やだdqmaniac
1章2760(99%, 17words)3661(98%, 34words)
4章3456(96%, 26words)4571(97%, 41words)
5章4700(97%, 31words)4527(95%, 29words)
6章4917(--%, --words)6266(--%, --words)
評価正状B特C他A正B特C他A
年俸3億9037万円5億3446万円

※6章は筆者が先にCONTINUEしたため敗北

さらにTOLでシゴキを受ける。実はこのサミットでTOLを打ったのはこれが最初で最後だ。それ以前に、TOLを打つのは昨年のサミット以来だ。従っていろいろと忘れていた。まずはアルクvs反転秋葉という組み合わせで常に攻撃され続けて敗北。しかも、やださんの立ち回りがうまく、アルクの一発逆転技であるSP3技を発動する隙が無かった。続いてレンvs翡翠で闘ったところ、両者ともに決め手を欠き、時間切れに。1ROUNDずつ取り合い、正確性も93%で同じ場合は、何と両者WINと表示された。打鍵数はやださんの方が圧倒的に上であるのにもかかわらずだ。

さらに翡翠vsレンで闘ってみる。翡翠は攻撃力もそこそこあるため、SP3技+赤攻撃でゴリ押ししていこうという目論見だった。だが、やださんの防御力の方が上回り、ほぼすべての攻撃を余裕を持って耐えられてしまった。そしてレンのSP3技を要所で決められ、力尽きた。最後は反転秋葉どうしで正面から殴り合い、気持ち良く敗北。お互い、ミスタイプ監視技が通用しない相手だということは分かっていたため、そして正確性勝負よりも攻撃力で勝負したいと考えていたため、すべてのゲージはSP1技(赤転)に消費された。

……

この対戦を終えてみると、既に飲み組と奇声会(カラオケ組)は出発し、食堂組6名がカード&ボードゲームに興じていた。やださんがゲームに入り、代わりにConconさんが抜けて対戦!

Conconさんとは昨年の第8回タイピングサミット以来の対戦だ。当時は総合ZJだったが、今年は総合ZIに上げてきている。実際、1章では序盤からワードを奪われまくった。そこで、生命線である正確性を維持しつつ、取れるワードを確実に取っていく。開幕の3体でミスしたような気もしたため、正確性98%をキープするつもりだった。従ってボス戦でもコンボを繋ぎつつ隙を見て3ワードくらい奪取する。結果は正確性100%! 昨年に続く快挙だ。だが、2章では開幕早々コンボが途切れ、ワードを奪われまくる。MISSIONは落穂拾いでそこそこ耐えたが、その後はじりじりと差が拡大していった。頼みの正確性も94%止まりでは、勝ち目が無い。3章では再び正確性を重視する。序盤をノーミスで突破したため、以後も落穂拾いで耐えつつコンボを伸ばしていく。タワー戦ではクイズで優位に立ったが後半の短文はほぼ全部取られ、結局ワード数では上回れず。しかし本サミット初の3章100%を叩き出し、トータル1400点差の圧勝。

4章以降も気を抜けない闘いが続く。4章では土星語を取りまくったが後半巻き返され、ストレングスでも押され気味だった。ワード数で逆転され、正確性の差で辛うじて勝利。5章ではマジシャン前にライフ4個vs1個という状況だったため、伸び伸びと打ち進む。1発喰らいつつも、ここでワード数に差をつけた。Conconさんもノーミスを保って粘り、ライフ1個のまま6章へ。6章でも優勢を保って打ち進む。エンペラー戦では猛攻をよくしのいだが、あと2発というところでConconさんをCONTINUEさせてしまった。全盛期ならノーダメで行けたかもしれないだけに、無念である。

 dqmaniacConcon
1章3417(100%, 21words)2859(88%, 31words)
2章3957(94%, 33words)4482(88%, 51words)
3章4748(100%, 22words)3334(83%, 24words)
4章3847(95%, 30words)3334(89%, 32words)
5章4517(95%, 32words)4084(88%, 28words)
6章6079(--%, --words)4754(--%, --words)
評価正特B他A正D特C他A
年俸8億6310万円2億3124万円

 dqmaniacConcon
1章2907(99%, 17words)3255(93%, 34words)
2章4636(97%, 43words)3447(85%, 37words)

カード&ボードゲームはまだ続いていたため、Conconさんと連戦。1章ではConconさんがギアを一段上げてきた。正確性を90%台に乗せ、ワード数も先程より多い。一方、筆者は正確性100%を逃して敗れた。計算上は、倍のワードを取られても正確性100%を出せば勝機があるのだが。2章では筆者が先程のリベンジに燃え上がる。MISSIONでうまく立ち回ってワードを奪うと、後半も狙ったワードを確実に取っていく。ハイエロ戦でも優勢を保ち、正確性を97%まで引き上げて勝利。ところが! Conconさんが腱鞘炎の痛みを訴えたため、ここまで。2章で先程の対戦よりもワードを取れたのはこのためだったのかもしれない。

◆WT3野試合2

飲みから引き揚げてきたFromさん、しゅんぽっぽさんとのWT3(ワード1)対決が勃発した。Fromさんの初速と打鍵速度が凄まじい。隣で打鍵音を聴いていると、ほぼすべてのワードで筆者よりも早く打ち終わっている。必然的に、ワード数では滅多に上回れない。但し、正確に打ち終えているとは限らないとのことだった。実際、ワード数で負けていてもスコアで上回ったこともあった。

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア試合数1位2位3位
FromK15.064570.3340673300
dqmaniacK10.260988.4279595221
たのんR6.379589.7150823021
しゅんぽっぽK6.850368.4119255011
omoR4.371479.588244002
れんれんR4.069884.279665000

※ワード1で実施し、15ワード先取で終了。開幕2試合(30ワード先取)は除いて集計。
※勝敗や順位はワード数でなくスコアで判定する。
※ワード数、速度、正確性、スコアは平均値。1〜3位は各順位の獲得回数。

JISかな勢が7連勝した後、敢えてQWERTYで打ってみる。今度はたのんさんの圧勝に終わった。昨年はタイマン勝負でそこそこいい勝負だったが、今年はたのんさんが大幅にパワーアップ。対戦で速度800近く出されたら、今の実力では勝てない。一方、FromさんのQWERTYが普通に速いのには戦慄を覚えた。既にJISかなの速度では筆者を上回っており、将来はQWERTYでも抜かれるかもしれない。

プレイヤーワード数速度正確性スコア
たのん157879336614
omo76117510700
dqmaniac4681948545
From2606823317

※入力方法は全員QWERTY。

続いて、正確性95%縛りの闘いが勃発した。今度はFromさんの初速と打鍵速度が大幅に低下するため、だいぶ闘いやすい。一方、筆者は正確性の縛りがあった方が伸びる。最初の試合では速度707(1.5倍換算で1060)、正確性98%を叩き出しての圧勝だった。こんなパラメータはQWERTYでも滅多に出ない。だが、その後は疲労も出て、速度も正確性も次第に低下していった。

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア試合数1位2位3位
dqmaniacK13.063095.8397096400
FromK13.356992.8353186000
paraphrohnR11.088598.0318341010
たのんR8.080594.2204375001
omoR5.877592.8139915020
しゅんぽっぽK7.543384.5139892001
れんれんR3.772894.385053001

※ワード1で実施し、15ワード先取で終了。
※勝敗や順位はワード数でなくスコアで判定する。但し正確性95%未満は失格とし、順位に算入しない。
※ワード数、速度、正確性、スコアは平均値。1〜3位は各順位の獲得回数。

……

最後にてつさんとDC版TOD対戦。22:00の会場ロックアウトが迫っていたため、1→4で対戦する。1章ではワードを奪われまくったが、正確性100%をキープして打ち進む。ボス戦では全ワード放置して安全勝ちという戦術も一瞬考えた。eighさんが2014年の第6回タイピングサミットで、3章で採用していた戦術だ。だが、将来に向けて、正確性100%のプレッシャーがかかる状況でワードを取りにいく訓練をすべきと思い直し、全ワード打つ。ここで攻めたのが功を奏し、正確性100%もキープして勝利。4章では前半で土星語が取れず、接戦となった。いかに毎回土星語で稼いでいるかがよく分かる。それでも正確性96%を死守し、ストレングスの長文一本勝負でも互角に闘って勝利。なお、続けて5章も打ったが、ハイエロを終えたあたりで21:58となり時間切れ。

 てつdqmaniac
1章2989(89%, 31words)3421(100%, 19words)
4章3744(91%, 31words)4066(96%, 35words)


●2017.10.9(Mon)

5:15に起床。質・量ともに充分な睡眠を確保し、体力・気力とも満ち満ちている。準備運動を兼ねて、洗面所の片隅で筋トレを実施する。今年は昨年と違って、積極的に朝起きて走ろうという奇特な人は居なかったため、単独で走る。

会場周辺には公園、熱帯植物園、ヨットハーバー、清掃工場等が点在している。昨年3月のタイパー15周年オフで設定したコースを2周し、最後にクールダウン200mを追加して計5.5kmとした。自然に囲まれている道が大半で、大変爽快だ。後半には高速道後脇を走る区間があるものの、早朝なので車は少なく、排ガスは薄い。また、昨年実施されていた工事が終了しており、歩道の幅が倍以上に拡大されていた。もちろん信号で止められることも無い。総じて、大変走りやすい! なお、昨日発見したショートカットは使わなかった。トレーニングの意味もあって、ゆうかり橋の階段を2回ずつ昇降した。

そして朝シャワーとメシが至福の時間! 特に朝飯はコスパ最強だ。ヴァイキング、即ち喰い放題で648円! 予約は入れておかなかったが、8:00に団体さんが来るまでという条件付きで入場できた。

◆DC版TOD対戦5

9:00少し前に会議室を開ける。今日のメインイベントは、ぱらさんの最適化講演だ。その前に、まだ対戦していない人を誘ってTODを打つ。

まずはRTC2017を見てサミットに参加したというIchiさんと対戦。TODの紹介が目的だったため、半ば接待プレイで打つ。即ち、斧を叩き落としたり、危険なワードをさくっと打ったりしつつ、大半のワードをIchiさんに打ってもらう。それでも正確性100%をキープしているとスコアでは上回る。

 Ichidqmaniac
1章2659(82%, 35words)3146(100%, 17words)

 ヨッシーdqmaniac
1章2670(86%, 28words)2889(96%, 22words)
2章4391(91%, 45words)4269(96%, 39words)
3章3951(95%, 26words)3728(93%, 21words)
4章4000(92%, 35words)3523(96%, 28words)
5章4625(94%, 33words)4510(96%, 29words)
6章6078(--%, --words)5269(--%, --words)
評価正特C他A正B特C他A
年俸3億8667万円4億7983万円

続いて、TOD2004のVS Expert ModeでエセPocariと闘っていたヨッシーさんに「人と闘いたくないですか?」と声を掛けて対戦。何だか昨年と似た流れだ。ところが、1章で早くもヤバさを自覚する。昨年と比較して、ヨッシーさんと筆者の初速が逆転している! 正確性96%を死守して辛勝。2章以降は正確性も上がらず、落穂拾い戦術が機能しない。充分に睡眠も取り、朝ランで覚醒させたはずなのに、昨日よりも指が動かない。

4章では狙っていた土星語が出現せず、カテゴリーワードとなった。これをヨッシーさんに取られまくり、以後もじりじりと差が拡大した。ストレングスモードでもヨッシーさんの打鍵速度が冴え渡り、500点差の完敗。5章でも前半の長文一本勝負でやや劣勢となった。マジシャンはライフ5個ずつで迎えたため、果敢に攻めていく。ライフ2個を犠牲にしつつ互角以上に闘った。だが、トータルではあと2ワード及ばず。6章でも序盤から精彩を欠き、不要なEscによりダメージが蓄積した。そしてタワーでたまたま目に入った誤答を何も考えずに打ち切ってしまい、先にCONTINUE。これで敗北確定となり、ガックリきてしまった。ようやく立て直したのはエンペラー戦に入ってからだった。

……

以後はまったりとカード・ボードゲームを楽しむ。花3枚とどくろ1枚を駆使して駆け引きするゲーム(スカル)を初めてプレイした。また、ここ数年楽しんでいるブロックスも久々にプレイ。今回初参加のIchiさんはともかく、テルもプレイしたことが無いとのことだったので、レクチャーしつつ。セオリーとしてはサイズ5のブロックを先に処理するのだが、それだけではだんだん勝てなくなる。他の対戦ゲームと同様、残りブロックを念頭に置きつつ相手の動向を読む必要がある。筆者は2〜3周先を読むよう心掛けていたが、この程度ではまだまだ甘いと思う。一方、仮に5周先を読んだとしても、2:1、3:1で攻撃されると歯が立たない気もする。

なお、この日の昼飯は抜いた。朝飯のヴァイキングで喰いまくったのに加えて、参加者のお土産の美味なお菓子を2つほど頂いている。それに、カード&ボードゲームで対戦を重ねているうちに駅前やヨットハーバーまで行く機会を逸した。

◆最適化講演

今回はぱらさんを講師に迎え、最適化という興味深い分野で講演して頂いた。筆者は今回も講演録担当として参加した。貴重なノウハウを盗む謙虚に学ぶまたとない機会だ。講演録として残しておかないと自分のためにもタイピング界のためにももったいないと考え、自ら講演録係を志願した。実用タイピングをそこそこ鍛えておくとこういう時に便利で良い。

会場のPCのメモ帳を開き、IMEを適切に設定して、普段の仕事と同様にかな入力でメモを取っていく。昨年と違って講演資料に要旨が記載されているため、ぱらさんが口頭で補っている部分や、質疑応答を中心に。但し、最適化の知識がごく一般的なレベルに留まったため、議論についていけないことが何度かあった。

終了後、変なバイアスがかかって修正する前の状態で、幹事組用slackにメモをアップする……つもりが、ID・パスワードを忘却していたため、取り急ぎ自分のメアドに送信しておく。この後はWT対戦もあるし、整形するのは後日で良い。

この講演を間近で聴き、議論に参加することで、WT3.2.1のQWERTY level8到達のための様々なヒントを得られた。そう短期間に達成できるとは思えず、Intersteno対策との兼ね合いもある。だが、一歩一歩先に進んでいきたい。

◆東プレ社員を囲む会

RTC2017を主催した東プレの営業の方がいらっしゃったため、居合わせたメンバーで囲む会が開催された。何しろ会場内にある幾多のキーボードの大半が東プレRealforceであり、数千万回打鍵しているヘビーユーザーも数多い。一般ユーザーとはまた違ったアイデアが出てくるだろう。

実際、参加者の観察や考察、実施レベルの高さには筆者も驚かされた。例えば、「キーを押した後の反発力が欲しい」「隣のキーに指を滑らせる時にキートップに当たって痛い」「スコンと抜けるような感じが連打時の速度に悪影響を及ぼす」といった意見が出ていた。また、saminさんは自らキートップとキー基底の間に緩衝材(?)を入れ、打鍵感を改善するという凝りようだ。RTC2017で発表された新製品では、キートップとキー基底の間にキースペーサーなるものを挟み込める仕様になっていた。saminさんは同様の発想を自力でいち早く実現していたわけだ。

筆者は「速く正確に打つ」ことしか考えていない。その流れで、「All20gを開発する予定は無いんですか?」と質問してみた。筆者はAll30gを使い始めた2002年当時、かすりミスが増えて困った。ある程度ミスを許容できるタイピングゲームには役立つ場面もあるものの、毎パソ等の実用入力には使えないという評価だった。ところが、その後は毎パソやInterstenoの本番でミスを抑えてある程度速く打つ訓練を重ねる過程で、45g/30g→All30gの順に適応してきた。速度も徐々に成長している。このため、All20gに適応すればさらなる境地に到達できる気もする。

東プレ社員は「技術者を連れてきて話を聞きたい」と何度も仰っていた。特殊なユーザー層からの意見であり、市場性があるか否かはまた別の問題だが、またこのような機会があれば是非とも参加したい。

◆WT3野試合3

みり・ひろ連合軍に神風特攻するも、ろくに命中弾を与えることもなく虚しく散華した。格が違いすぎる! 打鍵女王は4戦で筆者を子ども扱いした後、「雑魚すぎて話にならねーな。出直して来な!」てな風情で颯爽と離脱していった。特に第2戦では、この打ち辛いRTC2017ワードで速度1040、正確性96%という魔界パラメータを叩き出し、ひろりんごを完封し筆者にも1ワードしか取らせない圧倒ぶりだった。

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア試合数1位2位3位
miriR8.591388.5234684310
ひろりんごR6.084187.3156264121
dqmaniacK2.048885.342564013

※RTC2017ワードで実施し、10ワード先取で終了。正確性の縛りは設定せず。
※勝敗や順位はワード数でなくスコアで判定する。
※ワード数、速度、正確性、スコアは平均値。1〜3位は各順位の獲得回数。

miri女王離脱後はひろりんごが君臨した。この打ち辛いワードで速度900前後、正確性90%前後を安定させる実力はさすがだ。対して筆者は速度も正確性も伸び悩んだ。JISかなに有利なワードが大量に出現して勝ちを拾ったことが1回だけあったものの、他の8戦では叩きのめされ続けた。

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア試合数1位2位3位
ひろりんごR9.391590.9258459810
dqmaniacK6.250285.8134699153
やだR4.476790.4102198034
たのんR1.058571.014476002
cocoaR0.764483.312083000

※RTC2017ワード:ワード1=3:1で実施し、10ワード先取で終了。正確性の縛りは設定せず。
※勝敗や順位はワード数でなくスコアで判定する。
※ワード数、速度、正確性、スコアは平均値。1〜3位は各順位の獲得回数。

最後にFromさんが加わり、ワード1・15ワード先取で一発勝負。危うく最下位に転落するところだった!

プレイヤー入力ワード数速度正確性スコア
ひろりんごR1510758947847
FromK146456529388
dqmaniacK95768722586
やだR98438922512

…… …… ……

16:30過ぎから撤収開始。17:30までに会議室を空ける必要があるため、素早く撤収を開始した。今年もぽかたんが全体を仕切り、皆ができることを確実にこなしてくれたお蔭で、極めて効率的に作業が完了した。


◆総括と課題:幹事組として

まず、今回は幹事らしいことをほぼ何もやっていない。ほぼ全員が沈没していた3日目朝に、会場の鍵を開けてしばらく受付を担当した程度か。他にはぱらさんの最適化講演のメモを取ったり、データ収集の手伝いをしたくらいかな。今思えば、その後に開催された
東プレ社員を囲む会の議事メモもその場で取っておくべきだった。なるべく多くの人と対戦したり話しかけたりするように心掛けたつもりだが、規模が拡大してくるとどうしても行き届かない点は出てくる。とはいえ、頼もしすぎる仲間に助けられ、負担らしい負担は全く無かった。今後も継続的に改善を検討し、参加者全員が楽しめるサミットにしていきたい。また、サミットに限らず、タイピングで対戦する機会を今後も大切にしていきたい。筆者が幹事組として参加している理由はここにある。

【会場】

今回の会場も神。40〜60人規模のオフを実施するなら、ここを上回る場所は思いつかない。安価だし便利だし必要十分な設備が揃っているし。会議室内のTVをそのままDC版TOD対戦に使用できる点も、大変助かる。これが無いとレンタルなり持ち込みなり、手間やコストが大きい。さらに、宿泊場所が同じ建物内にある点も魅力だ。

参加者の増大により、会場費と設備費はほぼ賄えるようになってきた。一方で、PCの故障に伴い、来年も引き続き財政面の余裕は無い。なお、スポンサーが現れてくれた場合は、参加費の削減よりも、設備や賞品の増強に使いたいと考えている。

【イベントの変化】

昨年に引き続き、幹事組で用意する公式イベント(原則全員参加)を「タイピングリレー」「WeatherTyping個人戦」「講演」の3つに絞り込んだ。他はすべて参加者の企画による「ゲリライベント」とし、基本的に小規模で実施した。具体的には以下の通り。

流行り廃れはあるものの、WeatherTyping大会は毎年行われており、人気の高さがうかがえる。タイピングリレー(タイプウェルFTを使用)とe-typing大会も定着しつつある。また、ほぼ全員がまったりモードに入っている3日目にパネルディスカッションや講演を実施するという流れも定着しそうだ。囲む会は3年前のモルタルコさん以来の実施となる。今後も需要と供給が一致すれば継続していきたい。

実施日大会第9回第8回第7回
1日目タイピングリレー公式公式
ゲリラタイピングリレーゲリラゲリラ(1日目)
2日目WT個人戦公式(4部門実施)ゲリラ(多言語)ゲリラ(規模縮小)
e-typing大会ゲリラ(種目変更)ゲリラ(種目変更)ゲリラ(種目変更)
WT新ワード個人戦ゲリラ
3日目パネルディスカッション/講演公式(最適化)公式(Zタイパーへの道)
囲む会ゲリラ(東プレ社員)
廃止多言語個人メドレーゲリラ
WT団体戦公式公式
WT東西戦ゲリラゲリラ
TOL団体戦ゲリラ公式
TypingWar大会ゲリラ
TypeRacer大会ゲリラ(規模縮小、1日目)

◆総括と課題:個人として

【準備の反省点】

仕事・育児・家事という三大タイピング阻害要因に加えて、引越しによるタイムロスが甚大すぎた。これに尽きる。その結果、特にTODのリハビリではろくな成果を出せず、毎年楽しみにしているかり〜さんとのガチバトルを辞退せざるを得なかったのは痛恨の極みだ。具体的には、
TODラリアットWORDBOX百人斬りにまるで歯が立たなかった。DCキーボードでの練習も全くできなかった。他にもTOD2004のザ・パーフェクトで三桁に挑戦するとか、光速の指を正確性98〜100%縛りで打つとか、練習方法はいろいろ考えていたものの、実行に移す時間的余裕が無かった。ローマ字入力の練習も事前にWORDBOX百人斬りを数日打っただけで、サミット当日に総合ZIの猛者と闘いながらDCキーボードにアジャストするという綱渡りだった。

さらに、RTC2017との両面作戦も負担だった。結果的にWeatherTyping3.2.1をワード1を中心に打ち込み続けることとなり、サミットのWT個人戦の対策にはなった。だが、RTC2017が終了する9/24までTODの練習はほとんどできなかった。来年も東京ゲームショウでRTC2018が開催されるとすれば、第10回タイピングサミットとの日程の近接が懸念される。そもそも来年は予選のレベルの大幅な向上が見込まれ、筆者のレベルでは太刀打ちできなくなるという予測もある。この際、サミット(特にかり〜さんとのDC版TODガチ対戦)のみに絞った対策を行い、RTC2018をスルーするという戦略も必要かもしれない。

【当日の反省点】

ゲリライベントへの参戦を逃し続けた。TODの野試合に忙しかったためだ。特に1日目夕方のゲリラタイピングリレーは超面白そうだったのに!

夜のカード&ボードゲームに参戦できなかったのも残念だ。筆者は朝型人間なので、夜は22時になると眠くなる。代わりに3日目の昼間に少しプレイした。そういえば今回は朝型の人が例年より少なかったような。

実用入力に関しては、かな入力時のかすりミスをAll30gでどこまでしのげるかという課題があった。そこで、1日目のタイピングリレーの逆再生で、ぶっつけ本番で実験を実施した。その結果、10人中9位に沈み、Interstenoの日本語で採用するにはまだまだ課題が多いことを実感した。なお、タイピングリレーではガチ和文に参戦しなかったため、あまり参考にならなかった。2日目のWT大会のバラエティ部門にもJISかなで参戦したが、こちらは正確性100%付近を要求されないため、やはり参考にならない。

【総合ZI狩りの成功と失敗】

昨年の反省(総合ZJ以下には勝ちまくったが総合ZIには1勝5敗)を踏まえ、今年は総合ZI以上の相手に意識して突撃した。結果的に、トータルで21勝18敗と勝ち越してしまい、今回の目標である「TODローマ字対戦で負け越す」は達成できなかった。kurimansに6敗、ぷんだに2勝4敗とここまでは順調(?)だったものの、他の総合ZI相手に19勝8敗(勝率70.4%)と大きく勝ち越したためだ。そして、今年も総合ZH以上の相手との対戦が1回も無い! 意識的にそうしたわけではないが、これでは強い相手(paraphrohn、Tak、テル)との対戦を避けたから勝率が高いだけだと見られても仕方ない。来年は意識して総合ZH以上の相手に突撃する。そのためにも、事前にローマ字入力のリハビリを怠りなく実施しておかねばならない。

【参加コスト】

引越しに伴い、ここ数年では最悪の金欠に陥った。具体的には、住宅関連費用+引越し費用により、預金を含めた所持金が一時的にほぼゼロになった。このため、家計のうち交際費・遊興費を徹底的に見直している。サミットの参加コストも例外ではない。子供の食費や教育費を削ってまでサミットにフル参加するなどという贅沢が許されるはずもない。

まずは宿泊の回避。一泊4300円は首都圏ではかなり安い部類に入るが、前泊含め三泊もしている余裕は無い。そこで、二日目のみ宿泊という選択をした。これで、往復の交通費との差額が丸々浮く。

次に食費の見直し。今年も飲み会に参加しなかったのに加えて、四桁の食事をほぼすべて回避した。徒歩で8分、走れば5分かからずに駅前まで行けるのだから、外食しても三桁に抑えることは可能だ。三日目に至っては、朝食のヴァイキングで喰いまくって十二分に補給しておき、昼食を抜いた。唯一の例外は一日目の昼食だ。これに関しても、来年は弁当を持ち込む等、改善の余地があるだろう。それ以前に、家計を好転させることが先決だが。

最後に、キーボードを持ち込むことにより、参加費1000円割引の適用対象となった。ここ数年は持ち込みを実施していなかった。荷物削減という理由に加えて、そもそも昨年まで主力だった東プレRealforce89Uが人前に出せる状態ではなかったためだ。だが、今年は背に腹は代えられず、昨年12月から主力にしている東プレRealforce106を持ち込むこととした。

……

以上は金銭的コストの話。では時間的コストはどうだったか。今回はここ数年実施していたかり〜さんとのDC版TODガチバトルを辞退した。浮いた時間で増えたのは、何とWTの野試合だ。TODの野試合は計64戦であり、昨年よりも5戦減少した。代わりに、WTの野試合は計48戦を数え、昨年比33戦も増加した。今回はWT3.2.1を打ち込んでくる一方、TODのリハビリは遅々として進まなかったのだから、当然の帰結とも言える。

【課題】

参加者としては、強ければ強いほど楽しめるという考えは変わらない。このため、タイピングの実力を維持・増強する努力は欠かせない。特にTOD対戦に関しては、来年もサミットの中心としたい。かり〜さんとのガチバトルは外せないし、ローマ字入力でも全盛期と言える実力で臨みたい。その際には、種目にかかわらず打鍵速度の限界突破が必要と考えている。ポストサミット戦略に「WT3.2.1のQWERTYでlevel8狙い」「WT3.2.1のJISかなでlevel11.5狙い」を掲げる一方、Interstenoオンライン大会への対策を敢えて削ったのはこのためだ。


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